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ASDフレンドリーな環境を考えるために

1884文字です。個人差はありますが、3分〜5分ほどでお読み頂けると思います。
よこはま発達相談室の佐々木です。
本日は「TEACCHプログラム研究会 第15回 実践研究大会 in 岡山」がオンラインで開催されました。TEACCHプログラムについて、あまり聞いたことがないという方は、こちらの記事からご確認ください。

「構造化の基本に帰ろう」

公開講座では、当相談室代表の内山先生が「本当の構造化」をテーマにお話をいたしました。午後は全国各地域の実践報告だったのですが、その前のお昼の時間帯に「ランチョントーク」として、いつもご一緒させて頂いている、笠合竜明先生(石川支部)、草原比呂志先生(香川支部)、今村三奈子先生(熊本支部)、当相談室から宇野洋太先生(東京支部&鹿児島支部)と佐々木(鹿児島支部)とで、”構造化の本音”を1時間ほどディスカッションさせていただきました。

構造化については、自閉症支援の多くの現場で耳にするキーワードかもしれませんが、誤解も少なくないように感じることもあります。その辺りに関する僕らの考えは、以前もnoteに書きました。ご関心あればご一読ください。

今回は僕自身の備忘録も兼ねてですが、いくつかエッセンスを共有したいと思います。

構造化はあくまで枠組みで、中身は柔軟に

構造化について、宇野先生はこのように説明をしてくださいました。そして、構造化とは、”かくあるべき”というものではなく、当然ですが一人ひとりは違うので、必要な構造(わかりやすい環境や情報)も一人ひとり違う、そう考えていくことが大切であるとも述べておりました。

多くの方が納得していただける考え方がと思います。一方で、我々が共通で持っている考えとしては、「形から入らない」「そのまま真似をすれば良いわけではない」というものがあります。

そうすると、「じゃあ、どうしたらいいんだろう?」「何から始めればいいんだろう?」という疑問も同時に出てくるのではないでしょうか。 

本人のことを知ることから

何が必要なのかを見極めるためには、ご本人のことをより良く知る必要があります。よく講演会などで話す例があります。誰かにプレゼントをあげる場合に、僕らは何を最初に考えるでしょうか。

多くの場合、「相手の好み(あるいは好みでないもの)は何だろう?」ということを考えずに、「何を買うか?」から考える人は少ないのではないでしょうか。

構造化、つまりASDの方々にとってフレンドリーな環境や情報を整理していく時にも、考え方は同じです。

  • 何が好きなんだろう?

  • 何は嫌なんだろう?

  • 何がわかるんだろう?

  • 何がわかりそうなんだろう?

  • 何はわからないんだろう?

  • 何がしたいんだろう?

  • 何を伝えたいんだろう?

  • 何がわかったら(できたら)、安心するだろう?

  • 何がわかったら(できたら)、ご本人にとってメリット(役立つ)があるだろう?

こうしたことを考えることが、まずはスタート、そんな風に思います。

何をするか(構造化の形)は最後に考える

ここまで述べたような、なぜ(Why?)を整理することが、評価(アセスメント)と言われるもので、その上で「どうやって(How)?」「何を(Waht)?」と考えていくことが大切だと思います。

多くの実践は大変魅力的で、すぐに取り入れたくなることも多いでしょう。だけれども、その実践はこうしたプロセスを経ての実践であることを忘れてはいけないようにも思います。さまざまな構造化のアイディアで引き出しを増やしつつも、その土台となる「どうして必要なんだろうか?」という部分が共有できていることが何より重要なことなのです。

ちなみに、アセスメントについてもう少し詳しくは、別の記事で書いたので、まだお読みでない方は宜しければご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回はASDの方々にとってフレンドリーな環境を作る際に大切な考え方の一つである”構造化”をテーマにポイントを3つほど紹介致しました。

(1)構造化は枠組みであり、その中身は多様で、柔軟なものである
(2)まずは相手のことを知ることから
(3)「何をするのか」を考えるのは一番最後(Why→How→Whatで考える)

「自分だったらどうするか」「自分だったら何ができるか」を考える際の参考にして頂けると幸いです。

今回は僕が尊敬する先生方とご一緒させていただき、改めて考えるきっかけをいただきました。こうした仲間がおること、そうしたチームを作っていくことも、大切な支援の一つだと思います。

最後までお付き合いくださりありがとうございました。

よこはま発達相談室
佐々木康栄



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