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『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の感想と考察 –ゲームを好きになりきれなかった物語−

『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の感想と考察 –ゲームを好きになりきれなかった物語−

めちゃくちゃネタバレを含みます。
公開当時(2019年8月)に劇場でみたあとの感想と考察を、あとから加筆修正した記事です。

シニカルな児童向けアニメ映画

フローラやビアンカのデザインがずいぶんとかわいくなっていたので、ハイティーンの男性向け映画か?と思って観に行ったけど、
実際は、低年齢向けを意識した映画。

ただ、原作となるゲームの『ドラゴンクエスト』自体が、そもそも児童向けて作られたものな

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『トイ・ストーリー4』の考察 依存と自立の物語。

『トイ・ストーリー4』の考察 依存と自立の物語。

ネタバレ全開の考察記事です。

なぜ私は感想や考察を書くのか…映画の感想や考察って書くのに時間かかるわりに、普通の人からすると「そんな細かいところどうでもいいし、考察とかいってるけど、お前の妄想だろ、きもーー」ってなるので、あんまりいいことがないんだけど、なんで、こんなもの書き続けるのかと考えたら、

ずいぶん前に細田守監督のトークショーみにいったときに、以下のようなことを言ってて

『おジャ魔女

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PVから読解する柴田聡子の「結婚しました」

PVから読解する柴田聡子の「結婚しました」

歌詞の読解というのは、大変なわりに、正解がなく、その上、需要もない、という何一つメリットのない行為だが、せっかくの自粛連休なので、こういった苦行を試みてみるのも一興である。

今回扱う柴田聡子の『結婚しました』は、曲も歌詞もPVも素晴らしいし、なによりレコード会社であるP-VINE, Inc.がYouTubeにオフィシャルビデオを公開してくれているので、やりやすい。ありがとう、P-VINE, In

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白石晃士監督の『オカルト』を、物語の構成とアーキタイプで分析してみた

白石晃士監督の『オカルト』を、物語の構成とアーキタイプで分析してみた

「なぜ、この映画はこんなのに、おもしろいのだろうか?」という疑問を解消すべく、2種類の作劇ツールを使って、物語の構造や、キャラクターの役割を分析してみました。

今回取り扱うのは、2009年に日本で公開された白石晃士監督の『オカルト』

一見、荒削りにみえるし、すべてアドリブなんじゃないのかと思うくらいパワフルなホラー映画ですが、白石晃士監督はしっかり作り込む監督らしいので、実はかっちりしてるんじ

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