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中田Rxのnote大学 ~各業界の闇 編~

【はじめに】
この記事では、テレビのレギュラーをすべて降板、シンガポールに移住し、YouTuberとして生きていくことを決めた中田敦彦 氏が、自身のYouTube大学の中で、取り上げた『業界の闇』的な動画を纏めていきます。

1.政界の闇

まだ日本でタレントをしていた2019年夏。文学作品を立て続けに取り上げ、50万登録者突破でカジサックさんとコラボした直後に4連作でアップしたのが「エクストリーム現代社会」の政治ブロックでした。(一部、順番前後)

(2019/08)【原発問題】

まず。「アメリカと日本」、「官僚と電力会社」、「電力会社とマスコミ」という構造問題を孕んだ根深い「闇」なのが『原発問題』です。あっちゃんは、そこそこ具体名を出しながらセンシティブな問題を解説していました。

『原発やめたら大損を被る人が大量にいる』という構造の中で、負の側面をしっかりと理解し、現在進行系の問題として考えていかなければいけないと語ります。

利権構造の中に組み込まれている「メディア」だけを見ていても、真実にはたどり着けないという事を我々は自覚し、学んでいかねばならないのです。

(2019/07)【日本の選挙】

こうした社会構造の諸問題に対する国民の権利となっているのが「選挙権」です。しかし、視聴者のかなり多くが『選挙』で投票することに十分に意義を見い出せていない実情があります。

政治関係の動画の決定版とも言える『選挙入門編』で、今一度おさらいを!

実績に乏しい部活が部費を削られても文句を言いづらい様に、投票率の低い若者に対する施策よりも、投票率が高い高齢者に対する施策が充実するのは自然なこと。『選挙に行かないと損する』仕組みと語っています。そして、

『難しいこと分からないから、庶民に一任される』のが、政治家(権力者)にとっては最高に嬉しく有り難いこと。(好き勝手しても、平気だから。)

(2019/08)【憲法改正】

そもそも憲法とは「権力者が守るべきルール」であって、国民が守るのは「法律」の方であるという所から解説が始まり、『権力者への縛りをゆるくして、我々国民が不利益をこうむる』憲法改正とならないよう見張ることが必要だという視点が必要だと語ります。

(2020/07)【危険人物をリーダーに選ばない為に】

その翌年、東京都知事選の直後にアップされた動画『危険人物をリーダーに選ばないために』では、近現代史において世界で語られている危険な為政者を取り上げ、庶民がなぜそのリーダーを選ぶことになったのか、そしてどうすれば避けられるのかを語っています。

誰しも「自分の投票行動が正しかったのか」を投票後は気にしますが、次の選挙までの数年の間、答え合わせすることなく、進歩なく次の選挙を迎えるのがあるあるです。

投票経験に乏しい若い頃は、失敗することもあるでしょう。しかしだからといって、投票するのを止めてはいけません。何回も投票をしていくうちに、(言い方が適切かは分かりませんが)『上達』していくはずですから。国民一人ひとりが成熟していくことで、政治家・政治も成熟していくと信じて。

2.ビジネス業界の闇(全般)

こうした姿勢は、何も「政治」という大それたことだけでなく、身の回りの生活からしてそうです。我々は「ビジネス」という大きな構造の中に否が応でも組み込まれてて、しかも基本的には「搾取される」側の弱い存在です。

ビジネスを展開する企業側が、どういった手法を使って、我々を顧客としているのか、その手口を簡単に教えてもらいましょう。

(2021/05)【稼げるビジネス】

まず、どんな状況下でも固定費が掛かり、上限がある「店舗型」ビジネスを『稼げないビジネス』の筆頭にあげ、更に起業するにあたって『詳しくない業種』は、まず失敗すると一刀両断。

「稼げるビジネス」というのは、誰もが思いつくありふれたものではなく、『商売の仕組みを作っているから』儲かっているのだと語ります。例えば、

①消費者から買う(ex.ガリバーやバイク王)

ブックオフのような古本屋でも、他店と比べて買取価格がどうかなんて普通は気にしない。だって、売値の相場(スーパーのセール商品の値段とか)は分かっても、買い手の相場なんて庶民は知らないから。
本の数百円以下ならまだしも、車なら数千冊分の値段が変わってくるのに、本と同じ感覚で価格比較なんてあまりしない。だって、新車の納入や引越しなど、時間や場所に追われて「言い値」で売らざるを得ない事が多いから。
そして、業者は客がそういう状況にあることを知ってるから、足元を見る。

