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1on1力向上のカギを握る「社外人材」がもたらす光明|聴き合う組織をつくる『YeLL』のnote

 1on1の質を高めるためには、何から始めれば良いのか——「エール株式会社は、そうした企業の悩みに対し、まずは「関心を持って聴いてもらう」という体験を提供してきました。

中でも特徴的なのが、利害関係のない第三者「社外人材」に話をじっくり聴いてもらえるという点です。「聴くこと」に長けている社外人材を活用し、質の高い1on1に必要なスキルの定着を目指しています。「良質な聴かれた体験」は、組織にどのような変化をもたらすのでしょうか。前回に引き続き、エール株式会社 内田修平さんにお話を伺いました。【編集部 林】

社内1on1に変化をもたらした「聴かれた体験」

——「1on1の質を高めるためには『聴くこと』が大切。そのためには、じっくり聴いてもらえた良質な1on1体験が欠かせない」というお話を前回伺いました。実際にオンライン1on1サービス「YeLL」を導入した企業からは、どのような反応があったのですか?

内田さん:非常に印象的だったコメントを、一部ご紹介しますね。

【JT(日本たばこ産業株式会社)/人事・総務・経理/チームリーダー】
これまでの自分は、上司や部下と話をするときに「仕事ができる/できない」の判断が少なからず入っていました。目の前で話をしてくれている人を、まっすぐ受け止められずにいたというか。ですが、1on1では「ここで話をする自分を見てもらえる体験」ができた。そこからですね、仕事の側面だけを見て、人を評価するのは違うのではないかと思うようになったのは。

その体験をきっかけに、メンバーとの向き合い方も変わったと思います。8名のメンバーがいるチームリーダーをしていますが、メンバーの声に耳を傾けるようになりましたね。
【株式会社プロトソリューション/人事/管理職】
私は「YeLL」での体験を、人事面談で活かしています。
「YeLLの1on1」体験を通じて新たな課題が見つかり、そこからさらに掘り下げて“じゃあ、私はこうしてみます”と解決策を出すことも多くありました。
この、自分で解決策を出すことがポイントだと思っています。というのも、自分自身もそうだったのですが、自分で出したことは、ちゃんと実行するんですよね。内省が深まり、自己理解を深めていく場になるので、「自分がやりたいこと/できること/自分の役割」を掘り下げていくことができました。上司から言われたことでもない、自分がやりたいことが持つパワーはすごいです。私が聴く立場になることが多い「人事面談」においては、相手のキャリアを考えていく上でとても重要なポイントになります。

こうしたコメントからも分かるように、良質な「聴かれた体験」によってメンバーとのコミュニケーションが変わり、社内の1on1を行なう際にも活かされるなど、何かしらの変化の兆しが見えています。

こうした声は今後も丁寧にすくい上げ、データとして蓄積していきたいと考えています。

実績

社外人材がもたらす「変革の可能性」

——ビジネスに欠かせないスキル習得のために、社外人材を活用するメリットはどのようなものがありますか?

内田さん:社外人材とは、利害関係のない第三者です。エール株式会社が展開しているサービスは、いずれも「サポーター」と呼ばれる社外の副業人材が活躍しています。社員の本音を受け止めて「聴く」伴走者として、約1,800名の方が登録し、1on1体験を提供しています。

「利害関係のある相手」と言えば上司、同僚、部下などが思い浮かびますが、必ずしも他者だけではありません。自分の中にいる“本当の自分”も、実は利害関係者です。そういった相手に、本心を打ち明けるのは簡単ではありません。

自分自身がこれまでにとらわれてきた価値観を手放すのは、勇気が必要です。「こんな弱音を吐いたらこっそり上司に伝わるのではないか」「失敗するなんて自分らしくない」「本音を伝えたら、誰かが傷つくかもしれない」…私たちは、そうした思い込みを抱え、迷いながら日々仕事に取り組んでいます。そうした「思い込み」によるブレーキが、組織変革のスピードを妨げているかもしれないんです。

だからこそ、まったく利害関係のない第三者との対話が重要になります。毎週30分、1on1でじっくりと自分の迷いや本音を聴いてもらい、一緒に考える時間を過ごしてもらう。「それだけ?」と感じるかもしれませんが、言葉にならないモヤモヤを「評価・判断されない関係の相手に向けて言語化し、認知させる」ことによって、ブレーキは少しずつゆるくなっていくのではないかと思います。

オンライン1on1サービス「YeLL」では、自分の味方になってくれる人と「対話ができる30分」が約束されています。「今、取り組むべき課題」がはっきりと意識できるように、社外人材であるサポーターが並走してくれるのです。

社内の1on1スキルを高め、定着させるためには、まず社外人材による良質な1on1体験を味わっていただきたいですね。私自身にも覚えがありますが、マネージャーは過去に自分が教わった「マネジメントスタイル」をそのまま踏襲してしまうものです。さらに相手に伝える訓練はたくさんしていますが、「聴く訓練・聴かれた体験」は圧倒的に足りません。

まずはマネージャー自身が、聴かれることによって1on1の成功体験を積み、1on1の質を高めていってほしいと期待しています。それが結果として、働くことが楽しくなる「聴き合う組織」を作っていくのではないでしょうか。

取材を終えて

『LISTEN―知性豊かで創造力がある人になれる』(日経BP)でも紹介されていた「自分自身の感受性」について、改めて考えさせられました。

目の前の仕事に忙殺される日々を送っていると、自分の感受性はどんどん後回しになっていきます。なんとなく違和感を覚えても、「まあ、組織なんて、そんなもんだよね」と感受性にフタをしてやり過ごしてしまう——私自身も、身に覚えがあります。

頭と心の中にあるモヤっとした感情を、利害関係のない第三者との対話によって言語化できれば、「今の自分が向き合う課題」がつかめるようになります。自分の心の中にあった「そんなもん…じゃなかった!」という思い込みのバイアスに気がつけば、自然に行動も変わり、組織全体、さらには社会全体が変わっていく。そんな道筋が、見えたような気がしました。


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