YellowishBrown01
ギリシャ神話におけるディオスクロイの自分の記事のまとめです。主にFate/Grand Orderにおけるディオスクロイの描写を追求することを目的にしていますが、実質は普通に神話の調査です。 ギリシャ国内での①神話における活躍、②信仰上の描写、③印欧神話における「神の双子」、④その他関連情報、を掲載しています。 思いついた時にまとめているので、更新頻度は低いと思われます。
さて。今回は割と普通のギリシャ神話に関する内容ですが、ケイローンとディオスクロイの関係について調べてみました。 ○ ○ ○ ディオスクロイのカストールとポリュデウケス(カストルとポルックス)は、他の英雄と同じくケイローンと師弟の関係があったとされている。 あるいはカストールのみがケイローンの弟子であるという意見もインターネットやサブカルチャー上では広く伝わっている。 日本語版Wikipediaでは、2021年11月現在、ディオスクロイとケイローンの関係は下記のように記さ
今回はいつもとは話題を変えて、映画『ミッドサマー』の棄老伝承についてのお話。 なお、劇中のネタバレを多く含むので、閲覧には注意ください。 また扱う伝承の関係で、どうしてもおじいちゃんを突き落とすとか棍棒で殴るとか、物騒な話がたくさん出てくるので、そういう方向でもご注意ください。 ○ ○ ○ 前置き(飛ばしても問題なし)先日、映画『ミッドサマー』を見ました。北欧神話の信仰を扱った作品だと聞いたので、スプラッタが苦手なのを忘れて、知人と見てみました。…怖くて儀式のシーン
今回は普通の神話とオカルトについての話です。 「ディオスクロイが男女の双子なのは根も葉もない話ではない。オズヴァルド・ヴィルトのタロットにおいてディオスクロイは男女とされるためだ」 意訳だが、ディオスクロイのカストール(カストル)とポリュデウケス(ポリュデウケース、ポルックス)を調べようとした場合に、こうした内容をみた人もいるだろう。 日本語版のWikipediaに次の一文だけ書かれており、この情報がいくつかのサイトに転載されているためだ。そこにはこう書かれている。
※本稿はあくまで一部のゲームの設定の深堀りを目的としたものですが、単純にギリシャ神話におけるアルゴノーツ文献の整理用としてもまとめています。 先日、ネットサーフィンをしていて気になる記述を見た。 fateにおけるアルゴノーツのメンバーについて、「古参キャラ」と「後付キャラ」でイアソンへの対応が違うのでは、ということらしい。 この話自体は別に公式設定というわけではないが、ファンの考察の一つとして楽しんでみると面白い話である。 ただ一つだけひっかかったのは、そもそも前提条件と
一分でわかるディオスクロイ。 時間がない人向けざっくりティンダリアイ。 □ □ □ 今までまとめた内容がひっじょょうに長すぎることが気になっていたので、いったんQandAでまとめてみましたー。(※Twitterの固定機能&見出し機能を使ってみたかっただけ、とも) 界隈の元ネタ紹介のためFGOの記述はあまり書いてません。かなりざっくりふわっと書いたところもあります。 細かく気になる方は他の投稿を読んでください。 そもそも記述自体にご指摘あれば、コメントなどでお願いします
さて今回は普通のギリシャ神話の世界にて、調査中に一つの疑問点がみつかり、紹介したく思います。 ※色々調べ回ったのですが力及ばず、今までに分かった情報を掲載できればと同時に、あわよくばこの件について知見のある方に知恵をお借りできればと思い公開します。 要旨・今回は中間調査報告という体を取りたい。 ・ディオスクロイの一人ポリュデウケス(ポルックス)は日本では剣の達人として知られている。その設定は古代ギリシャ文献で何時ごろ生まれたのかを確認したく調査した。 ・日本ではあまり剣の
おお、汝ら、勇壮なる双神よ、ここに讃えよう! 暁より光明をもて飛び立ち、人の意の如く足疾き白馬にて天を駆け給え。 海に溺れる日輪の乙女を導くが如く、死すべき我らを苦難より救い給え。 永古変わらざる黄金の車の御者よ、天の国を駆け、地の底の国を翔る、驚嘆すべき天空の神の子らよ! * * * * さて! これは『Fate / Grand Order』内に登場する双神ディオスクロイの起源が一体何だったのか、わからない方向けに素人調査ながら独自に調べた内容の最終章とな
