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【篠田真貴子さん監訳】8/5発売!「LISTENー 知性豊かで創造力ある人になれる 」 これからの時代のビジネススキル

皆さん、こんにちは。
本日8月5日、エール株式会社取締役の篠田真貴子さんが監訳した『LISTEN―知性豊かで創造力がある人になれる』(日経BP)が発売されました。篠田さんが原書を読んで自ら編集者に提案して監訳、出版したこの『LISTEN』の読みどころを、一足先に詳しくご紹介します。

8月18日には、「聴くとビジネス」をテーマに、篠田さんとエール代表取締役の櫻井将さんが登壇する発売記念セミナーも開催予定です。
この夏はぜひ皆さんで、『LISTEN』しましょう!

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『LISTEN —知性豊かで創造力がある人になれる』
ケイト・マーフィ (著), 篠田 真貴子(監訳) (その他), 松丸 さとみ (翻訳)

『LISTEN』の原著は、2020年1月にアメリカで出版されました。著者はニューヨーク・タイムズ紙や英エコノミスト紙で活動する記者、ケイト・マーフィーさん。原題は
「You're Not Listening: What You're Missing and Why It Matters」(『あなたは聴いていない:そのために失っている大切なこと』=ブログ「篠田真貴子が選ぶすごい洋書!」から)。ワシントン・ポスト紙が「今年読むべきノンフィクション(2020年)」に選んだ、人気のビジネス書です。

「聴くことでしか、私たちは関わりを持ち、理解し、繋がり、共感し、人間として成長できない」。篠田さんは、購読しているメルマガでこの本を知り、読み始めてすぐに前書きで出会ったこの一文に「まさに私もそう思ってた!」と感銘を受けたそうです。
ちょうどその頃に出会った日経BP社の編集者・中野亜海さんから「聞く」をテーマにした本を出したいと言われ、「あら、いい本、ありますよ(笑)」と自ら提案したのが、今回の出版企画の始まりです。

「聞く」こそが、ビジネスの原点

『LISTEN』では18章にわたり、夫婦からビジネスの現場まで、マーフィーさんがこれまで取材を重ねてきた人や、新たに会いに行った人たちに聞いた、「聞く」のエピソードが出てきます。日本語版は実に504ページ、3.3センチ。深緑の表紙に金色の文字が光る、立派な装丁です。と思ったら、実はどこからでも読める、たくさんの濃いエピソードがつまった仕掛けになっていて、気になった章から、ちょっとした時間にちょこちょこ楽しめるのが、いいところです。

登場するのは、通勤客や子育て中の人から、Googleなどの企業、大学や研究機関の専門家はもちろん、スパイ映画に出てきそうなCIAのマクナマス元検査官、スティーブ・ジョブズにマーク・ザッカーバーグ、あるいはカリスマ店員や結婚カウンセラー、詐欺師に神父、さらにはアメリカのBLM運動の渦中にあったダラス警察署のブラウン署長まで本当に幅広く、次から次へと「聞く」にまつわる話が飛び出してきます。

8月3日には、エールのサポーターを対象に、100人以上でのオンライン読書会が開催され、篠田さんが本の読みどころを紹介しました。テーマは大きく8つ。

・身近な家族や友人関係、親子関係の中での「聞く」
・「聞く」は好奇心を持つことや、不確実性を楽しむことが鍵になる
・「聞く」を阻害する、私たちの内面で起きていること
・ビジネスと「聞く」=「聞く」こそがビジネスの原点
・「聞く」「聞かれる」と深い自己理解
・聴覚、知覚、スマホの悪影響
・「聞く」の文化比較と進化史
・そして最後のまとめ、「生きるとは、聴くこと、理解し合うこと」-----。

成功するチームでは、メンバーの話をお互いに「聴き合って」いる

中でも篠田さんのおすすめは「ビジネスと聞く」をテーマに、いかに聞くことがビジネスの原点であるか、消費者調査や研修の現場をレポートしている8、9章です。

8章「ビッグヒットは、消費者の声を『聴く』ことから生まれる」では、消費者理解に「聴くこと」が欠かせない例として、グループインタビューの有名モデレーターなど、SNSやデータでは分からない消費者の声を見事に引き出すプロの手法が明かされます。

9章「チームワークは、話をコントロールしたいという思いを手放したところにやってくる」は、Google社内での調査結果、「もっとも生産性の高いチームは、全員の発言の量が同じくらいだった」という話から始まります。さらに成功するチームでは、メンバーの話をお互いに「聴き合って」いたこと、そうしたチームでは「心理的安全性が高い」ことも明らかにされました。