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②客に作業をさせる(ex.焼肉を焼かせる、IKEAの家具を組み立てさせる)

客に作業をさせると言ったら驚きますが、焼肉屋でワイワイ肉を焼いたり、バイキングで好き勝手に料理を盛り付け、運ばせたりするのも、店員がそれをやる手間賃(人件費)を抑えられます。
IKEAの家具が安いのは、素材費以外の経費(家具の配達や組み立てを顧客に任せることで、その人件費など)を知らずしらずの内に顧客に負担させているからなのです! と。

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⑥ 合法的な依存性(ex.砂糖、小麦粉、脂肪)

ラーメン屋、スイーツ店はもちろんのこと寿司屋の甘いシャリに至るまで、世間が作る料理には、合法的な依存性の強い「白い粉」を(見えない所で)多用しています。昼や晩飯についつい食べてしまうとしたら……もう依存性の虜になってしまっているかも知れません!

など、色んな業界で顧客を取り込むための「やり口」が紹介されています。

(2021/01~)【食習慣】

大スポンサーのアルコール飲料を真っ向から否定し、「断酒」を進める動画だけでなく、「1日3食は必要ない」、「太る原因はカロリーではなく糖」といった『食習慣』全般に関する動画を2021年に入って連続してアップしているあっちゃん。

詳しくは上の記事をご覧頂きたいと思いますが、「合法的な依存性」を少しでも遠ざけるためには、知識面での理解度アップと生活習慣の見直しが必要となります。一緒に「食業界の闇」を遠ざけていきましょう!

だってあれですよ? 健康を害したら、食費をケチるより遥かに高く付くと思いませんか?

(2021/05)【安いニッポン】価格が示す停滞

「ガリガリ君の10円の値上げ」が、日本のネットニュースのみならず、欧米でも取り上げられているという事実。ダイソーは日本以外では100円よりも高い価格で販売され、ディズニー入園料は日本だけが値上げ出来なかった。

「安いニッポン」そして「安い物価」と言われて『良いこと』と感じるのはマズいですよ、と語る動画です。

安いのは「物価」だけでなく「給料」も安いのです。初任給も安ければ最低賃金も安く、諸外国に比べて『FIRE』も難しいという日本国。でも、安い&安い中だけで生活していけるならば、まあ……と思っているうちに国際化。

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平成の終わり頃「インバウンド消費」「爆買い」が流行語となりましたが、実は、『日本の商品の品質が良い』だけでなく、『品質の良い商品が安い』から爆買いされていたという事実。

ちょうど、日本のバブル期に円為替を味方につけて、外国で高級ブランドや不動産を買い漁っていた頃を、立場を逆にして日本に押し寄せてたのです。

買われるのが、家電や薬ならば良いですが、不動産や人材、企業などが外国資本に(世界基準から見たら)安値で買われているという事実を聞いた瞬間にギョッとしてしまいそうです。しかし、そんなカッコ悪いことを、日本人は受け入れ難いので、テレビなどでは声高に語られないのです。

3.ビジネス業界の闇(個別業界)

こうした構図は、ほぼすべての業界に共通していることかとは思いますが、あっちゃんが書籍を取り上げた業界を代表例としてご紹介しましょう。

(2019/10)【お金の授業】

我々庶民が疎いのが、お金そのものに対する理解、マネーリテラシーです。あっちゃんは、YouTube初年度の2019年から繰り返し「お金の授業」を続けてきました。

最初期には、自分の父親を含めた金融のプロを『手数料ハンター』だと一刀両断! 動画公開当初は、かなりの批判も受けたと言います。

でも確かにそうした面もあろうかと思います。法律等では『顧客最優先』を謳っていますが、多くの金融業界の方々が、『ノルマ』だったり、個人目標だったりに追われているのでしょうから。

私の記事で『お金の授業』について纏めてありますので是非ご覧ください。

(2020/09)【書店業界の危機】

21世紀に入って、店舗数が半減しているという書店業界。ここでも、取次や書籍のモラル・ハザード、削れるのが人件費しかないから、正社員の書店員をカット……などの構造的な歪みを抱えています。

