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30年後‐2050年への人間らしさとは

  先日ニュースでNTT西日本社員が30年前に埋めたタイムカプセルを掘り起こしたという映像が流れてきました。30年前というと平成始まったばかり、中から取り出されたのはポケベル、大きい携帯電話、ゲーム機やソフト「ドラクエ4」・・・・当時、我々は30年後、今のスマートフォン、どこででもネットにつながる状況、環境破壊、SNS。。。。このような世界が想像できていたでしょうか?

https://news.yahoo.co.jp/articles/1bd457a4bc854c95b941356913d7a9d7ff973a00

 そんな中手にした本が、『私たちはどのような世界を想像すべきか』‐東京大学教養のフロンティア講義 東京大学東アジア藝文書院・編 です。これは東京大学の講義を文書化したもので、医療・小説・脳科学・ディストピア・AI・人新世・世界哲学・・・・様々な側面で語られています。これは2020年の講義なので、もちろん我々人類が直面した新型コロナ蔓延の状況を踏まえたお話が多かったです。

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   最初読み始めた時は、ちょっと難しくて「あーやっぱり東京大学だけあって、ちょっとついていけない・・・・」と思いましたが、読んでいるうちに「そういう考え方もあるんだ」と思う文章ばかり。我々人類がVUCAの時代、AIの時代をどう生きていくのか、その中で人間らしさとは何なのか。例えばこんな文章がありました。

 『しかし、不確実性はわるいことばかりではありません。他者との出会いにおける偶然性と非決定性があるからこそ、私たちは新たな世界のあり方を想像、創造することができるのです。(中略)人新世の時代はまさに、確実だと思っていた世界が不安定となり、人間と世界のあいだに大きく開いた深淵がみえてきたときです。深淵をこそ、きちんと凝視する必要があります。(中略)その深い暗闇からこそ、新たな認識と思考のための光が生まれます。この不気味で思考不可能な現実は、ぬるま湯につかった私たちを揺り起こし、新たなる不確実性の想像力を磨くための大きなチャンスとなるのです。』

 『人間として生きるということは、この世界をより効率的に統御して、生産性をあげるといったことでは決してありません。むしろ重要なのは世界を経験し、注意深く意識し、他者と共に生成変化していくことだと思います。』

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 本全体を読み終えて、何となく、「効率的」だの「人事生産性」だの「利益」だの資本主義経済的な側面にちょっと限界を感じました。それと、今だからこそ、右脳的側面と左脳的側面のバランスが大事だと言われている感じがしました。『想像力』が大事だと言っている事、その為にはやはり芸術や文学は大切である。エビデンスは大切だが、メディアなどに取り上げられている数字やグラフは何らかの意図があって使用されているのでそれを読み解く力が必要であるという事。(『FACTFULLNESS』にも同じような訴えがあった気がします)2050年、我々はどんな生活をしているのでしょう。 その中で人間らしいとは、我々人間は理性ではなく、『想像・創造できる』という事ではないでしょうか。

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