見出し画像

ゆっくり撮る【フォトグラファーの歩み#9】

パシャパシャとにかくシャッターを押しまくる。数を稼ぐ。
早く上達したかったので、これまで質より量を意識していたが
ある程度落ち着いてきたので
最近は「ゆっくり」撮ることも意識するようになった。

猫じゃらしがいっぱい
シロツメクサもいっぱい

前よりもゆっくりと、周囲を・足元を見渡す。光の向きや当たり方を注意して観察する。ファインダーを覗き、すぐにはシャッターを押さずゆっくりと構図を決める。露出や絞りをゆっくり色々変えてみて、違いを見ながらシャッターを押す。

そんな風に撮ることが、少しずつできるようになった。

「何をどのように写したいんだろう」と、自問自答しながらシャッターを切る。
前は何も考えず、なんとなくの感覚に頼ることが多かったが、
今は「〇〇な感じにしたいから、構図はこうで絞りはこうで・・」と頭が少しずつ回るようになってきた気がする。

撮り続けるうちに、どういう風に撮りたいという目的意識が生まれたようだ。
自分がどんな写真を良いと思うか、撮りたいと思うか。
自己理解が深まった結果かもしれない。他者の色々な写真を見ることでもそれは養われている。

子連れで写真を撮るときは別だが、一人でゆっくり撮る余裕がある時は
自問自答を繰り返す。その効果なのか、無闇にシャッターを切らなくもなってきた。(それでも数百枚撮ってたりするけど・・)

植物がまるで合唱団のように横に広がって並ぶ様子が健気で可愛いなと思ったり
風にたなびくアダンの葉と、飛行機雲のコラボがかっこいいなと思ったり

人々が以前のような活気を取り戻して、波飛沫をいくつも上げながら
海に描いた軌跡がいいなと思ったり。

「ああ、いいな」って、心が動いた自分を俯瞰するもう一人の自分がいる。

また一つ、写真の面白さを知った。写真を撮ることは、自分を知ることなのかも。

ゆっくり、自分と対話しながら、これからも写真を撮っていこう。

2023.03.22
Yukari

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?