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「高認ってどんな感じ?」編|■高卒認定■の取りかた

この『■高卒認定■の取りかた』ノートは
「高認ってどんな感じ?」編です。

- もくじ -
高卒って必要?
(1)どんなテストをどうやって受けるの?
(2)どこで受けられるの?
(3)お金はいくらするの?
(4)どの教科を受けなきゃいけないの?


 中卒または高校中退者が[高卒]をとる方法は、

1・通信でも定時でも全日でもいいから高校に行く
2・高認を取る

今のところ、このどっちかです。

 そして、何かの理由で「1・高校に行く」を選べない人が通学せずに高卒資格を取れるのが、この、高認=《高等学校卒業程度認定試験》という制度です。(昔は大検と呼ばれていました。)


■高卒認定■の取りかた

高卒って必要?

 さてこの記事の土台になる文章を担当している私は、30歳でやっと高卒になれました。今更〜!30過ぎてやっと高卒かよ私〜!…とは思いましたが、持ってなかった頃と比べたら気持ちは晴れた…ような気がします(?)。
 大学を卒業していないので、今度は「私、大学出てないのかぁ…」という暗さが残っていますが、中卒の頃に感じた真っ暗よりはぜんぜんマシ!!!です。

 高校は、家の経済が悪化したのを境に辞めてしまいました。当時は「学校なんか行く意味ないから」「高卒なんか要らない」とか言って意地を張って現実と向き合わないようにしていましたが(多感な時期だし、友達に「うちはお金がない」ってバレるのも嫌でしたしね…)、アルバイトを探すにも何をするにも「高卒すらできなかった人」「中学までの勉強しかできない人」にしか見えない人間に対して、ふつう、社会は厳しいです。お金がないからこそ高卒ぐらいは持っているべきだった…と今は思います。

 幸い高校1年生だけは丸ごと修了しているので、私の場合は高卒認定のテストだけでなく通学して取った単位と合格科目を合わせての取得になりました。(通っていた時期がある場合は、そこで取った単位も無駄にならないですよ。)

 取得した人の中には、自分の優秀さを伝えたくて(?)努力を認めて欲しくて(?)努力が必要ないカッコよさを知って欲しくて(?)溢れる思いを抑えきれずに「マジで簡単だった」「誰でも取れる」「準備は要らない」「むしろその後の大学受験で苦労して*ヶ月で○○大に受かりましたね」みたいなのを聞いてないのにグイグイとアピールしてくる人も居ますし…(笑)一方では試験のための準備学習を売り上げにしている予備校とかが「高認を独学で取るのは難易度が高い!」「範囲は高校3年分だから準備は必要!バッチリ試験対策を!」みたいに言ってたりしますね。

 難しいの?簡単なの?結局どっち〜?って感じの高卒認定なんですけど、まあ…「どっちでもない」というか…。勉強の仕方=点の取り方を知ってる人が受けるなら試験前の1ヶ月勉強すれば充分受かるだろうなって感じもしましたし、マジで小中高テキトーにやってきて「勉強の仕方が分からない!」って状態で一夜漬けどころか一ヶ月漬けで合格するのは大変そうだな〜って、半年ぐらいコツコツやったほうが安心ですよ〜!…って感じもしましたし、結局のところ「あなたのこれまでとこれからの学習意欲による」としか言えなかったりします。世の中だいたいそういうもんですけども…。

 でも悲観することないです。ストレートで高校を卒業していないという弱点を持つ我々は、逆にどれだけ遅れたところであまり気にしなくていいのが利点!!のんびり数年かけて高卒取ったっていいんですし。高卒に興味があったら少しずつ進めていきましょう。

 それはそうと、個人の成績と関係なく共通して言えることは、「手続きが面倒!」で「お金と時間に余裕がないと試験がめっちゃ受けにくい!」っていうところ。

 受けてみたら申し込むためには時間のかかる準備も必要だったりして、フルタイムで働く合間に受けるのは結構めんどくさかったので、私の知っていることや注意するポイントを、この場を借りて共有してみようかなと思います。

 家事や仕事や休暇の合間で寄稿するので書き終えるまでに時間がかかりそうですが、高卒を持ってないことにコンプレックスを感じていたり就職で困っている誰かの役に立つかもしれないのでがんばってみます。


*** 注意 ***
この記事は2018年の秋に書かれたものです。実際に受験するときはこの記事ではなく、文部科学省から発表される公式の情報をきちんと確認してくださいね。この記事の情報は時間が経つと古くなって使えなくなってしまう場合もあります。



ステップ:01
どんなテストをどうやって受けるの?

