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ジャッジしない。ニューヨークタイムズのかっこよさ

アパレルで働いていた当時"ニューヨークタイムズが好きだ”と言うと”左だね〜”と言われることがよくありました。

私って、左なのかな?と思い、少し戸惑ってしまった事を覚えています。

当時私は、フランスが本国のアパレルで働いていたのですが、フランスではお酒の場で政治の話をする事は日本よりは日常的なようで、その関心の高さに驚いたことがありました。日本では”ノンポリ"つまり”非政治的"である事が良いとされていますが、アメリカ、イギリスやフランスなどは、むしろ”ポリティカル””政治的”である方が、かっこいいという価値観があります。

前回の米大統領選でも、テイラースイフトが反トランプを意図したコメントを出し、投票率が上がったという報道をよく見たぐらい、影響力がある人なのに、ノンポリで何もしないみたいな中ニ病はダサいという価値観は、アメリカやイギリスに特に感じます。

なんとなく上司に言われた”左だね〜”の言葉に、私はなぜニューヨークタイムズが好きだと思ったんだろう?という疑問が浮かびました。当時は深く考えず、答えを流していたのですが、note を書いたり、読んだりしている内に、自分の政治思想についてよく考えてみようという発見がありました。

まず、ニューヨークタイムズにはジャーナリズムを感じます。取材先を必ず明確にし、どんな事でも一度取り上げたら最後まで追い続け、ジャッジしない。あるジャーナリストが書いた記事に、別のジャーナリストが反論する記事を載せる、その斬新なセンスには憧れてしまいます。これだけでも、かっこいいのに、ポッドキャストやインスタ、ツイッターを駆使してニューヨークタイムズの本体に持っていくのがともかく上手い!詳しく知りたくなる仕掛けが沢山あります。ニューヨークタイムズやり方の良い悪いは別として、魅力に溢れています。

そして何より、読書を論破しようとしないその語り口にジャーナリズムを感じます。結論は読書に委ねる。日本にそういうメディアが無いので、日本のメディアばかり見ているとジャッジしたくなってしまう。でも、全然知らない赤の他人をジャッジした時に生まれるネガティブな感情を持ちたくない!そんな思いから、私はニューヨークタイムズが好きになりました。

結局の所、私は左なのか右なのかはよく分からないのですが、自分が日本人だからとか、日本で生まれたからとかでジャッジしたり、されたりする事がない世界に生きていたいし、この世の誰もが命の心配をせずに、自分自身でいられる世界が望ましいなと思います。

前回の米大統領選の後、右とか左という考え方は古いんじゃないか?というニュースや議論をよくみたのですが、あれは幻だったのだろうか?と思うほど影を潜めてしまいました。

来年に迫った米大統領選でこのことが再び議論され、日本にもその流れがくるといいなと密かに期待しています。そしてその流れの源泉になり得るのは、ニューヨークタイムズ以外、私には考えられません。

ニューヨークタイムズの信用性について調べてみると、その全てが信用できるかは疑問が残る部分もあります。それでもニューヨークタイムズは累計で125回ピューリツァー賞を受賞していて、これはニュース組織の中で他に類をみない数字です。

私にとってニューヨークタイムズは大好きだけれど、嫌いなところもある。嫌いだけどやっぱり好き…そんな恋人のような新聞です。

Bibliography:ニューヨークタイムズの信用性はこうして維持されている



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