見出し画像

本の棚 #93 『一生、同じ会社で働きますか』

『一生、同じ会社で働きますか』
山崎元

未来のことは誰にもわからない。
本人が働くつもり満々でも会社が倒産したり、リストラせざるをえなくなったり、そんなことは日常茶飯事になっている。

本人の気持ちが会社から離れて別の居場所を探すことも、昔に比べると「当たり前」になってきているし、前向きな転職なんてたくさんある。

「選択できる、選択しやすい」世の中になっているからこそ、意識的に、いや戦略的に選択することが大切だ。
裏を返せば、世の中的には「自分で選んでね」ということなのだ。

自分の人生をよいものにするために、同じ会社で働き続けられないとなったときにどうするかという「準備」はしておいて損はないだろう。

著書には転職における哲学、人生設計、作法、心得
をテーマに筆者の経験談を交えて語られている。

−−−−−−−−−−−−−−

1度転職を経験すると、会社と自分との「距離感」のようなものがわかる

ぼくは一度も経験していないけど、まわりが辞めていくということは、みんな転職しているということだ。
「ところでさぁ、距離感わかった?」という質問をしてみたい。どうなんだろう。

前の会社では距離が近すぎた、遠すぎたみたいなものがあるのだろうか。ちょうどいい距離感、それがあるとしたらとても興味深い。

「会社は取引先、同僚はお客様」

こんな感覚で働くと距離感的にはいいんではないかと筆者は言う。あまりに家族感が強すぎると甘えが出たり、余計な不満が出てくる。

転職においても「株式会社じぶん」の主要取引先が変わるようなもので、大きな出来事ではあるがビジネス上は大いにありえることなのだ。

会社を特別なものと考えすぎると、それが無くなったときのダメージが大きい。
安西先生不在の湘北高校のようにあたふたしないためにもやはり、主要取引先に頼りすぎることのないようにまわりにも目を向けていきたい。

転職にあっては、転職した後にどうなるかということが一番大切だ

筆者は自発的な転職の理由にあって実質的に最大のものは、人間関係ではないかと述べている。

また人間関係です、アドラー先生!
まわりで去っていった人たちを思い返すとそれは否めない。良好な人間関係を築けなかったと言えば、そうなんだろうと思う。
多くは「会社や上司、同僚への多大な期待」があったために不平不満がとまらなくなり、爆発してしまったケース。

そのパワーを仕事に向けることはなかなかできず、感謝する機会がどんどん減ってしまった結果、最終的には「そこで働く自分」が嫌になってしまう。

どんな仕事をするかも大切だけど、誰と仕事をするかも、やっぱり大切だ。

35歳くらいまでに単純に他人の指示の下に使われる仕事ではなく「自分にはこの仕事ができる」という仕事を確立することができると理想的だ

目安の35歳まであと2年ちょっとか。
「この仕事ができる」も自信をもって言えるには今回のプロジェクトをやり遂げる必要がある。

これをやり遂げることが自分の仕事観を大きく変えてくれるように予感している。だからわくわくしているし、不安なところもある。

慣れた仕事をずっとやり続けるのは性に合わない。
いろんな環境、人、仕事に巡り合わせてくれていることに感謝する。


「仕事の意見は大きな声で言え。そして誰にでも同じことを言う。相手によって言うことを変えてはいけない。それとあと一つ、あいつはちょっと可愛いところがあるなぁと思われる何かがあれば、鬼に金棒だ」

筆者の先輩からの金言だそうだ。

意外と同じことを言える人は少ないことに、組織にいると気づく。やはり長い物には巻かれろ的な精神があるからだろうか…
「えっ、さっきと意見変わってるやん」みたいなことはたくさんある。多くの人はそんなもんなんだと思う。

だからこの金言を実行できるような人はスーパー少数派で、組織の上に立つべき人なんだ。

おまけのあと一つが備わっている人…たしかにいるな。可愛いというか人間味?のようなものを感じる人が。

どうやったらあの人間味みたいなものがにじみ出てくるのだろう。味付けのレシピがあれば教えてほしいものだ。

「ガリガリ君〜深い人間味〜」

赤城乳業からそのうち発売されることを願う。

−−−−−−−−−−−−−−

#読書 #推薦図書 #会社  #転職 #ガリガリ君

#30代 #仕事との距離感 #選択の自由

#人生の戦略 #スキルアップ #山崎元

この記事が参加している募集

#推薦図書

42,681件

サポート頂いた分は全て書籍代として本屋さんに還元します!