 事前に申し込みをすれば受けることができます。
 当日会場にイキナリ行っても受けられないし、好きな時に一年中予約できるものでもないです。
 決められた期間内に申し込み(出願)する必要があります。

 マークシート式のテストです。

 全教科を1度に受けなくても大丈夫です。私も何回かに分けて試験を受けたので、初めて受験したのは取得した年の10年以上前になります。

 1年に1教科ずつ取っても大丈夫です。また、1回受かった教科はもう受けなくて大丈夫です。
 高校中退の人は、高校で取った単位があれば受けなくていい科目もあります。

 2日間あって、1日目の教科と2日目の教科は違います。だから残念だけど「全教科を1日で済ませたい」と思っても、それはできません。
 受けたい教科が1日目と2日目にバラけてたら2日間行くしかありませんし、アルバイトのお休みが1日しか取れなければもう1日分の科目はあきらめて次回また受けるしかありません。

 高認のテストは半年ごとにあります。

 必要な教科の「合格」(または「免除」)が揃ったら、高認がもらえます。そうすると、「高卒以上」って書いてある求人にも応募できるようになりますし、大学受験もできます。
 就職の時に高卒と同等に扱ってもらえるかは相手企業次第
ですが、中卒・中退のまま居るよりはいくらかマシかもしれません。
 既に就職済みでその職で安定している人がわざわざ仕事や休息の時間を削ってまで取る必要があるかは微妙ですが、いつか大学や専門学校に行きたい人・これから転職活動をする予定がある人・精神的にコンプレックスがある人・高校で学習する範囲を知っていたほうがいい職に就いている人は受けて損はしないテストだと思いますよ。


ステップ:02
どこで受けられるの?

 決まっている場所はありません。どこかの高校だったり社会福祉センターだったり、回によって色々です。
 高認のホームページの「試験について」というところに、PDFでその回の会場のリストがあります。全部で47箇所、つまり1つの都道府県あたり会場は1つです。

 石垣島や宮古島みたいな離島がある沖縄も、めちゃくちゃ広い北海道も、たくさんの路線が近くを通っている便利な東京も、会場へのアクセスのしやすさは関係なく1つの都道府県あたり会場は1つしかありません。

 自分の住所地と関係なく、どこの会場でも受けられます。私は試験が出張に挟まれてしまったことがあったので、その時の仕事先のアクセスを考えて全然関係ない地域で受けたこともあります。(首都圏会場以外は、ほぼアクセスが不便でびっくりしました!)


ステップ:03
お金はいくらするの?

 料金は、テストの数によります。

1科目受ける人・・・4500円
2科目受ける人・・・4500円
3科目受ける人・・・4500円

4科目受ける人・・・6500円
5科目受ける人・・・6500円
6科目受ける人・・・6500円

7科目以上の人・・・8500円

…ということが文部科学省が出している案内に書いてあります

 だから、「1年に1科目ずつ取るぞー!」って決めてる人は4500円ですね。
でも3科目受けても1科目受けても同じ値段なので、1年に1科目合格が目標でも、テストは3科目にチャレンジするのがオススメです。「3科目も受験勉強できないよ〜!」と思うかもしれませんが、目標が1科目合格なら、勉強は1科目だけしていけばいいんです。あとの2科目は合格できなくても、どんな問題がどんな風に出るのかな?という練習ができるので、勉強はせずに遊びのつもりで受けてくればいいです。次に試験を受ける時に緊張しなくて済みますよ。

 ちなみにこれは“テストを受けるだけ”の値段。お金を助けてくれる人がいたり、お給料のいい仕事に就いていないと、4500〜8500円というのは気軽に出せる金額ではありませんよね。なのに、他にも検討しないといけない費用があります。

 たとえば会場まで行く交通費。運良く近所ならいいですが、会場は各都道府県に1つなので、場所によっては数千円の往復交通費がかかるかもしれません。
※「実は隣の都府県の会場のほうが近かった!」というケースもあるので、自分が住んでいる地域以外の会場も一応チェックしてみましょう。

 それから、1時間目の試験は9:30〜なんです。開始30分前までに試験会場に到着して開始10分前には試験をする部屋で着席していないといけません。「1時間目の科目を受験したいけど家と会場が遠い」という人は前泊したり、2日連続で1時間目の科目を受けるなら2泊必要になる場合も。
 道府県ではだいたい道府県庁所在地や栄えている地域で開催されます。これまでの開催地を見ると、たとえば、沖縄なら那覇・北海道なら札幌・宮城なら仙台・兵庫なら神戸・茨城なら水戸・栃木なら宇都宮みたいな感じですね。
 道府県内の都会的な場所が会場になりやすいので、タイミングによってはホテル代が高めになる可能性もあります。特に第1回の試験は毎年8月上旬、なんと夏休みシーズン真っ只中なので、会場が観光地付近だと値段が上がっている場合も。
 ビジネスホテルは普段でも1泊4000円〜1万円ぐらい(曜日や場所や予約するタイミングによります。)するので、とっても大変ですが遠い人は宿泊費も用意する必要があるかもしれません。

