「田舎でのんびり起業」のスタイルを5つのペルソナ像に分解する
僕は今八ヶ岳南麓(山梨県北杜市)で暮らしています。「新しい働き方。暮らし方」でハッピーになろう!という企業パーパスのひとり法人を立ち上げてコンサルティングや地方関係人口創出に関することが仕事です。(ヘッダー画像はnoteギャラリーから挿入しました。norinity1103さんありがとうございます!)
今回は「田舎でのんびり起業のスタイルを5つのペルソナ像に分解する」というタイトルで、起業スタイルについて書いてみます。
田舎でのんびり起業とは?
僕がおすすめしている「田舎でのんびり起業」はお金よりも人生を大切にするライフスタイルです。もちろん生きていくにはお金は大事。だけどお金だけを目的にしたギラギラ起業とはちょっと違う。人生を楽しむための起業です。詳しくはこちらの記事も参照ください。
「田舎でのんびり起業」のペルソナ像を考える
「田舎でのんびり起業」というコンセプトで起業支援を行っています。僕が暮らしている八ヶ岳南麓にはまさにこのスタイルで暮らしている人がたくさんいます。
みなリッチではないかもしれないけれど(リッチな人もいます)、自分の生活を大切に、QoLが高い豊かな暮らしをしています。とはいえやっている仕事やスタイルは人それぞれ。そんな周りの人たちを見ていると、なんとなくいくつかのスタイルの分類できそうに感じてきました。
そこで今回は「田舎でのんびり起業」スタイルを5つのペルソナ像に分解してみようと思います。
田舎でギラギラ起業、マジ起業とはちょっと世界が違う
ひとつあらかじめお伝えしておくと、ここで紹介するのは「田舎でのんびり起業」の人たちです。田舎にもギラギラ起業やマジ起業の人もいます。でも僕のスコープはそことは少し違うんです。
いわゆるスモールビジネスと呼ばれる、一人または少数で運営して、自分たちが暮らしていける収益を確保する、というスタイルです。
「情報商材を売って起業初年度で売上4000万円!今は毎月500万円稼いでいます!」というギラギラ起業とか「地域課題である二次交通問題を解決するためにトヨタと国交相をアライアンスさせてMaaSで世界を変えるんです!」といったマジ起業はちょっと別物とさせてください。
ペルソナ#1:セカンドライフ起業
これ、八ヶ岳南麓には結構多いスタイルですね。50代、60代に多いスタイルです。イメージとしては東京郊外出身の夫婦で、もう子供も独立しているし、好きな土地で暮らしたい、という人たちです。
主に「自己承認が満たされる仕事」を選ぶ
ペルソナ#1はそんなにお金に困ってはいません。それなりに金融資産を持っている人たちが多いものです。もうすぐ年金受給(もしくは既に年金受給)ですし、ぼちぼちの収益が得られればいい人たちです。
場合によっては税金対策上、許容できる範囲の赤字を望む人もいるでしょう。この人たちが選ぶ仕事はズバリ「自己承認が満たされる」ものです。
陶芸やガーデニングなど趣味の延長。もしくは手の届く範囲での地域貢献事業などです。
大切なことは「低リスクで安心」できること
ペルソナ#1には低リスクな事業であることが何より重要です。なんと言っても生活資金の主体は手持ちの金融資産や年金です。これらを溶かすような事業では安心できません。
なので地域貢献事業といっても自分の手の届く範囲のものが多く、ベンチャーキャピタルから3億円出資を受けて…というスタイルを望むわけではありません。
ペルソナ#2:田舎で子育て起業
これも多いですね。震災やコロナなど都市で暮らしていると大きなショックを受けることって最近多いですよね。ちょっとした地震でも停電すると水をポリタンクに入れてマンション20階まで階段で昇ったり、コロナで外出できなくなると手狭なマンションに篭って息がつまる暮らしを強いられたり。
それより自然豊かな中で暮らす方が人間らしい。子供をもっとのびのびと育てたい。そんな思いから移住、起業する人たちです。
共働きなどで「収入ポートフォリオを作れる仕事」を選ぶ
夫婦とも働くケースが一般的です。そして片方は会社勤め、というケースも多いです。例えばフルリモート会社員だったり、地域の企業に勤めていたり。
もちろん田舎の会社勤めでは都市部ほどの給与は期待できません。それでも起業という売上見通しが揺れる仕事だけで家族を支えるよりは安定しますよね。決まった給与が毎月入るというのは起業すると期待できないことです。なので家庭に一人、給与収入の人がいると固定費を賄えると安心ですよね。
会社勤めの目的は安定した土台作りなので、バリキャリを目指すわけではありません。低い給与でもいいから土台を確保して、家族で起業というチャレンジも共有したい、というスタイルです。
大切なことは「家族と時間と収入の両立」
ペルソナ#2はQoLの高い田舎暮らしが目的なので家族の時間が減ることは望んでいません。例え高収入の仕事があっても家族の時間は何よりも代え難いものだからです。
同時に子育てを考えると収入も確保しなくてはなりません。そこで「やりたいこと」を起業で実現し、「家族が暮らす安定した収入」を会社勤務で確保するケースが多いのです。
贅沢な暮らしを望まなければ、田舎のダブルインカムはそれなりの暮らしが楽しめますからね。キャンプやアウトドアレジャーなどが好きな家族には田舎はお金がかからず好きなことを楽しめるパラダイスです。
ペルソナ#3:田舎で夢を叶える起業
これは田舎ならではの仕事を夢見て起業する人たちです。例えば農業や飲食・観光などです。八ヶ岳南麓では自然農を目指して移住してくる人たちもたくさんいます。無農薬のオーガニックをさらに一歩進めて無肥料で野菜を育てたりしています。
