本の棚 #180 『トヨタの段取り』
違う業界での取り組みを
自分の業界に置き換えて考えてみると
イノベーションが生まれるかもしれない。
トヨタという世界トップの自動車メーカーの
常識、文化、メソッドから
何か小売ビジネスに取り入れることはないか
そんな思考で手にとってみた。
「段取り」という言葉は
大工さんである父親の影響で
小さい頃からよく耳にしていた。
仕事の良し悪しは「段取り力」。
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段取りよく仕事を進めるポイント、
それは問題をあぶり出して正確に捉えること。
この時に「対策」を同時に考えてしまうと、
解決できそうにない、という思い込みから
本当に起きている問題が
正確につかめないことがある。
そして解決できそうな問題を
たとえクリアしたとしても
大きなブレイクスルーは起きない。
まずは対策は横に置いておいて
問題を正確に定義することに集中すべし。
本書では「運搬のムダ」として
歩行、モノの運搬、情報の流れについて
それ自体が価値を生まないもの、としている。
これを小売の現場で考えてみると
接客をする
↓
商品資料をとりにカウンターに戻る
↓
見積もりをつくるためにカウンターに戻る
↓
伝票を作成するためにカウンターに戻る
↓
お会計をするためにカウンターに戻る
というように一度の接客のなかで
何度もレジカウンターに戻ることが
当たり前になっているように感じた。
これらの業務フローを一筆書きで、
と考えることは、これまでにない
ムダの排除につながる可能性がある。
内段取りとは
その人、その場所、そのタイミングでしかできない段取り
外段取りとは
作業の前後やその人以外にも可能な準備
全体の作業時間短縮のために
①まずは内も外の仕分けをする
②内を外に移す
③内の時間を短くする
④外の時間を短くする
という4つのステップが必要だ。
②の内段取りを外段取りに移すという点は
見落としがちではないかと思う。
その人しかできない
その場所でしかできない
そのタイミングでしかできない
本当にそうだろうか?
事前にできること、つまり外段取りに
移動できることはないか。
そうやって仕事を分解してみて
ああでもない、こうでもないと
実験のように取り組んでいく過程は
やっぱりおもしろいものだ、
一周回ってそんなことを感じさせてくれた
『トヨタの段取り』でした。
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