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何かを信じよう。全てを犠牲にしてでも

“Believe in something.Even if it means sacrificing everything “ 

私は洋書を読むのが大好きで、アメリカの洋書を紹介しているInstagramのアカウントを複数フォローしているのですが、ちょうど去年の今頃、その全てのアカウントから発信されたのが”Believe in something.Even if it means sacrificing everything “というナイキが打ち出し大炎上した広告でした。

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アメリカの人気と実力を兼ね備えたプロフットボールプレイヤーのコリン・ケイパニックは2016年8月、人種差別への抗議として試合前の国歌演奏で片膝を地面に付きました。

当時アメリカでは「黒人だ」という理由で、白人の警察官が暴行したり銃殺してしまう人種差別を正当化するような行為が多発していて、毎日のように抗議運動が行われていました。

そんな中でのスター選手ケイパニックの抗議運動は特に黒人フットボールプレイヤーの間で広がり一大ムーブメントとなったものの「アメリカへの敬意がない」「アメリカ国旗に忠誠を誓わないのか?!」とケイパニックの抗議運動を否定する人も増え、更には「クビにしろ」という声も上がだし、結果的にケイパニックは責任を取るかたちで2016年末に所属チームを去りフリーになりましたが、現在も契約できるチームがなく、プレーできないまま3年が経とうとしています。

ケイパニックがプレイできないことに歌姫リアーナがいち早く抗議し、アメリカ最大のお祭り”スーパーボール”の目玉であるハーフタイムショーの出演を大物Jay Zがキャンセル。その後も出演拒否するアーティストが続出し、出演を承諾したMaroon 5に大バッシングが起こる社会現象にまで発展しました。 

私は、青春時代にMaroon 5をよく聴いていたので「スーパーボールに出演する」という自分達の名誉を優先したMaroon 5の選択に、なんだかとても残念な気持ちになりました。

このケイパニックの抗議運動は、今尚続いています。

今年は1619年に、イギリスの植民地だったバージニア州の海岸に20名の黒人が奴隷としてアフリカから連れて来られてから、400年目になります。今年に入りアメリカでは、アメリカ合衆国の始まりは1776年のイギリス植民地からの独立宣言ではなく、1619年に奴隷として連れてこられ、アメリカで今日まで戦い抜いてきた黒人達がアメリカの始まりなんだ、という「1619」というムーブメントが起きています。

全てを犠牲にしても、何かを信じたヒーロー、ケイパニックに賛同した人達が、この1619ムーブメントに賛同したのは、言うまでもありません。

ニューヨークタイムズが、このムーブメントの火付け役なのですが、更に加速させようと、毎週ポッドキャストで1619シリーズを配信しています。ケイパニックの勇気が、ついにアメリカ全土を動かし始めています。

何かを信じよう。全てを犠牲にしてでも。



Bibliography :’1619’の始まり。ニューヨークタイムズの新しいオーディオシリーズ





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