暦・カレンダー ~「二十四節気」編~
【はじめに】
この記事では、暦・カレンダーのうち現代でも取り上げられることが比較的多い「二十四節気」について纏めていきます。
全部を把握することは難しくても、「節気」の変わり目を迎えた時に、この記事でおさらいをしてもらえれば幸いです。
「二十四節気」って何?
まずはウィキペディアの記載から「二十四節気」の概要をおさらいします。
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、1太陽年を日数(平気法)あるいは太陽の黄道上の視位置(定気法)によって24等分し、その分割点を含む日に季節を表す名称を付したもの。二十四気(にじゅうしき)ともいう。
上の表現は少し固い表現なので、下の表現に置き換えましょう。
二十四節気は中国の戦国時代の頃、太陰暦の季節からのずれとは無関係に、季節を春夏秋冬の4等区分する暦のようなものとして考案された区分手法のひとつで、一年を12の「節気」(正節とも)と12の「中気」に分類し、それらに季節を表す名前がつけられている。
つまり「二十四節気」は、太陰暦(月の満ち欠けの周期を基にした暦(法))でなく、太陽暦(地球が太陽の周りを回る周期を基にして作られた暦(法))に基づくものであることを再確認できます。
(私なんかは、旧暦と一緒くたに語ってしまいがちですが、旧暦◯月というのは太陰暦、二十四節気は太陽暦に基づくもので、両者の差を認識しておかないと、俳句の歳時記などでの一歩踏み込んだ理解の妨げになります)
本来の二十四節気は中国の中原を中心とした地域の気候をもとに名付けられており、日本で体感する気候とは季節感が合わない名称や時期がある。
違いを大きくするものとして、日本では梅雨や台風がある。
【 注 】中原(ちゅうげん)は中華文化の発祥地である黄河中下流域にある平原のこと。
また上述のような元々の中国風の定義も絡み、現在でも若干の違和感が存在することから、日本のメディアでは「暦の上では………」 と前置きして説明されることがあるが、その暦こそが旧暦である。
明治に太陽暦が採用されたことで日付がほぼ一定になった反面、日本における季節感のズレは解消されないままでした。
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ちなみに、こんな取組みが検討されたこともありました。 ↓
このような事情から2011年、日本気象協会は現代日本の気候に合わせた新しい二十四節気を創造する事を目標とした準備委員会を設けた。一般からも意見を募り、2012年の秋頃には「21世紀の二十四節気」を発表し、周知させていきたいという意向を示していたが、「これまで培われた微妙な季節感を混乱させる」として反対の声が多く寄せられ2012年9月に計画は中止となり、現在でも二十四節気はそのまま使われている。
その他、定め方や歴史、詳細部分については、ウィキペディアなどを入り口に皆さんでお調べください。
「春」(立春 ~ 穀雨)
(1)「立春」 2月3・4・4・4日
・冬が極まり春の気配が立ち始める日。
・二十四節気が成立した中国内陸部は大陸性気候のためこの時期は気温が上がり始めているが、海に囲まれた日本列島ではずれ込み、立春の頃に寒気や荒天のピークとなることが多い。
・南岸低気圧の発生も立春を境に多くなり、平成26年豪雪によって、関東で記録的な大雪になったのも立春後である。
・立春は八十八夜・二百十日・二百二十日など、雑節の起算日(第1日目)となっている。
・一般的な節分とは、立春の前日のことである。
ちなみに、1985年から2020年までは、暦の関係上、2月4日しか「立春」になりませんでした。それに伴って、立春の前日にあたる(いわゆる)節分も毎年必ず2月3日となっていました。
しかし、これは、この数十年間に限った話で、他の節気と同様、年によって日付が変更することがあり、2021年からは、4で割った余りが1の年については、「2月3日」が立春、「2月2日」が節分となりますので、ご注意!
旧暦と立春
立春は旧暦1月1日だという勘違いがあるが、ほとんどの場合は正しくない。旧暦1日は必ず朔(新月)だが、立春は朔に関係なく定められるため、多くの年は1日にならない。ただし約30年に1度、立春が朔と重なり、旧暦1月1日になる年がある(朔旦立春)。
近年は1954年・1992年がそうで、次は2038年と予測される。
新年立春と年内立春
立春の旧暦での日付は大まかに言って、半分の年では新年1月の前半、半分の年では旧年12月(あるいは希に閏12月)の後半である。
旧年12月(または閏12月)の立春を年内立春、
新年1月の立春を新年立春と呼ぶ。
また特に旧暦1月1日にあたる場合を朔旦立春(さくたんりっしゅん)と呼び、非常に縁起のよい日とされている。
年内立春の歌
『古今和歌集』の巻頭には、年内立春を詠んだ歌がある。
ふるとしに春たちける日よめる
「年のうちに春は来にけり一年(ひととせ)を
去年(こぞ)とやいはむ 今年とやいはむ」 — 在原元方
(2)雨水(うすい) 2月18・19・19・19日
・空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころ。
・実際は積雪のピークであり、それゆえ、この時節から
寒さも峠を越え、衰退し始めると見ることもできる。
・春一番が吹き、鶯の鳴き声が聞こえ始める地域もある。
・昔から農耕の準備を始める目安とされてきた。
(3)啓蟄(けいちつ) 3月5・5・5・6日