他にも地産地消の飲食を開業したり、地域観光に携わる仕事などもあります。海辺の街ならダイビングガイドとか釣宿などが挙げられます。
「やりたい仕事」がはっきりしている
ペルソナ#3は既にやりたい仕事が決まっています。それも結構シャープに定まっている人たちが多いものです。
例えば農業でもいちごなどの果実を育てたい人もいます。ブルーベリーなど観光農園を目指す人もいます。自然農にこだわる人もいますし、花木のように食物以外の農産物もあります。
いずれも「この作物(または農法)」という夢がすでに定まっている人たちです。夢を叶えるためには多少のリスクは厭わない(融資を受けて勝負するなど)ケースも多い人たちです。
大切なことは「やりたい仕事」であること
もちろんペルソナ#3にとって一番大切なのは「やりたい仕事」を手に入れることです。多少の周り道はあったとしても全く違う仕事で満足するわけではありません。だってそのために田舎で暮らしているのですから。
夢を叶える過程で一時的に会社勤めを選ぶこともありますが、ペルソナ#2との違いはその目的です。ペルソナ#2は収入ポートフォリを作ることが会社勤めの目的ですが、ペルソナ#3にとって会社勤めはやりたい仕事を手に入れるための準備期間なのです。
ペルソナ#4:手に職ある系起業
このスタイルも多いですね。プログラマー、動画編集、建築設計など、もともと都市部でもひとりで稼いでいた人たちです。
どこでも暮らしていけるのですが、今は田舎暮らしが快適なので好きな土地で暮らしている、という人たちです。もちろん気に入って選んで暮らしているのでノマドのようにすぐに引っ越すことはしませんが、「この土地」でなければならない理由もありません。好きだから、快適だから暮らしているのです。
元々都市部で働いていた職種のまま移住している
職種はまちまちですが、元々都市部で働いていた職種のまま、暮らす場所だけ変えています。フリーランスだったり小規模な事務所を運営していたり。
地方移住のために、どこでも働ける仕事スキル(ブロガーとか)を目指す人がいますがペルソナ#4は少し違います。元々その仕事をしていたのです。ペルソナ#4にとっては地方移住はあくまで「快適な場所への引越し」にすぎません。
まるで小金井から国分寺(例えはなんでもいいんですが…)に引っ越す程度の感覚で都市から田舎へ引っ越しているのです。
大切なことは「自分の望むライフスタイル」
ペルソナ#4はどこでも仕事ができる職種です。なので暮らす土地では「望むライフスタイル」が得られることが重要です。
毎日サーフィンができる海辺。毎日ゲレンデにいける雪国。お気に入りのカフェや美術館がある街。仕事以外のライフスタイルが充足することがいちばんのポイントです。
ペルソナ#5:ミニマリスト起業
いわゆるミニマリストとして暮らしている人たちです。自分でできることは自分でやる。それもできるだけ多くのことを自分でやる。自給農やオフグリッド、DIYなどの能力を身につけた人たちです。
ペルソナ#5にはアート系の趣味(本業?)を持つ人もいます。あえて人里離れたアトリエや工房を手に入れたい、という思いです。
ですが多くのペルソナ#5はミニマムに自由に暮らすこと自体が目的だったりします。(結果アート系に進む人もいますが)
仕事には強いこだわりはない。なぜならば暮らしていけるから
ペルソナ#5は生活費を最小化します。暮らす家すら自作する人もいますし、廃屋のような古民家をDIYして暮らす人もいます。
オフグリッドというと大げさですが、井戸があって、小さな太陽光パネルと大きめのバッテリーがあれば一人暮らし程度の電力は賄えるものです。ガスはなくとも電化調理か、薪で対応できます。
現金収入が必要になったらアート(ハンドクラフト)を売ったり、もしくはバイトなどで必要な収入を得ればいいのです。
大切なことは「自由な時間・自分の時間」
ペルソナ#5はミニマム生活が不便な暮らしであるという覚悟ができています。というか不便を承知で自由に不便を楽しんでいるのです。もちろん100%世間との繋がりを絶っているわけでもありません。
ただミニマムに。ただ自由に。自分の時間を大切に暮らしている人たちです。
あなたが目指すのはどのスタイル?
いかがでしたか?あなたはどのスタイルを目指したいですか?これはまさに私のことだ!という人もいるでしょう。また、ここで紹介した5つ以外のスタイルの人も当然いると思います。
僕の周りで「田舎でのんびり起業」を実現している人たちの多くはこのいずれかに分類されています。みなスタイルは違えど、自分の望むことを手に入れて幸せそうに暮らしている人たちです。
あなたも「田舎でのんびり起業」、いかがですか?
参考情報:田舎でのんびり起業を考えているなら
田舎でのんびり起業、いかがですか?田舎暮らしに十分な収入を得つつ、人生を大切にする起業です。田舎でのんびり起業を目指す人を応援する起業コミュニティ・プログラムの「ヤツビジ」を運営しています。無料メルマガを運営しているので興味がある人はこちらも登録してみてください。
田舎、といってもあなたが気に入ったところが一番なので八ヶ岳にこだわる必要はありません。でももし八ヶ岳南麓に興味があるなら八ヶ岳で移住・起業を考えている人向けの交流・体験プログラム「ヤツクル」を運営しています。よかったらこちらのメルマガにも登録してみてください
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