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富士山

一緒にテラスへ夏の富士山を見に行った日。

目を閉じてしまうほどの眩しい日差しだった。

それに劣らず眩暈がするほど
多くの人が彼目当てに訪れていた。

いつも太陽に照らされて
彼は隠れたくならないのかなって。

彼はたくさんの人を癒しているけれど
彼を癒してくれる人はいるのかなって。

私を見つめる彼の眼は愁いの含んだものだった。
すべてをも赦すようなそれだった。

誰も知らないそれを私はそっと自分の中に閉まった。

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