この章では他に、Googleやアメリカン・エキスプレス、P&Gなどで、社員の「聞くスキル」を上げるために導入されたこともあるという「即興コメディ研修」の話が出てきます。会社から「チームプレイヤーとしての能力を磨いてきてね」と送り込まれた、ちょっと困った人たちが、作り話を交代で続けたり、声や動きを合わせたりするようなワークを通して、相手に意識を集中させること、互いに話を聞いて向き合うことを学び、変化していく様子が描かれています。篠田さんは「やはり『聴く』はチームワークの基礎。このワークの話も全部面白い、いつか受講したいです」。

「聞き方」を学ぶ機会は、「話し方」を学ぶ機会より少ない

もう1つの面白さは、各章に散りばめられた、小見出しです。実は翻訳書って、契約上、自由に付け足すことを許されているのは、小見出しだけなんだそう。本の帯にもたくさん踊っていますが、確かにこの小見出しが、元々の本と、私たち日本語で読む読者の距離をグッと近づけてくれている感じがします。

・聞き上手は「なぜ?」という質問を使わない
・つまらないギャグを言う人は、大抵人の話を聞いていない
・つじつまが合わない会話をそのままにしておくとだまされる
・「アドバイス」をしだす人は、きちんと相手の話を聞いていない
・聞きたいようにしか聞かない人はだまされやすい

「本にも出てきますが、世の中には『話し方』の本やビジネス研修、大学や専門機関での『話し方』の授業はたくさんあっても、『聞き方』についての考えを深める本や講義といった勉強の機会は、そこまで見かけることが多くありません」と篠田さんは言います。

「だからこそ世の中に、あ、聞くことって大事だねって、もっと知ってもらいたい。そのためにこの本が広がってほしい。もし皆さんがまわりの方にこの本をすすめていただくとき、聞くことに必ずしも興味がなくても、人とか社会に関する本がお好きな方なら、楽しんでいただけるんじゃないかな、と思っています」 

巻末には翻訳書では珍しく、研究や参照された文献、注釈がついているので、元の論文や文献がすべてわかる上に、日本語版があるものは、その引用元まで示されています。アメリカの「聞く」にまつわる話がぎっしり詰まった本なのですが、「身近な人の話ほど聞けない理由」や、半数の人が「心配や相談ごとは仲のいい人に話さない」という研究結果、「ビジネスの交渉における沈黙の効用」など、不思議と日本語で読む私たちにも参考になることばかり。「聞くこと」が人間にとって、どれほど生きることと切り離せない行為なのか、改めて気づかされます。

読書会のアンケートでは、「聞くこと」への意識が変わったという声が寄せられました。

・現職のチームワークの形成に生かしていきたい
・聞くことを意識するだけで、だいぶ世の中変わると思いました
・自分の考えを脇に置いて相手に好奇心から起きてくる問いをつくれるようになりたい
・聞くことへの感度が高くなった。「素直に聴く」ことの大切さを意識していきたい


8月18日、「聴く」とビジネスをテーマにセミナーを開催!

さて、エールは今月から、『LISTEN』発売記念セミナーを、特に「『聴く』とビジネス」に特化したテーマで連続開催します。
第1弾は、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」がテーマです。

企業価値向上のためにも、そこで働く従業員の働きやすさの上でも、その必要性が叫ばれているものの、まだ制度だけではなかなか推進していかないところがあるD&I。実はそんな状況を変えていく鍵も、「聴く」にあります。

「聴くこと」を大事にしながら、一人ひとり異なる多様な価値観を受け入れ合い、活かしあうための「聴き合う組織」を自ら育てていくには? 篠田さんと、エール代表取締役の櫻井将さんが、そのつくりかた、考え方をお話します。

■篠田真貴子さん監訳「LISTEN」発売記念セミナー
 聴き合う組織からはじまる「D&I」


日時:2021年8月18日(水) 13:00-14:30
会場:オンライン(zoomを予定)

第一部 ビジネスリーダーに求められる「きく」とは
D&I推進の鍵は「対話」の組織文化
エール株式会社 取締役 篠田真貴子さん

第二部 多様性を活かす聴き合う組織のつくりかた
エール株式会社 代表取締役 櫻井 将さん

■詳細・お申し込みはこちらへ
https://listen-yell-0818.peatix.com


お申し込みの方には、追って録画配信もお届けします。
久しぶりのエールのセミナー、ぜひ、ご参加ください!

【編集部 福山】


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