 受験しない日や受験しない科目のときは会場に居なくてもいいので近所の場合は、試験を受けてバイトに行ってまた試験会場に戻ってきて…みたいなことも可能かもしれませんが、会場と職場が遠ければテストの日は仕事をまるごと休まなければいけませんしテスト直前に勉強休みが欲しいなら仕事を休んだ分のお給料が減ってしまうことも考えないといけません。

 それから、(過去問題は無料で文科省のサイトにありますが、)教科書や参考書を持っていない or 譲ってもらえない、時間的にも距離的にも図書館が使えない人は、教科書や参考書を買う必要もあります。(買い方・選び方は長くなるのであらためて書きます。)

 受験料以外にもたくさんのお金がなくなるので、お金に余裕がない時は「高認テストを受ける」と決めたら毎月がんばって2千円か3千円ずつ高認貯金をしておきましょう。そうすると、半年で1万2千円〜1万8千円になっています。
 たとえば試験を3科目受けて4500円、交通費が往復2000円、ビジネスホテルが1泊5000円だとしたら、このくらいお金をもっていればギリギリなんとかしやすいですよ。(交通費やホテル代は当日までにあればいいですが、受験料は申し込みのときに必要です。)

 働く時間を確保しながら不利の少ない学歴を持てるように、高卒認定こそ無償化してほしいと思うのですが、朗報はまだみたいですね…。う〜ん…。


ステップ:04
どの教科を受けなきゃいけないの?

 教科ごとにどんな勉強の仕方をすればいいか、というのは長いお話になるので別の機会にお話ししますが、まずは受けなきゃいけない教科リスト!

1.国語
2.地理歴史
3.公民
4.数学
5.理科

6.外国語

 この6つの教科で「合格」(または免除)が揃うと、高認がとれます。詳しくは高認のホームページの「試験科目・合格要件・出題範囲」に書いてあります。

 ちなみに6つなのは【教科】であって、【テストの数】=(科目)ではないのでご注意!2〜3【科目】のテストを受けないと合格扱いにならない【教科】もあります。高認では、勉強の大きなジャンル・大きなカテゴリみたいなものが「教科」と呼ばれていて、実際にやらなきゃいけないテストの種類・内容が「科目」と呼ばれています。

 やらなきゃいけないテストは、あなたが中卒か、中退か。中退なら何年生のいつヤメて何の単位を持っているかで変わります。(資格を持っていると受けなくていい科目もありますが、高認より難しい資格ばっかりです。)

 では、1教科ずつ見てみましょう。苦手な科目について読んでいると暗い気持ちになりますが、マークシート式なので、自分で0から答えを用意するテストよりはマシです。

1.国語

 教科【国語】は、「国語」1科目だけでOKです。ただ、現代国語だけじゃなくて、古典と漢文もひっくるめて1科目なので注意!古典と漢文が苦手なら気分は3科目です。

2.地理歴史

教科【地理歴史】では、2つの科目に合格する必要があります。
(1)「世界史A」か「B」、のうちどっちか1つ
(2)「日本史A」か「B」または「地理A」か「B」どれか1つ
を、それぞれ受けないといけません。
つまり(1)+(2)の2科目合格しなきゃダメってことですね。
だから【地理歴史】という名前の教科ですが、地理が苦手なら(1)世界史と(2)日本史だけでクリアすることもできます。
逆に、「地理」だけでクリアすることはできません。(1)で「世界史A」か「世界史B」を絶対に受けることになるので、歴史科目は避けられません。

3.公民

教科【公民】は選ぶ科目でテストの数が変わります。
(1科目コース)→「現代社会」だけを受けるか、
(2科目コース)→「倫理」と「政治経済」両方を受ける。
どちらかのコースでクリアできます。

4.数学

教科【数学】は、「数学」だけです。
すべての内容をやらないといけないわけじゃなくて、「数学I(いち)」という教科書が出題範囲になっています。

5.理科

教科【理科】も、3科目受けるコース2科目受けるコースかを選べます
「物理/科学/生物/地学」基礎の中から3科目→(計3科目)
科学と人間生活」+「物/科/生/地」基礎のどれか1つ→(計2科目)
理科の中で特に苦手な科目をハブくことができます。

6.外国語

教科【外国語】は「英語」の1科目だけです。発音に関する問題も出てきますが、「この中で最も強く発音されるのはどれですか」という問題なので実際に英語を話すわけではありません。長文が出てくるので、単語の暗記や文法だけではなく速く読む練習が必要です。

出題範囲

 高認ホームページの「試験科目・合格要件・出題範囲」のページに出題範囲やテスト科目について掲載されています。



▼次回は具体的な申込方法について


▼この記事の文章担当がほかに書いたノート

(構成・編集部/原文・中村珍


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暮らしに関することを、いろんな人にたずねて、話してもらうクラスです。 2018年11月から小さな編プロが編集業務の部分を引き継ぎました。手の空いた人がほかの仕事のあいまあいまにお手伝い編集をするし、話してくれるみなさんも仕事のあいまに話してくれるので、のんびりしています。

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