・「啓」は「開く」、「蟄」は「虫などが土中に隠れ閉じこもる」意味で、「啓蟄」で「冬籠りの虫が這い出る」(広辞苑)という意を示す。
・春の季語でもある。
・柳の若芽が芽吹き、ふきのとうの花が咲くころ。
・啓蟄のことを日本以外の漢字文化圏では驚蟄と書く。二十四節気の名称のうちで日本と中国で異なっているのはこれだけである。
(4)春分 3月20・20・21・21日
・日本では春分の日という休日(国民の祝日)となる。
・また、この日をはさんで前後7日間が春の彼岸である。
・春分では昼夜の長さが等しくなるとされる。しかし、実際には、昼の方が夜よりも長い。日本付近では、年により差があり、平均すれば昼が夜よりも約14分長い。
(5)清明(せいめい) 4月4・4・5・5日
・万物が清々しく明るく美しいころ。
・様々な花が咲き乱れ、お花見シーズンになる。
(6)穀雨(こくう) 4月19・20・20・20日
・田畑の準備が整い、それに合わせて春の雨の降るころ。
・穀雨とは、穀物の成長を助ける雨のことである。
「夏」(立夏 ~ 大暑)
(7)立夏 5月5・5・5・6日
・春が極まり夏の気配が立ち始める日。
(8)小満(しょうまん) 5月20・21・21・21日
・万物が次第に成長して、一定の大きさに達して来るころ。
・麦畑が緑黄色に色付き始める。
・沖縄では、次の節気と合わせた小満芒種(すーまんぼーすー)
という語が梅雨の意味で使われる。
(9)芒種(ぼうしゅ) 6月5・5・6・6日
・芒(のぎ 、イネ科植物の果実を包む穎(えい)
すなわち稲でいう籾殻にあるとげのような突起)
を持った植物の種をまくころ。
(10)夏至(げし) 6月21・21・21・21日
・日本の大部分では梅雨の最中。
・北半球では一年中で一番昼が長く夜が短い日である(南半球では逆転)。
・日本では、夏至は農作業が最も忙しい時期であることもあり、全国的な風習はないようである。
(11)小暑 7月7・7・7・7日
・梅雨明けが近付き、暑さが本格的になるころ。
・蝉が鳴き始める。
・この日に至っても梅雨が入らない場合は「梅雨入り」の発表は特定できずとなる。
・小暑あるいは大暑から立秋までの間が暑中で、暑中見舞いはこの期間内に送る。
・全国高等学校野球選手権地方大会も小暑頃に開幕を迎える。
(12)大暑(たいしょ) 7月22・22・23・23日
・快晴が続き、気温が上がり続けるころ。
・夏の土用が大暑の数日前から始まり、大暑の間じゅう続く。
土用の丑の日には鰻を食べる習慣もある。
「秋」(立秋 ~ 霜降)
(13)立秋 8月7・7・7・8日
・夏が極まり秋の気配が立ち始める日。
・二十四節気が成立した中国内陸部は大陸性気候のためこの時期は気温が下がり始めているが、海に囲まれた日本列島ではピークがずれ込み猛暑の時期となることが多い。
・この日から暑中見舞いではなく残暑見舞いを出すことになる。
・藤原敏行は「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」(古今和歌集)と詠んだ。
・この日に至っても梅雨が明けない場合「梅雨明け」の発表はされなくなる(明確な区切り無く秋雨に移る。立秋以降の長雨は秋雨という)。
・全国高等学校野球選手権大会も立秋頃に開幕を迎える。
(14)処暑(しょしょ) 8月23・23・23・23日
・暑さが峠を越えて後退し始めるころ。
・二百十日・二百二十日とともに台風襲来の特異日とされている。
(15)白露(はくろ) 9月7・7・8・8日
・大気が冷えてきて、露ができ始めるころ。
(16)秋分 9月22・23・23・23日
・日本では秋分の日という休日(国民の祝日)となる。
・春分と同様に、秋分では昼夜の長さが等しくなる。しかし、実際には、昼の方が夜よりも長い。日本付近では、年による差もあるが、平均すれば昼が夜よりも約14分長い。
(17)寒露(かんろ) 10月8・8・8・8日
・露が冷気によって凍りそうになるころ。
・雁などの冬鳥が渡ってきて、菊が咲き始め、
蟋蟀(こおろぎ)などが鳴き始めるころ。
(18)霜降(そうこう) 10月23・23・23・24日
・露が冷気によって霜となって降り始めるころ。
・楓や蔦が紅葉し始めるころ。
この日から立冬までの間に吹く寒い北風を木枯らしと呼ぶ。
「冬」(立冬 ~ 大寒)
(19)立冬 11月7・7・7・8日
・秋が極まり冬の気配が立ち始める日。
・言い換えれば秋の極みともいえ、実際、多くの地域では
まだ秋らしい気配で紅葉の見時はまだ。
(20)小雪(しょうせつ) 11月22・22・22・22日
・わずかながら雪が降り始めるころ。
(21)大雪(たいせつ) 12月7・7・7・7日
・雪が激しく降り始めるころ。
・鰤などの冬の魚の漁が盛んになり、
熊が冬眠に入り、南天の実が赤く色付くころ。
(22)冬至(とうじ) 12月21・22・22・22日
・北半球ではこの日が一年のうちで最も昼(日の出から日没まで)の時間が短い。
(23)小寒(しょうかん) 1月5・5・6・6日
・暦の上で寒さが最も厳しくなる時期の前半。
・この日から節分(立春の前日)までを「寒(かん。寒中・寒の内とも)」と言い、この日を「寒の入り」とも言う。暦の上では冬の寒さが一番厳しい時期となる。この日から寒中見舞いを出し始める。
(24)大寒(だいかん) 1月20・20・20・20日
・寒さが最も厳しくなるころ。
・寒(小寒 - 立春前日)の中日で、一年で最も寒い時期である。
武道ではこのころ寒稽古が行われる。
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