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デンマークで1年暮らして気付いたこと その1

 (タイトル変えました)

はやいもので、デンマークに来て1年と少しが経ちました。こちらでの生活にも相当慣れました。最初は『ガイコクジンコワイ…』とビクビクしながら隅っこを歩いてたんですが、カーディガンを肩掛けして通りの真ん中歩けるようになったし、偶然知らない人と目が合っても逸らさずににっこり出来るようになりました。
あのにっこり文化、あったかい気持ちになれて個人的にすごく好きなんですが、日本でやると多分変質者ですよね…かなしい…

こちらでの生活に慣れてくるとともに、見聞きする物事への驚きが徐々に薄れてきました。なのでちょっとここら辺で、これまでに「うわーここは日本と違うなぁ」、「最初のイメージと違う!」と思ったあれこれを、さくっと書き留めておきたいと思います

1.デンマークの物価はいうほど高くない

はい。まずこれです。北欧はどこもかしこも物価がエグいと言われます。
これある意味では正しいんですが、めっちゃくちゃライフスタイルによります。自炊する分には別に高くないです。

とりあえず論より証拠ということで、うちの近所のスーパーで食料品の価格を調べて来ました。調べたのはデンマークに沢山ある

Irma, Netto, ALDI

の3店舗です。それぞれ日本だと

成城石井(Irma)、まいばすけっと(Netto)、、、、

ALDIは今ひとつ思いつかないですが、規模の小さいスーパー玉出、スーパーオオゼキみたいな感じですかね?

直接お店に行って調べてみた時の価格をまとめました(税込価格)。比較の為に日本の価格も「農林水産省平均」として併記しています。細かい情報は全部省いているので、[1]を参照してください。

表だけだと分かりにくいので、グラフも作りました。
農林水産省平均を100%とした時の相対価格です。

どの店に行っても日本価格より高いのはきゅうり、レタスだけということが分かりますね。
果物類がかなり安いのは、果物類が贈答品として考えられておらず高級路線の品種がほぼ市場に出回ってないというのがひとつの理由としてあるかも知れません。そもそも贈答の文化がないですからね。

ちなみにコカ・コーラの330ml缶はALDIで100円、プライベートブランドの水は500mlで40円くらいです。

2.外食がべらぼうに高い

一方、外食はべらぼうに高いです。ランチで2,000-3,000円は当たり前。ディナーで食事して1杯お酒飲んだらまぁ当然4,000円はいきます。最低限で、ですよ。
(ちなみにデンマークでは小数点とカンマの役割が日本と逆です。最初なかなか大変だった…)

デンマークの消費税は25%で、この時点でなかなか高いのですが外食をするとそれに追加で「付加価値税」なるものが25%つきます。なんでトータル50%の税金を払ってることになるんですかね(50%なのか56%なのかちょっと定かでない)

とてもお金がかかるので外食文化はとても育ちにくいです。コペンハーゲンにあるkumaという日本食レストランのオーナーさんの記事(日本語)でもそういったことが言及されてます。

そういえばここまで外食文化がないのになんでnomaとか出て来たんだろう。

3.遊ぶところが少ない

コペンハーゲン、遊ぶところが少ないです。前のnoteにも書きましたが人口規模の小ささや非常に厳しい建築制限から、日本のように娯楽に溢れた場所がないです。渋谷、原宿、新宿を訪れてから日本の大ファンになったというデンマーク人の友人がいますが、なんとなく分かる気はします。

なので基本、休日にすることといえば『散歩』ですね。(ちなみに非常に楽しい)

デンマーク旅行で食費を抑える

ここまでのことをまとめると、(住む場所さえあれば)デンマークで最低限の生活をするのにそこまでお金はかからない、ということがイメージ出来るかと思います。

なので旅行である程度の期間(2~3日以上)いる場合、キッチン付きのホテルに泊まって自炊できる環境にしておくとかなり安くなると思いますよ!

