見出し画像

『プロレスリング・ノア』コロナ禍の4ヶ月

前回、コロナ禍におけるノア広報の動きとして2020年3~4月までに広報としての取り組みをお伝えした。
あれから2ヶ月。『プロレスリング・ノア』は更に様々な事にチャレンジをしてきた。今回はコロナ禍において止まらず突き進んだノアの新しい取り組みと動きをご紹介する。

新しいプロレス試合の形「TVマッチ」

3月29日、後楽園ホールで無観客試合を行った。メインイベントの「潮崎豪VS藤田和之」のGHCヘビー級選手権試合は、31分にも及ぶ視殺戦(にらみ合い)となった。その衝撃的な試合内容から、プロレスファンの中で大きな話題を集めた。

ダウンロード

このとき私たちは、「無観客試合」というひとつの形を見出したと思った。しかし、4月7日緊急事態宣言が出る。東京都から後楽園ホールの使用自粛要請があり、無観客試合も開催が困難となった。
緊急事態宣言下では、スタッフや選手の稼働人数を大幅に減らす必要があった。生配信は多くのスタッフ、関係者が集まってしまう為禁止。夜20時を過ぎての外出は控えなければならない。いずれも感染拡大を防止するためである。

これらの条件を踏まえた上で、『プロレスリング・ノア』では、「TVマッチ」として、映像配信に力を入れることとした。海外では主流なこの「TVマッチ」という形はあらかじめ試合を収録しておき、後日TV放送するいわゆる連続ドラマのような方式をとる。この形で行えば、スタッフの数を最小限に抑える事ができる。
コロナ禍にて、日本国内のプロレス団体でこの取組を行ったのは『プロレスリング・ノア』が最初である。また、観客のいない状態ではあるが「TVマッチ」放送と同時にリアルタイムで実況と解説をつけさせてもらった。SNSでも放送に合わせて実況を行う。これは、新しいコンテンツ配信の形を確立させたように思う。

『週刊プロレス』表紙最多登場数獲得!

観客を動員しての大会が禁止となれば無観客で開催。無観客試合も禁止されたのなら収録してインターネット配信というように、次の手を休む間もなく打ってきた。これによりコロナ禍において、プロレス専門誌である『週刊プロレス』の表紙を一番多く獲得したのは紛れもなく『プロレスリング・ノア』だった。

画像2

私自身このコロナ禍においてどう行動していいのか? という迷いがあったのも事実だ。もし感染者が出たら? もし自分が感染者になってしまったら? それは常に頭の中にあった。それゆえに、『プロレスリング・ノア』においては感染症対策に万全を期した。
関わる人間の検温はもちろん、施設の消毒・除菌、防護服などこれでもかというくらいに実施。
これは実際の感染対策というだけでなく、私自身腹をくくって最善を尽くしてコンテンツを配信するという信念にも繋がったように思う。そしてそれは関わる選手、スタッフ全ての人間が同じ気持ちだったと感じている。

プロレスのストーリーを止めないために

「プロレスとは終わらないマラソンのようなもの」

いつだったか武藤敬司選手が言っていた。プロレスは試合とともにストーリーを楽しむエンターテイメントスポーツだ。私たちは、前述した「TVマッチ」を使って『プロレスリング・ノア』のストーリーを止めることなくインターネット上で進めていくことが出来た。
また、サイバーエージェントグループになったことにより、2月16日からAbemaTVでの配信をスタート。更に、同じグループ会社である『DDTプロレスリング』が展開する有料配信サービス「WRESTLE UNIVERSE」でも配信をすることとなった。

ノアが「TVマッチ」主体になったことにより、AbemaTVでは4月から6月までで7つの大会を配信した。AbemaTVは、視聴者が無料で観る事が出来る。ゆえにAbemaTV自体が抱えているユーザー数も多い。これは、『プロレスリング・ノア』の試合において多くの視聴者を獲得することに繋がった。

特に、6月14日配信された「NOAH “GO FORWARD” powered by ABEMA」 は10万回以上視聴されSNSのデータを見ても、去年11月に両国で開催された年間最大のビックマッチと同等の反応を得ることが出来た。
これは、コロナ禍により開催出来なくなってしまった大会の代わりにと始めたものが、昨年最大の大会と並ぶほどのビックコンテンツに成長した証ともいえる。AbemaTVという媒体の大きさが完全な追い風となった。

ファンと運営が一緒に作り上げるITコンテンツ

「TVマッチ」以外にも様々なインターネットのコンテンツが生まれた。

・インターネットサイン会(グッズ購入した方の名前を読んでサイン入れ)
・ZOOMを使ったトークショー
・オンライン会議用バーチャル背景の無料配布

これらのコンテンツは、思いつく限りすぐに実行した。
特にインターネットサイン会では最初は戸惑いもあり、どういうシステムで参加出来るのかファンの皆さまもわからなかった部分が多かったと思う。しかし回数を重ねていくごとに運営もファンも一緒に理解していくような楽しいコンテンツとなった。

売上も視聴数も、回数を重ねるごとにどんどんあがっていった。ここだけの話、直近のインターネットサイン会は、後楽園ホール1回分のグッズ売上と遜色ないくらいまでに成長した。

7.18 観客ありで大会開催が決定!

画像3

6月21日のAbemaTV放送内にて発表した通り、7月18日に後楽園ホールにて観客ありで大会を開催することが決定した。3月上旬に大会を中止してからおよそ4ヶ月半ぶりの観客ありの大会開催となる。
しかしコロナ禍の収束が見えない限り、満員の会場にすることは難しい。以前の収容人数の3分の1が、7月の最大収容人数となる。後楽園ホールに来て頂けるお客さまは494名。

この4ヶ月間、選手とスタッフは、観客がいない中映像コンテンツとしてお届けしてきた。この大会を機に観客ありきのプロレスをスタートするが、おそらくドラゴンボールでいう「精神と時の部屋」状態でむかえることが出来るだろう。皆さまがいない状態で突き進んできた『プロレスリング・ノア』のレベルは1段階……いや、2段階以上あがっていると感じている。

7月18,19日は会場のみならず、インターネット配信やSNS実況等でお楽しみいただけると幸いだ。
私達はその日に向けて、さらなるプロモーションを計画している。ファンの皆さまに、呆れるほど楽しい『プロレスリング・ノア』をお届けすることを約束する。

プロレスリング・ノア公式サイト
https://www.noah.co.jp