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肩・膝・足関節から考える関節原生筋抑制 ~筋力低下の原因は筋以外にもある~

今回の記事では、臨床でよく問題となる「関節原性筋抑制」について考えていきたいと思います。まず「関節原性筋抑制」という言葉を初めて聞いた方もいらっしゃると思いますので、簡単に言葉の意味について説明していきたいと思います。


関節原性筋抑制(Arthrogenic muscle inhibition:AMI)は筋肉自体は損傷していないが損傷した関節を囲む筋肉の反射的で継続的な神経抑制が生じることと記載されています。簡単に言うと「筋肉に問題はないが損傷した関節周囲の筋力低下が生じる」ことと理解して頂ければよいと思います。


では、「なぜ?関節原性筋抑制が生じるのでしょうか?」。これは、関節が損傷した際、可動域を制限し、損傷した関節のさらなる損傷を防ぐための保護機構として機能するためと考えられています。つまり、人間の防御機能の1つとも考えることができます。


しかし、関節損傷の初期ではAMIは関節保護に働きますが、AMIが持続すると筋力低下や筋萎縮が生じ、関節機能の回復を著しく阻害する可能性があります。そのため、機能回復の段階ではAMIは抑制するべき機能になります。


では、「AMIが生じる原因には何があるのでしょうか?」。もちろん中心には関節損傷があるのですが、関節の損傷に伴って生じる「疼痛や腫脹」が1つの原因になります。

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