『スマホ/ネットの普及』がすべての業界を淘汰」し始めた2010年代。
考えず間もなく、配本された書籍を陳列するばかりとなった書店員は、他の業界の従業員にも訪れうる未来の姿かも知れないと語ります。

そして、最悪の結末は、「ユダヤ人虐殺」におけるアイヒマンを引き合いに出し、『何の考えも持たないルールに従う普通の市民』が『とてつもなく残虐な行為を行う』ことだと警鐘を鳴らしています。

(2021/08)【大量廃棄社会】(アパレル業界の闇)

読書以上に身近なのが恐らくアパレル業界。まさに「衣食住」の1文字目を担う「衣料品業界」です。はっきりと「アパレル業界の闇」とタイトルに銘打っているだけあって、あっちゃんの問題意識がはっきりとしています。

( 大量生産・大量廃棄 )
・大量のロット数で注目できるよう、廃棄を前提に発注。
・安価で生産し、廃棄しても十分な利益が出る価格設定になる。
  → 安くても売れるようにと「◯割引き」のセールが常態化
  → セールを待って買う客が増え、セール価格でないと売れなくなる
  → 利益を確保するため、更に安価での生産に走る
・年間に40億枚。国内で廃棄されている「新品の服」の数だそう。

この結果、国内の産業では太刀打ちできず、かつては全国各地にあった企業や技術が次々と失われてしまっているが、そのことに気づいてすらいない。

( 人権問題 )
・ファストファッションの多くが、
 中国 → バングラデシュ&ベトナムに生産を頼り切っている。
 これは日本企業のみならず、世界的な潮流となっている。
・その結果、当該諸国では劣悪な環境での生産に追い込まれている。
 例えば、2013年にバングラデシュでは1,000人以上の犠牲者
 を出すビル崩壊事故が起きているほか、令和に入ってからは、
 ウイグルでの強制労働を各国企業がリスクと捉えて、
 取引状況の調査・見直しに迫られているとも報じられている。

大手ファスト・ファッションが批判を受けていることは耳に入っていても、具体的にどのような内容での批判を受けているのかは知らなかった方が大半ではないかと思います。一つ言えることは、私の着ている服のタグを見たら殆どが上記3か国製だったことです。

(2021/08)【中田敦彦新プロジェクト】世界を救うサステナブルブランド

こうした「アパレル業界の闇」の動画に続き、あっちゃんが日曜日にアップしたのが、『中田敦彦 新プロジェクト』の動画です。

サステナブルブランドは、品質や生産過程に自信はあるものの、大量生産でないため「1着あたりのコスト」が高く利益も薄い。まさか『テレビCM』を打つ金銭的な余裕もないため知名度が低く、世間に殆ど浸透してません。

業界の方があっちゃんへと声を掛けて始まった新プロジェクト。あっちゃんは、一つ前の動画で、アパレル業界の闇を噛み砕いて説明し、チャンネル登録者数400万(+α)に向けて発信するだけのチカラがあります。

テレビのCMは打てなくてもYouTubeならば。サステナブルブランドの方が、求めていたのが「あっちゃん」の様な存在でした(業界の危機を説明でき、発信力があり、高額を要求されない。)

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ちょうど、野菜の生産者を表示し、生産過程を知った上で、愛着を持って買ってもらおうとする活動が平成の間に定着したことをアパレルで実践しようとしているのです。(過程を公開できるほどの環境で生産することが、生産者側の劣悪な環境改善に繋がるとの期待)

プロジェクト・ブランドの名称は『カール・フォン・リンネ』。コンセプトは、『未来のために 知性の上に着る』です。あっちゃんらしさ全開です。

受付は8月15日までの予定でしたが、即日完売という勢い。しかしTwitterで「#カールフォンリンネ」や「#中田敦彦新プロジェクト」を付けて呟く事が『中田敦彦さんの一世一代の社会活動』を後押しすることに繋がります。

あっちゃんは夢見ているのです。新しいメディアと呼ばれたテレビが、1970年代に『ベトナム戦争』を止めた様に、新しいメディアと呼ばれているYouTubeが世界を救えるのではないか、誰かが悲しむのを止められるのではないか、と。

その後も、「カールフォンリンネ」では第2弾以降の展開が続いています。

To Be Continued...


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