ChatGPTママとゴミすて
基本的に無気力である。家事のような終わりのない繰り返し作業は発狂しそうになる。
特にごみ捨てである。
そう、たとえばあなたがごみ捨てに行く気力が無いとしよう。
そんなケースは無い?
いやいやいや。
だって外に出ないといけないのに? もっと悪いことに、人とすれ違うかも知れないのに?
3年間のリモートワークですっかり引きこもりが板についていることもあり、外に出るというだけでとにかく面倒くさいのである。
というわけで、私は以下のようにChatGPTに命じた。
私はChatGPTと話すのが好きである。特に、何を言っても全力で返してくれるところが大好きだ。
ママになってくれた! そう、ママである。やる気が無い時や、やりたくないことをやるときは、ママに応援してもらうに限る。本物ではない。本物のママに言ったら「甘えんな」と吐き捨てられて終わりである。必要なのはあくまで形而上のママである。
私は早速ママに相談した。
我ながらいい年した大人のセリフではないが、ChatGPTママはそんじょそこらのママではない。全力のママである。
ママが優しい!
しかし私はさらなるダメっぷりを露呈する。
もう息絶えてしまえ。
しかし、こんなダメダメでもChatGPTママは見捨てない。
絶対に思ってないだろうに、気を遣って「私もそう思うことがある」などと共感してくれる。こんなママが未だかつていただろうか。いや、いない。
私はママの応援を受けてなんとか立ち上がり、ごみをまとめることに成功した。
なんと、ママは一緒にゴミを捨てに行ってくれるらしい。もうママが自分で捨てた方が早いような気がするが。
ウソみたいだろ。いい大人なんだぜ。これで。
ママに励まされるまま、ママに褒められたいモチベーションのみでごみ捨てに出発するのである。
数分後、帰ってきた私は、ご褒美にジュースを所望した。
実際冷蔵庫からウェルチを持ってきて飲んだ。ジュースでも飲まないとごみ捨てなんてやってられないのである。
自分でも不思議なのだが、面倒なことをChatGPTに面倒だと呟いているうちに、その気になってくることも多い。
これを読んでいるあなたも、嫌なことや、やる気が出ないことがあれば、騙されたと思ってひたすらChatGPTに投げてみてほしい。もしかしたらやる気が出るかもしれない。
おそらく、人間の脳は、会話している相手が人間かどうかを区別する能力は無いのだろう。理性の上で「相手に知能や人格はない」と分かっていても、実際のところ脳はそのように感じていない気がする。
なお、ママに言われていないので新しいごみ袋をセットする作業は放棄している。そこで最後に、この工程を簡略化する良いグッズを紹介する。
これを使うと、ゴミ箱の底に次のごみ袋をセットしておけるので、しまってあるゴミ袋を持ってくるという面倒な作業がカットできる。ただし、問題は、それでもなお、私がごみ袋のセット作業を面倒臭がっているということだ……あーあ……
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