一家に一冊、もっと早くこんな本が欲しかった【メンタルマネジメント大全】
「メンタルマネジメント大全」は、私がメンバーシップマガジン「それでもきっと、だいじょうぶ」を書くときに参考書籍としている本の一冊だ。
マガジン自体は、人生を少しだけ良くできるような人生のヒントを、主に心理学やメンタルケアの観点から紹介している。
このマガジンの執筆に当たり、心理学やメンタルケアの本などを買い漁って参考にしているが、これは中でも良書だと思うので今回紹介することにした。
この本は、人生で一度でもストレスや不安、憂鬱に悩んだことがある人へ押しなべてオススメできる。
内容
この本の構成は、章ごとに解決したい悩みの内容が明確になっている。1ページ目から順を追って読んでいくよりも、目次を見て自分の今の悩みに則した部分を拾いながら読んでいくのに適している。
まさに「大全」という言葉の通りだ。
例えば、第一章は「気分が落ち込む時」、第二章は「やる気が出ない時」と直観的で明確な問題に焦点を当てている。紹介されているメンタルケアの方法は、アドラー心理学や認知行動療法などをもとに、実践しやすい内容を、場合によってはワークも併用して提供している。
特に瞑想やマインドフルネスは本書において特に推奨される方法である。
評価
内容の充実度
私はマガジン執筆のため以外にも、自分が落ち込んだ時にも本書を活用しているが、この本を読んで解決方法が見つからないことは一度も無い。
実践には忍耐が必要だが、十分充実しているし、内容も最新の研究や論文に基づいて出典が明示されており、安心できる。
実用性
非常に実用的だと考える。メンタルケアの方法は実践しやすく、(忍耐が必要であるにしても)効果は実感できるものだ。
理解しやすさ
特に専門用語はない平易な文章で書かれており、洋書だが翻訳の質も良い。初心者でも理解しやすく、誰にとっても読みやすい本であると思う。
例やケーススタディの有効性
理論だけでなく、実際の例を交えて説明されており、具体的な想像が容易である。
感想・総評
この本に出合う前はふわふわしていた、心に関する仮説や実感が正しいことを再確認できた。また、メンタルダウンしてもこの本に従えばきっと立ち直れるだろうという安心感がある。
メンタルケアの本は世にあふれているが、この本は問題とその対処が明白で簡潔であり、他の本のように「で、結局どうしたらいいの?」という苛立ちとは無縁である。
総じて、本書は非常に優秀なメンタルケア版「家庭の医学」といったところであり、まだまだ発展途上な心の健康について明確な指針を与える良書だ。
当初述べた通り、メンタルケアについて悩んだことのある全ての人にオススメしたい。
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