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去る側の思い

引っ越しがすごく多い人生だ

そういう星の上に生まれたんだろうなと
最近思うようにしている。
そんな星に生まれたので、
必然的に送られることが多い。
しかも行き先はだいたい遠い。

何度引っ越しても今まで築いた関係や
これから築く関係についての、
不安と希望が入り混じる感情は、
引っ越す日が近づくに連れて
ふつふつと込み上げてくる。

また1人になるのか。

厳密には1人でないんだけど、
学校や所属していたコミュニティという意味では
1人に感じる瞬間が訪れるのだ。
前いた場所で作った友達と離れ、
「どこに所属しよう?」と考える期間。
考えても仕方がないので実際には
そんなに悩まないんだけれど、
ちょっと寂しくなったり、
不安になる瞬間は人間だからあるよね。
そんな時に、あぁまた1人になるのか。
と心が呟く。

ちょっと刹那な気分になる引越しだけど
良いこともたくさんある。

送られた時のエピソードや気持ちは忘れない

小学生でアメリカに行った時。
片想いされていた男の子から学校の送別会で、
たくさんのプレゼントをいただき、
引っ越し中の家の前でお手紙をもらった。
飛行機の描かれたお手紙だった。
「お前の家の前の坂の上で寝そべって、飛行機を眺めるからね」
なんてことが書いてあった。
お前と呼ばれていたけど、なんだ、
私にとってはとても大切な友達だったので
小学生ながら感動してしまった笑

もうひとつは転職したとき。
関西から出身の東京横浜へ戻ることになった。
最終出社日に素敵な花束をいただいた。
6年以上勤めた会社はさすがに思い出も
思い入れも多く、花束を抱えていると
阪急電車で涙が溢れてきたのだ。
電車ですすり泣いたのは初めてかもしれない。

ワクワクと不安と少しの寂しさと。


数えきれないほどの「移動」をした。
国、学校、職場、住居。

今回はアメリカに行く。
30年前にも住んでいた場所。
1人ではなく家族と。

いまいる場所の息子のおかげでできた繋がり、
職場の繋がり、地域の繋がり。
一旦またリセットされて
ゼロからのスタートだ。

スケッチブックの新しいページをめくって
何を描いていこう。
白紙から始まる自分の物語は
いつになく白い。

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