見出し画像

リモート環境で生産性の高いチームを作る|聴き合う組織をつくる『YeLL』のnote

こんにちは。YeLLのHISAKOです。
『反対意見も建設的に言い合える、心理的安全性の高い組織と「聴く」力』イベントレポート第2弾をお届けします。

このイベントを開催するにあたり、一番参加者からの相談が多かった内容が「リモートワーク環境下でのマネジメント」でした。皆さん、非常に困っている様子。リモート環境で便利になった反面、職場の同じ空間にいることで何気なくキャッチアップできていたことは多かったんですね。

本記事ではリモートワーク環境で生産性の高いチームづくりに欠かせない心理的安全性と「聴く」について、エール株式会社の篠田さん、櫻井さんの講演内容をまとめていきたいと思います。

心理的安全性がリモートワークの悪影響を和らげる

イノベーションの度合が対面とリモートの場合にどう変化するかを、心理的安全性が高いチームと低いチームを比べたデータを見てみると、どちらの場合においてもリモート環境下においてはイノベーションの度合は減少する傾向ですが、心理的安全性が高いチームの方が減少の度合が少ないという結果となりました。

心理的安全性とリモートワーク

心理的安全性が高いチームは既にお互いのことを率直に知り合うという関係性が出来ているので、リモート環境になってもITツールを介してのコミュニケーションが可能ですが、もともとそれが出来ていないチームでは、リモート環境下では、繋がりが全くなくなる状況に陥ります。

心理的安全性の高い組織をつくるためには「キャッチボールもコミュニケーションもキャッチする技量が高いとうまくいく」と篠田さんは伝えます。

心理的安全性が高いということは、自分のアイデアや意見を躊躇なく言えるという状況で、つまりそれは、聴いてくれる人がいるということです。この「聴く」はただ単に聴力を使うということではなく、例えば、自分のミスを指摘しているような内容のことでも、『この人はチームのために言っているんだな』と発言してくれた人の肯定的意図を信じて聴く、という姿勢が心理的安全性の高い組織にとって大切です。

リモート環境は「聴く」に追い風

心理的安全性の高い組織には肯定的意図で「聴く」姿勢が欠かせない中、実はリモート環境と「聴く」は相性が良いとのこと。エール株式会社 櫻井さんの講演では、その理由として下記4点が挙げられていました。

①1対1で周りを気にせずに話せる環境を作りやすい
②画像オフにすると、見られている感がなくなり、視線を気にせず話せるため、話す側が自分の大切にしている価値観の話や思っていることを話しやすくなる
③画像オフにすると、聴覚に集中でき、微妙な感覚や感情変化に気づきやすい。人間が顕在意識でキャッチできるのは、周りにある情報の0.01%以下であると言われていて、視覚情報がなくなるだけで、聴覚情報に意識が向き、相手の微妙な感覚や感情の変化に気づきやすくなる
④画面を共有していることで、同じものを見ている感が出て横の関係になりやすい

確かに、部下の話を聴くことを目的としたコミュニケーションの場合、対面で上司の顔色を見ながら話す、ではなく、画面オフのほうが自分の思考・感情に目を向けて話ができるというのはよくわかります。
聴き手である上司は視覚情報がないのは不安かもしれないですが、実は表情はごまかせても、声色、声のスピード、抑揚には感情が表れます。部下の話や息遣いに集中して耳を傾けることで相手のことを感じ取れることがあるのではないでしょうか。

良い「対話」は、良く「聴かれる」ことによって生まれる

聴いてもらうと、相手に受け止められたと感じ、聴かれることで、自分の思考、感情、価値観が言語化されます。また、聴かれるという体験を通して、自分の聴く力も自然と高まっていく連鎖が生まれます。

心理的安全性を提唱したエイミー・エドモンドソンさんによると、『心理的安全性は個人の資質ではなく、チームの組織風土である』と示しています。

心理的安全性を高めるために大切とされる「聴く」「聴かれる」体験も、個人の聴く力が高まることで、それが伝播し、組織としても心理的安全性が高まっていくという流れになっているのではないでしょうか。話せる=聴いてもらえるという構図の中で、「聴く」ことなしに、心理的安全な場は成立しません。

ここまで読んでいただいた方は「聴く」ことによる可能性に疑いはないと思いますが、実践となると心がもやもやとする方がいると思います。
「聴く」ことに対して自信がないあなたは、あなた自身の「聴かれた」体験が少ないのかもしれません。

相手の話を肯定的意図で「聴く」ために大切なことは、「聴かれた体験を持つ」ことです。この視点が特に対話が定着しない企業において抜けがちな視点だそうです。社内で「聴く」を増やしたいということであれば、まず誰かに体験を作っていくということが大切な第一歩だということを、講演を通じて学び得ました。

さて、次回はイベントレポート最終回です。

「聴くことが大切なのは分かったけど、聴くだけでは仕事にならない。マネジメントにおいては厳しいフィードバックも実施しなければならない!」と、頭を抱える方も多いと思います。

最終回ではいよいよ「話してもらうと厳しいフィードバックを両立するためには」をテーマにまとめていきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?