本の棚 #150 『営業はいらない』
い、いらない?
ちょっと待ってくれ。そんなバカな。
焦る必要はない、というより
ジタバタしても無駄だ。
そんな世の中はもうすぐそこにきている。
現に営業なしでも活躍している会社はあるし
逆に従来どおりの営業のおじさんは減っているそうだ。
その中で営業マンはどう生きていくのか
そんなアドバイスまで記されている。
『サラリーマンは300万で小さな会社を買いなさい』の著者が送る一冊。
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トップの生み出す戦略の不在によって、川下での総力戦を余儀なくされている。
と、日本の現状を表現している。
大量生産大量消費の時代の中で
機種を増やす、機能を積み増すなどの
「足し算型の戦略」を採ってきた企業が多く
そこから抜け出せない。
例えばテスラ社は車種も数種類なのに比べ
日本の自動車企業は50種類を超えるそうだ。
いろいろ増やしすぎたことで
「わかりにくさ」「煩雑さ」が生まれ
営業、コンサルが要るよね、というのは
なんとも不便な話である。
いかに戦わずに勝つのか、という
孫子の兵法に書かれていることを実現するために
ぼくらには何が必要なのだろうか。
それが「エクスペリエンス思考」だ。
ユーザーが得られる「体験」や「感動」を想像しながら製品やサービスの開発に当たるのが「エクスペリエンス優先型の発想法」
スタバの元CEOシェルツ氏は
店作りの際にこう考えた。
「スターバックスを訪れたお客様に、どういう体験を提供したいか?」
美味しいコーヒー
オシャレな内装
低価格なサービス
そんな方法論ではなく
「お客様にとっての家や会社や学校とはまた違う、心地よく過ごしてもらう第三の居場所を体験する場」
とコンセプトを掲げていた。
このコンセプトから戦略、商品、空間を考える。
どんな体験ができるのか
どんな感情を動きが得られるのか
その琴線に触れるものやサービスが
営業不要な世の中を生むのだろう。
競合のいない青い小さな池を生み出す
「ブルーポンド戦略」
レッドオーシャン、ブルーオーシャンの
説明は省くことにする。
ブルーオーシャンにおいても
いずれは模倣されてしまうという弱点を
どのように回避するか、ここがポイントだ。
第一のミッションは
「規模の小さい市場での独占」
最新型のビジネス手法を
市場の小さな地方都市に導入したり
ニッチな業界に取り入れる。
そうすればそのジャンルで1位になれる、
その可能性は都会のど真ん中でがむしゃらに
やるよりも高くはないだろうか?
第二のミッションは
「身近な範囲で高い顧客ロイヤリティを生み出す」
つまりファンをつくる、ということ。
熱量を高める、これは自分も顧客も。
参加したい、応援したい、宣伝したい、
とてつもない熱量は流行りとは異なる。
芯から熱くなるような感じで
なかなか冷めない。
それどころか熱さは増すばかりだ。
ファンがファンを呼ぶのだから
さよなら営業マンなのだ。
営業マンによる小商いのすすめ
ではどうする営業マン。
そう、ブルーポンド戦略をもってして
小さな商いをスタートするのだ。
その能力は営業マンをしていたあなたなら
もう身についている可能性は高い。
決して大きな事業をしろというわけではなく
小さくてもいい、都会なんて関係ない、
「地方×ファン」
これがキーワードな気がするな。
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