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症例報告 ~アキレス腱外側に疼痛が出現する症例~

歩行時にアキレス腱外側に疼痛が出現している症例に対して、介入前後の歩行動画を提示させて頂きました。


今回の記事では、私がこの症例に対して考えた「3つのステップ」について、まとめていきたいと思います!

図19

それではいってみましょう!


1.何を考えたのか?

考えるにあたり、問診と動作観察が重要になります。

1-1.問診

問診はかなり重要です!

図20


今回行った問診の内容はこちらです!

・どこが痛いのか→アキレス腱外側~外果
・いつから痛いのか?→2w前
・痛みは2wで落ち着いたのか?→変わらない
・痛みの種類と頻度は?→鋭い痛みで歩くと毎回
・痛みは落ち着くことはあるのか?→安静時はなし

ある程度ここから推測できますよね?


1-1-1.どこが痛いのか?

問診で得た「アキレス腱外側~外果の痛み」ということで、この部分にどの組織が存在しているのかを考えます!


アキレス腱外側から外果後方にある組織は

図21

この組織のどれかにストレスが生じ、疼痛が生じていると考えられます。


1-1-2.いつから痛いのか?痛みは変化したのか?

組織損傷・炎症性の疼痛なのかを考えます。組織損傷・炎症が悪化している場合は疼痛が増悪している可能性が高く、組織損傷・炎症が改善している場合は疼痛は軽減していることが多いです。

図22

この症例では、「2wで疼痛に変化はなし」なので、組織損傷・炎症の可能性は少ないと判断しました。

もちろん、炎症が生じている場合もあります。必ず上記のような経過になるというわけではないので、目安として考えて下さい。


1-1-3.痛みの種類と頻度は?痛みは落ち着くことはあるのか?

炎症・神経系・筋肉系・骨の痛みの訴え方はそれぞれです。

図23

この症例では「鋭い痛み」の訴えがあるので、神経系の痛みの可能性と考えました。上の図は、私の感覚でざっくり捉えるための指標としてます。


「痛みは落ち着くことはあるのか?」について、安静時に疼痛はないため、炎症性の疼痛ではなく、メカニカルストレスによる疼痛の可能性が高い、と考えられます。


ここまでの私の解釈をまとめると

歩行時、足関節後方組織にメカニカルストレスが加わり、疼痛が生じていると考えました。


2.どの歩行フェーズで痛いのか?

この症例の場合、歩行で疼痛が出現します。「歩行で痛いのか~」で終わらずに、「歩行のどのフェーズで痛いのか?」が重要になります!立脚初期、立脚中期、それとも蹴り出しなのかを評価します。


症例の疼痛は「蹴り出し」で出現していました。

図24

特に親指に体重が生じた際に著明でした。疼痛部位、疼痛が生じるフェーズがわかったら、次は「どのメカニカルストレスが生じているのか?」を評価する必要があります。


3.どのメカニカルストレスが生じている?

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