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進藤綾音さん インタビュー

音楽家のプロフィール写真を中心に多くの支持を
集めている進藤さん。
どのような思いで日々撮影されているので
しょうか?
カメラを始めたきっかけから、今後の展望まで
お聞きしました。     

最高の一枚で音楽家さんをサポートしたい

 
ーカメラを本格的に始めたのはいつ頃でしたか? 

進藤:幼い頃からフィルムカメラやビデオカメラで撮影することが大好きでした。本格的にカメラを始めるきっかけとなったのは、大学生の頃に参加したアーティストの方のワークショップでしたね。主催者の方と仲良くなり、フィルム写真のことを色々と教えて頂きました。その頃から大学にあった写真センター開講の写真の授業を受けたり、趣味として友人のプロフィール写真を撮影していました。


 ー藝大の作曲科出身でもある進藤さんですが、大学卒業後はどのように過ごされていましたか?

進藤:夫の留学とともに2年間デンマークへ行きました。
その間二十カ国程旅をして様々な文化や世界に触れる機会となりました。
記録でいつも写真を撮っていました。
そんな中、日本に帰国したらまた友人にプロフィール写真撮影の依頼を頂けるのではないかと感じており、それならばしっかりと勉強したいと、日本のあらゆる写真学校のパンフレットを取り寄せました。
その中で、より実践的にスタジオワークを学べる学校に進学を決めました。 


 ー帰国された後すぐに学校に行かれたのですか?

進藤:はい、そうです。
それと同時に、ちょうど帰国するタイミングで藝大の教育研究助手の公募があり、応募したところ採用して頂けました。なので、週2日写真の学校に行きつつ、週3で助手の仕事に、学生時代から続けている作曲家のアシスタント、それ以外の日に撮影の仕事をしていました。


ーかなりお忙しい生活ですね。 

進藤:帰国してすぐはまだ夫が院生だったので、「食べていかなきゃ」という気持ちがとても強く、私に出来ることなら何でも働きます!というがむしゃらな気持ちでいっぱいでした。当時はキャパオーバーになって泣きながら仕事をしていた日もよくありました。(笑)でも、今となっては良い思い出です。




 ー助手としてどんなお仕事をされていたのでしょうか?

進藤:東京藝術大学の演奏藝術センターという部署に5年間勤めました。
演奏藝術センターは、主に奏楽堂で開催される演奏会の企画・制作を行う部署で、演奏会のチラシやプログラム制作も助手が行います。
フライヤー制作の際には、演奏家のお写真を使うことが多く、その写真を撮影させて頂く機会をたくさん頂きました。
初めて撮影をさせて頂いたのが、ファゴットの岡崎耕治先生でした。
岡崎先生の退官記念演奏会のための撮影を皮切りに、少しずつ撮影のご依頼を頂けるようになりました。演奏藝術センターで仕事をさせて頂けたことが私の大きな転機となりました。本当に感謝しています。

ー進藤さんの写真は、飾らない自然な美しさで、音楽家の内側の人間性までも引き出すような印象を受けます。普段から心がけていることはあるのでしょうか?

進藤:撮影の好きなところの一つに、被写体と一つの空間でゆっくりと対峙出来るということがあります。ただ撮るのではなく、音楽家の皆様とお話し出来ることがとても楽しく嬉しいのです。被写体にリラックスして楽しんで頂けること、そして、出来上がった写真に満足して頂ける撮影を出来るよう毎日心掛けています。


 ー今後の展望を教えてください!

進藤:ずっと写真を撮り続けていきたいです。 プロフィール写真はもちろんのこと、日々の記録、ポートレート撮影も行いたいです。「nezumi」という団体で演奏会の企画や制作、ラジオ等の活動もしているので、そちらも精力的に活動していきたいと思っています。

 ーこれからの活動もとても楽しみにしています。 ありがとうございました。
進藤:こちらこそ、貴重な機会を頂きましてありがとうございました。


プロフィール | 進藤綾音

2012年東京藝術大学音楽学部作曲科卒業後、2016年東京写真学園写真の学校本科を卒業。2016年4月 nezumi studio を開く。2016年〜2021年 東京藝術大学演奏藝術センター教育研究助手。公演の企画、運営、撮影、フライヤー制作等に携わる。現在、音楽家のポートレート撮影を中心に写真家として活動。音楽集団 “渦々” メンバー。nezumi 主宰。自主企画・公演のプロデュース等も行う。

進藤綾音さんホームページ https://ayaneshindo.com


©︎2024 矢崎麦(東京藝術大学 器楽科 ヴァイオリン専攻)
インタビュアー 佐々木茉優 (東京藝術大学 大学院音楽研究科フルート専攻)

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