双神ディオスクロイとヘレネは一体何の神であったのか。 ギリシャ神話内をぐるりと遠回りしてきた「一万四千年前の神」双神ディオスクロイに関する話も目的地がようやく見つかりそうな様子ですが、その前に閑話が続きます。 今回は小難しい話をさも知ったようにするだけなので、あえて分けました。ほぼ学説の歴史の話ですし、何より思想くさく説教くさく、何様だと思いながら書き進め、投稿ぎりぎりまで飛ばしてしまおうか迷いましたが、その歴史を背負ってゲームで遊んでいる以上、解説だけはするべきと投稿し
思った以上に私生活が忙しかったため、宣言していた日程を大幅にオーバーしておりますが、なんとか最後までやりきれそうなのでがんばります。
前回の「豊穣の女神」ヘレネに関する補足事項となります。 ヘレネが豊穣の女神と知られているのはわかったとして、ではディオスクロイの方は豊穣神としてはどうなのか、というのが今回の趣旨になります。 「theoi project」内の記述ギリシャ古典文献の総合サイトである「theoi project」様の『AGRARIAN GODS(農耕神)』のまとめページの中に、ディオスクロイの記載がある。 DIOSCURI (Dioskouroi) A pair of Spartan de
一応断っておきますが、これは『Fate Grand Order』に登場する太古の双神ディオスクロイの起源をたどるのが目的です。 「ディオスクロイの原像を辿る旅路になぜヘレネが出てくる?まだゲームにも出てきていないけれど?」と疑問に思った人もいらっしゃることでしょう。 ははあ、さては興味が出て脇道にそれたな、位に思われているかもしれません。 ですが、違うのです。 太古の神ディオスクロイの今後を語る上でヘレネの存在だけは決して避けては通れないのです。ヘレネはディオスクロイの第
次に彼らの歴史上の取り扱いがどのようなものであったかを、古代ギリシャ人の記述や、現代の学者達の研究成果から見ていきたい。 現代に残された遺構や当時の旅行者(特にパウサニアスの『ギリシャ案内記』)などの記録から、当時の人々の信仰を類推することはできる。 旅行記は古典期までの記録は少なく(戦記はある)現存している信仰形態のはローマ期に入ったあとのものがほとんどだが、その表現は豊かだ。 当然この場合、どのくらい以前からその信仰があったのか、どういった形で変遷しているのかを判断
はじめに『Fate/ Grand Order』にて、新星のように現れた双神ディオスクロイ。ハンサムな兄様と楚々とした妹君の二人という絵になるコンビですが、ストーリーでの彼らには度肝を抜かれた人は多かったのではないでしょうか。(色々) 彼らのキャラクター性については別途ファンサイトなどで熱く語れれば思いますが、今回の趣旨は一つです。 ゲームで言っていた「太古の神」「人間を憎む零落した神」として現れた彼らのルーツははたして一体なんだったのか? ゲームとフレーバーテキストだけで
英雄ディオスクロイの物語を辿る最終の第五回目です。『Fate / Grand Order』のキャラクター背景を辿る目的のため、ディオスクロイの名前の表記はそちらに準じております。 最後はアテナイ王テセウスからのヘレネ奪還。Fateでは一人も関連する人物が出てこないせいか全く語られませんが、ディオスクロイを辿る上では外せないエピソードとなります。 概略最古の文献はステシコロス(紀元前7世紀頃)だという。 「なぜヘレネを奪還に来ないのか」という名目で『イーリアス』(紀元前8世紀
英雄ディオスクロイの物語を辿る第四回目です。『Fate / Grand Order』のキャラクター背景を辿る目的のため、ディオスクロイの名前の表記はそちらに準じております。 今回はアルゴノーツに引き続きカリュドーンの猪狩りのエピソードです。ディオスクロイにとってはそこまでメジャーではないので一緒にさっくり紹介。 『変身物語』における馬上戦闘の描写はかっこいいので一読の価値ありです。 概略カリュドーンの猪狩り自体はホメロスの『イーリアス』からすでに登場する。 ただし主人公はメ
英雄ディオスクロイの物語を辿る第三回目です。『Fate / Grand Order』のキャラクター背景を辿る目的のため、ディオスクロイの名前の表記はそちらに準じております。 今回はアルゴノーツに関して。Fateでは大きなスポットを当てられておりますが、ディオスクロイが活躍する部分は二箇所だけとなっております。いずれも彼ららしいエピソードだと思うのですが、バリエーションはあまりないので、話の筋も「アルゴノーツの冒険」がどのように変遷したかの方に重きを置いています。 一つずつ見て