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消防職員の潜在的スキルについて


転職活動をして分かったこと

潜在的スキルって

去年転職活動をしてみて、感じたことは
世の中の企業は消防職員について知らないことが多い
または
消防職員って何ができるのか
っていうことを分からない企業が多い
ってことです
本当はとても能力が高いのに認知されないで
埋もれてしまっているイメージです
公務員全般に言えることかも知れませんが
今後、公務員も転職して一般企業にいくことになるとそのことが少しでも知らされると思います。

コミュニケーション能力

消防職員全員がコミュニケーション能力が高いとは言いませんが
消防の仕事である救急活動をまともにやっている人であれば、自然とコミュニケーション能力はつくものなのかと思います。
常に初めましての傷病者と
信頼関係を築き
上下関係の厳しい
医療機関の医者、看護師との顔の見えずらい関係の中で交渉をする
これだけでも十分高度なスキルなのかと思います。
それぞれの要望を受け入れつつ妥協案を提示し、業務を遂行する
そんな場面が多くあります。
また消防職員は消防学校などに入校し、様々な人間関係を構築する機会もあります。苦手な人がいたり、相性が悪い人とも研修期間中人間関係を築き、より良い研修にするべく努力します
もちろん、職場内での円滑にコミュニケーションを図るには世代を超えて幅広い対応が求められます。

ストレス耐性

最近はハラスメントの話題が絶えない消防界隈
ハラスメントに強いとは言いませんが
令和の時代に昭和な雰囲気が漂う消防署の勤務環境もないとは言い切れません
『男は黙って右へならへ』
『先輩のいうことが聞けないのか』
なんてセリフが未だに飛び交う環境があるとは思いませんが
少なからず耳にしたこともあるのではないでしょうか
そして人間関係だけでなく、火災現場に行けば暑い環境に飛び込み危険な火災室に消火に行かなければなりません。それが仕事だから当然のことですが、一般の方からすればとても勇敢で信じがたい行為です
また救急現場では特殊な事案も多く、特にストレスだと感じるのは自損の現場
慣れるまではストレスに感じてましたが、慣れてしまうものですね。
助けるべく、必死に活動する傍ら、感情的になっている家族や関係者。
または呆然としている関係者。
見た目のインパクトもさながら、家族や関係者とのやりとりでも気持ちが抉られます。
一般の方は自損の現場に立ち会うことなんてほとんどないですよね

そして睡眠不足の中、救急活動する日々
深夜に指令で飛び起きて現場に行くことの体と心の負担は一般の方から考えればとてもストレスの高い行動になります
それが日常になっている消防職員は自分たちが一般的にみて
ストレス耐性の高い集団ということを自覚することはないのかも知れません

底知れぬ体力

もともと体力に自信のある人が消防士を目指して消防署に入ります。
私もそうでした。自分の人並み以上の体力を誰かの役に立つ仕事がしたい。
そんな想いで消防士になりました。
消防士になってからも、訓練の日々は続き
昨日より今日
今日より明日
という気持ちで体力と技術を身につけてきました
今だからこそトレーニングジムが街中に溢れるくらいあり
ウエイトトレーニングやマシントレーニングで鍛える人が多くいますが
消防士として鍛えた体力はまた違う種類なのかとも思えます
年齢を重ね、トレーニングを積み重ねた消防士の体力は粘り強く見た目以上のものがあると考えます。自分のためや見た目のためではなく
市民のために鍛えた体は言葉に変えがたい感情がこもっている気がします
もちろん、消防士みんなが体力があり、恵まれた体格を有しているというわけではありません

幅広い事務能力

これに関しても個人差はあるものの、私が所属する消防署では
事務の量も多く
文書作成、データ入力、資料作成、プレゼン発表資料作成など
他機関からの照会や締切のある調査など
出場の合間に行い、自分だけじゃなく周りに共有しながら
処理していくスキルが求められます
救急救命士になってからは医療機関で行われる症例検討会や
学術講演会などでの発表の機会があったり
その他、総務関係の事務や予算書の作成、物品の在庫管理など
幅広く、責任持って行わなければなりません
広く浅く学ぶ部分はありますし、パソコン操作など自ら率先して身につけるかどうかでそのスキルの向上は雲泥の差になるとも思えます

法令遵守による法に明るい傾向

消防士は
消防組織法や消防法を基本として
法的根拠を明確にして職務にあたります
その他条例や内規を根拠に事務にあたり
救急活動ではプロトコールなど決められた活動から逸脱しないことが求められます
法に触れる機会も多く、公務員らしい少し堅いイメージになるかもしれません
しかしながら、堅いイメージというのは
裏を返せば根底がしっかりとしていて、信頼における仕事をする
ということではないでしょうか

まとめ

消防職員として転職活動をしてみたら
客観的に消防職員の潜在的なスキルの高さを知ることができたので
まとめてみました
消防職員の多くは転職をすることはほとんどなく
一般企業の方は消防職員がどんな仕事をどんなふうに
行っているのかほとんど知ることはありません

しかし、企業の採用担当の方やエージェントの方と話を重ねるにつれて
消防職員の多くの方はどこの組織に行っても通用する、または成長することができるのではないかと思いました
それは上に示した潜在的なスキルを持っている可能性が高いからです

消防署には管理職になるための昇任試験があるところもありますが
絶対的にポストが少なく
昇任が遅い傾向がある地域もあります
ですので責任のある仕事がなかなかできず、30代40代の時の伸び代が少なく感じます
仕事の能力は仕事で磨くものです
若い情熱的な理想をもった時のもどかしさを発揮することができずに
その気持ちが冷め、先が見えてしまった50代になった時にようやくマネジメントを任されます。その状態でいい仕事や成果を残せるのか疑問に感じています。
自信を持って潜在的スキルを伸ばして業務にあたれればいいですね
そして何より消防士になった時の初心を忘れないことが大切なんだと実感してます

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