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足部レントゲンの見るべきポイント ~骨と骨以外の見るべきポイントPART1~

CTやMRIといった画像機器が進化している中でも、レントゲンは整形外科領域の画像評価では、現在でもよく用いられています。その理由として、MRIやCTより安価であり、すぐに評価することができるためです。


レントゲンによる画像評価の主たる目的として、骨の状態を評価することあります。さらに、セラピストは骨の状態を見ることはもちろん、もう一歩踏み込んだ視点で考える必要があると思います。


では、何に着目してレントゲン画像を見るのかというと
・骨折はどのような外力が加わったものなのか?
・骨折と合併して、軟部組織損傷は生じているのか?

を考えながら、レントゲン画像を見る必要があります。


「骨折はどのような外力が加わったものなのか?」という点ですが、骨折が生じる力にはいろいろあります。例を挙げると「ズレ・捻じれ・牽引・圧縮・屈曲」などがあります。


骨折が生じた外力を考えおかないと、介入時に骨折部にストレスを加え、痛みを引き起こしたり、治癒過程の阻害してしまう可能性があります。そのため、必ず骨折は加わった外力、骨折の種類を理解しておく必要があります。


また、骨が折れるほどの外力が加わっているため、周辺の軟部組織の損傷や骨折に伴う軟部組織の損傷も生じている可能性があるため、軟部組織の損傷も考える必要があります。


例えば、腓骨の遠位が骨折している場合、腓骨の骨折の程度を確認する以外に、”遠位脛腓靱帯・長短腓骨筋・前距腓靭帯・腓腹神経”の損傷が合併して生じていないかを考える必要があります。


この様に今回の記事では、足部レントゲンで骨折の評価以外に、軟部組織の状態やそれぞれの疾患で着目するポイントについて、記載していきたいと思います!


1.足部前後像(斜位像)の見るべきポイント

まず始めに、足部レントゲン前後像(斜位像)における、骨の位置関係について、下の画像にまとめました。足部レントゲンを見る際に、最低限の知識となるため、しっかりと覚えておく必要があります。


では、足部レントゲン前後像で見るべきポイントについて記載していきたいと思います。骨折や病態によって着目するポイントは変化するため、それぞれのポイントについて記載していきたいと思います!


1-1.中足骨骨折

まず始めに、第1中足骨骨折について記載していきます。第1中足骨骨折の原因として多いものは外傷、または疲労骨折になります。外傷のエピソードやバスケやバレーなどのジャンプを繰り返す運動を長時間実施していて、第一中足骨に疼痛がある場合は第一中足骨骨折を疑います。


疲労骨折の初期では異常が認められない場合もありますが、経過とともに骨膜反応と皮質肥厚が顕著になります。初期では、圧痛および運動時の疼痛などの所見を組み合わせて評価する必要があります。


第1中足骨は前足部で最も負荷がかかる部分で、歩行では第1中足骨頭に体重の約120%の力が加わるとも報告されています。また、第1中足骨は、歩行中に縦アーチを支持する役割もあり、前足部に荷重が加わった時に安定性をもたらします。


そのため、第1中足骨骨折が生じると歩行時に体重負荷が十分にできず、立脚期の短縮やトレイリングリム肢位が取れず、跛行が出現する可能性が高いです。そのため、セラピストが介入する際は、”第1中足骨の骨癒合が十分で、歩行時の負荷に耐えうる骨になっているのかを確認することと、歩行の立脚期とトレイリングリム肢位を再獲得する点”だと考えています。


また、もう1つ重要なポイントがあります。中足骨基部またはさらに近位の骨折で、第1~2中足骨の間隔が広がっている場合、リスフラン損傷を疑う必要があります。

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