すべて外で食べると朝食1,000円、昼食2,500円、夕食4,000円としてまぁ1日7,500円くらいかかっちゃうので。

パンはJuno the bakeryとか

Meyers Bageriとか

が美味しいし、食料品は少し贅沢したいならIrma、最低限でいいならNettoやALDIで手に入るし、少し珍しい食材を見てみたければNørreportのマーケット行くのが楽しいと思います。

4.家を探すのが本当に大変

基本的にヨーロッパの大きな都市は居住空間不足です。コペンハーゲンも例に漏れず住宅不足で、家を探すのがめちゃくちゃ大変です。

これは旧市街の景観を守るために、基本的に古い建物を壊して建て替えることが許されていないことが主な原因だと思います。

建て替えることが出来ないので建築物が古いままで、アパートの各部屋の間取りが時代について行っていません。ほとんどが非常に広く大家族向けに設計されていて、単身者用の部屋、というのは中心地にはほぼないという状況です。

内部のリノベーションはOkなのですが、まぁもともと1部屋だったものを2部屋にするのは水回りやら配管やらかなり直さないといけなくて誰もやりたがらないですよね。

ただでさえ住居不足で家を探すのが難しいのに、ある事情がその困難さに拍車をかけます。というのも、

デンマークには賃貸向け不動産がない

のです。

そのためこっちで賃貸を見つけるには、FacebookなどSNSのグループか、あるいは Bolig Portal, Findroomate, DBA といったサイトを使って、大家さんと直接交渉するしかありません。

これがなかなか大変で。。。簡単にいうとヤフオクで賃貸を探すような感じですかね。例えば Bolig Portal ではまず家主がサイトに自分の物件を登録します。すると一覧に表示されて我々借主がそれをチェックできるようになります。

こんな感じで。

めっちゃおしゃれ、、

で、Bolig Portalの有料会員(月額5,000円)に登録していると、右下のオレンジ色のボタンを押すことで家主にメッセージを送ることが出来ます。そのまま交渉がうまくいけば晴れて家を借りることができる、という流れです。

想像に難くないことかと思うのですが、コペンハーゲンの住宅の需給バランスが異常です。そのため家賃をそれなりに高くしたところで借り手は余裕でつきます。したがって「手頃な」家賃のアパートはもう、ほんっっとうに人気です。

上の画像の家は4つもベッドルームがある、完全に家族用の家なのでかなり家賃も高いですが、リーズナブルな物件には登録された瞬間にメールが殺到します。知り合いは自分の家を貸しに出した時、5分で30通来たと言ってました。

なのでまぁ、基本的によっぽど運がいいか人を惹きつけるメールを書けるかしないと物件を見つけるのは難しいです。そもそも現地の人に比べて、デンマーク語が喋れない謎のアジア人というだけでディスアドバンテージですしね。かなりきつい戦場です。

いやぁ、、本当に大変だったなぁ、、(書きながら思い出している)

Bolig Portalで見つからなかったのでFacebookで探していたんですが、そこにはFake Offerも結構あり、、

Fake Offerに捕まっちゃうと敷金と前払い家賃を騙し取られます。僕は周りの助言もあり回避できたんですが、そもそも『交渉が進む』ということ自体がなかなかありません。なのでその状況に辟易しているとFake Offerでも「もしこれが本当だったら、これは千載一遇のチャンスなのでは!」と、悪い結果に向かって突き進んで行ってしまいます。

敷金+前払い家賃って結構な額なので、もしデンマークに引っ越す予定がある方は気を付けてください。『今住んでいるところの退去日が近いのに、次の家が見つからない』って想像以上のストレスです。。。

なんやかんやで僕は半年で3回引越しをしまして、ようやくいまの場所に落ち着きました。最後は研究所の所長の知り合いが偶然家を貸したがっており、それを紹介してもらう形でした。

デンマークってやはり小さい国なのでかーなーりコネ社会で、住宅情報は公に出る前にだいたい知り合いの間でWaiting Listがあって、そこで借り手が見つかってしまうんですよね。

また書き足しまーす

====注釈====

[1] 1dkk=16.9円で計算、全ての数値は1の桁で四捨五入。「農林水産省平均」とは
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/kouri/k_yasai/attach/pdf/h22index-150.pdf (野菜)
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/kouri/k_gyuniku/attach/pdf/index-38.pdf (肉)
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/seika_orosi/attach/pdf/index-7.pdf 
(果物)
に基づく。農林水産省データは重さ基準なので、重量から個数への変換は、野菜は
https://park.ajinomoto.co.jp/recipe/basic/ingredients_bunryou/
に基づいた(トマトは150g/個とした)
また、果物に関しては卸売価格しかデータがなかったので、卸売価格(年平均)を
http://vegevalue.com/2017/10/20/mktp_conp/
の記事に基づいて2倍したものを小売価格とし、りんごは1個=300gとして計算。コペンハーゲンでの価格調査は2018年12月中頃に実施。

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