本の棚 #43 『ほったらかし投資術』
『ほったらかし投資術』全面改訂版
山崎元
水瀬ケンイチ
お金の勉強コーナー、投資シリーズ。
投資に関しては本屋さんでも
溢れるほどの書籍が軍隊のように整列している。
その整列している様を眺めているうちに
「この軍には隙がない、退散じゃ」
と投資本コーナーから離れていく人を見かける。
けれども興味がある人は年々増えているし
国策もあいまって、確実に増えていくだろう。
そんな風向きの中でも
人生最後まで逃げきるつもりか
立ち向かって少し勉強を始めてみるか
数年前、ぼくは後者の選択をすることに決めた。
「知らないからやらない」は賢い選択とは
やはり思えず、知ってみようという姿勢は
大切にしていきたい、そういうスタンスなのだ。
やるやらない、できるできないは置いておいて
「知る=勉強する、知識を得る」
そこに使う時間を惜しまないこと。これも投資か?
それが自分の世界を狭めず、
少しずつ広げていくことにつながる。
『ほったらかし投資術』では
IT企業サラリーマンの水瀬さんと
(インデックス投資のブログを書かれている)
経済評論家、証券マン山崎さんの共著であり、
できる限り手の掛からない投資術
としてインデックス運用を紹介している。
具体的なノウハウについては著書を読んでほしい。
投資による夢を語る本ではなく、
かなり現実的な本だと、ぼくは感じた。
ノウハウは最高に簡潔にまとめられているので
要約はしない、というかできない!
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手数料コストは投資家にとって「確実なマイナスリターン」
手数料はバカにできない確実にかかるお金だ。
この確実にかかるものをどれだけ抑えられるか、
店舗ビジネスにおける家賃、
個人の生活における携帯代金、のようなもので
固定費と捉えてもいい。
このあたりに疎いと知らずしらずのうちに
損をしている、していくケースが多い。
投資において不確定要素はたくさんあるけど
この手数料だけは決まっているので
窓口にいかず、ネット証券に口座を持つこと。
これは基本中の基本のようだ。
運用プロセスは家電製品を買うのと同じ
内容は長くなるので割愛するが
このように身近なものやことに置き換えて
わかりやすく説明できる能力は重宝される。
(悪用するととんでもない詐欺事件になるけど)
池上彰さんの説明は、このような例え話が
一般人の身近なものだからわかりやすい。
これは専門的な分野だからこそ重要で
情報におけるわかりにくさは
生活者に対してバリアをつくってしまったり
下手をすると誤った解釈や噂が世に流れる。
投資に限らず、コロナや原発などについても
「〇〇らしいよ」という類の情報には要注意。
あっ、話が逸れてしまった。
インデックス運用、3つの長所
①手数料が安い
②分かりやすい
③負けにくい
これまで書いてきた2つの条件をスルッとクリア。
そして負けにくいという安心感。
めちゃくちゃ勝てるけど、めちゃくちゃ負ける。
そんなギャンブル性の高い投資がしたい人には
おすすめではない、ということでもある。
ちなみにインデックス運用の短所はというと
①お金を殖やすのに時間がかかる
②退屈
ん〜もーまんたい(無問題)だ。
ということはぼくは、いやわりと
多くの割合の人はインデックス運用に
向いているのではないかと思えてきた。
むしろギャンブル性があってドハマリしてしまい
投資、お金のことが頭から離れないほうが
よっぽどつらい気がする。
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この他におすすめ銘柄の紹介や
DCやNISAについてもわかりやすい説明がある。
本書の優れた点は共著であることによって
あまり行き過ぎた「絶対これ!」みたいな
押しつけ感がなく、メリットとデメリットを
バランス良く並べてくれているところ。
どんな選択をするかは自分自身、家族と
話し合って決めるといい、そんなスタンスだ。
投資入門書としてはいいかもしれない。
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