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2021/5/30 美の価値観は人それぞれ

私の家の周囲には、何種類もの草本植物が生える。
在来種も外来種も。
借家であるから、自分の土地ではない。
しかし少しずつ手を入れ、在来種が生き延びる手助けをしながら、
彼らと共に過ごす時間を楽しんでいた。
この家のオーナーは、有難迷惑なことに、
草本植物達がある程度生長する度に、刈取りを行なってしまう。
それもかなり地面擦れ擦れに。
先日、遂に今シーズン初の刈取りが遂行された。
私が不在の間に。
どうしても守りたかったワレモコウには、昨年から木の枝を立ててあった。
この春には絶対に刈られないように修繕もした。
ワレモコウの花はまだまだ先の開花なので、この時期に刈られてしまうと大きな損害となる。
地面を這っていたウツボグサや実生達、そしてワレモコウは難を逃れた。
カラマツソウやキツリフネは復活してくれるだろうか。
軒下のオオウバユリ達は、殺虫剤で殺された。
日本の大半の環境では、草原はやがて森林へと遷移するだろう。
従ってこの小さな草原にも、刈取りは必要な撹乱ではある。
時期さえ間違わなければ。
人間は自分の都合が第一優先。
草が茫々だと格好悪いから刈取る。
シロアリが入ると家が食われるから予め殺虫剤を撒く。
そのことがどれほどの影響を持つかも知らず。
自分の土地ではないから、お門違いなのは承知だが、
この愛しき美しき小さな草原をどうか放っておいて欲しい。

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