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本の棚 #23 『MORE from LESS』

『MORE from LESS』
〜資本主義は脱物質化する〜

アンドリュー・マカフィー

世界はどんどん物質的に豊かになっている

現地にいったことがないから分からないが

東南アジアやアフリカなんかも

急速に発展して、そう遠くない未来には

ぼくたちの住む日本のように

「高原社会」になっていくのだろう。

※高原社会については『ビジネスの未来』山口周氏より

人類が豊かになっていく反面

自然界、いわゆる地球環境に目を向けると

うまくいっているイメージは、これっぽっちもない。

海も山も川もゴミがたくさんあって

ついには空まで濁ってきて

明るい未来を、想像できない自分がいた。

モノを売るサービスをしていると

本当にこれを続けていいのだろうか、と考える。

人類の進歩や発展がそのうち人類の首を締める。

そんな側面でしかものごとを見てこなかったように思う。

この著書に「新たな視点」を与えてもらった

読み終わったあとには、少し明るい未来が見えた、

そんな気がした。

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より少量からより多くを得られるようになった

アメリカは世界GDPの約25%を占める大国家で

経済、人口ともに成長を続けているが

ある時点から大半の資源消費量が減少傾向にある。

「えっ、いきなりうそやん」

とぼくは凝り固まった思い込み頭脳で全否定した。

でも著者が示す証拠データを見ると

「より少ないものからより多くのものを得る」

これに人類は挑戦し、失敗して、成功している。

これまでの人類と自然界とのトレードオフの関係は

終わりつつあるのかもしれない、

そんな視点を手に入れることができた。

人類と自然界がいい方向に向かうために必要な4要素を

著者は「希望の四騎士」と名付けている。

テクノロジーの進歩
資本主義
市民の自覚
反応する政府

詳しくは本書を読んでもらいたい。

書評なんて難しいことはあきらめた。笑

ものすごい一部だけ抜粋する。

私たちは常により多くを求めるがらより多くの資源は求めない                  by アルフレッド・マーシャル

資本主義とテクノロジーときくと

人間の強欲さ、貪欲さが自然を壊すような

あまりよろしくないイメージをもっている。

しかしこの2つは希望の騎士に入っている。

例えば

農業生産性の向上でいうと

テクノロジーの発展(肥料、機械、AIなど)により、

作付け面積は減少傾向にあるが、

生産される農作物の量は増えている。

アルミ缶の話でいうと

昔よりもめっちゃ軽くなってる。

初アルミ缶85㌘→最近のアルミ缶12㌘

身近なところでいうと電子機器の集約がある。

昔あった様々な機器は、iPhone1台に集約されている。

電卓、電子辞書、カメラ、ゲームなどなど。

これはより少量でより多くを得ているわかりやすい例だ。

著書によると、石油の使用量も2028年にピークアウト予定で

石油自体も「水圧破砕法」という漫画の必殺技みたいな

テクノロジー技術によって十分確保できるそうだ。

また、人類のすごいところは

「ないならないなりになんとかする」

その縛りや制限が、イノベーションにつながる。

資本主義による競争が生産性の向上や

新たなテクノロジーを次々に生み出し

コストの高い「地球資源」をどんどん使う方向とは

逆の方向にむかっていく。

それが「脱物質化」へとつながっていく

自然界が人類に制限をかける時代から

人類が自然界を支配する時代を経て

ぼくたちは次の時代に突入している。

ぼくたちは歴史の教科書で

「工業化が犯した過ち」を学んできた。

SDGs(持続可能かな開発目標)を目指して

今関わっている仕事(営利、非営利に関わらず)を通して

MORE from LESSの世界をつくっていく。

地球に「人類意外といいやつやん」って思われる未来へ。

#読者 #推薦図書 #書評 #経済  
#資本主義 #アンドリューマカフィー

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