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コロナ禍のコスト高と再エネプッシュ→??

願っていることを叶えるために、我々は何を犠牲にするのだろうか。そんな答えの一面を垣間見えた気がしている。

ここで言っている、願ってきたことは下記の2つ。

①足元では、リーマンショック以来金融緩和を通じて、中央銀行が望んでいたインフレが、需要高からのインフレ(良いインフレ)ではないが、コスト高によるインフレ(悪いインフレ)ながら、実現されそう。

②パリ協定を始めとする、コロナ禍の気候変動への意識向上から、地球温暖化抑制の為のカーボンニュートラル(二酸化炭素の実質排出ゼロ)への流れも強くなっている

①と②がどういうことかに関して、下記投稿や記事をご覧いただきたい。

①に関して、過去投稿でも書いてきたように、コロナ禍で世界中の中央銀行が大きな金融緩和へと動き、結果的にインフレになってもらいたい、と願っていました。そこに、コロナ禍での海運の供給減による運賃高や、ESG投資の反動や急速な景気回復による石油ガスの価格上昇が相まって、コスト高という構造で既に欧米の先進国にインフレという形で表れている。

②に関しても、温暖化加速を抑制するには大国の大きなコミットメントと実行が必要、と書きました。二酸化炭素の排出での大国である中国は、二酸化炭素を大きく排出させる石炭火力発電の海外での建設中止に加えて、自国でも石炭火力発電の出力抑制へと流れていった。それに伴い、中国では電力不足が起こり、安定的な電力が必要な製造業に大きな影響を与えている。

中国で電力不足が起きたのは、習近平(シー・ジンピン)国家主席が掲げた「30年までに二酸化炭素の排出量をピークアウトさせ、60年までに実質ゼロにする」という目標の実現に向けて、地方政府が懸命になったためだ。多くの地方政府はこれまで、新型コロナウイルス禍で低迷した地域経済の立て直しに向けて、工場の操業など経済振興を優先してきた。ただ習指導部が一転して二酸化炭素の排出量抑制にカジを切ったことから、環境対策の強化に動き始めた。この結果、石炭を主燃料とする火力発電所が発電抑制を強いられた。火力発電は中国の発電量全体の7割近くを占めるだけに、深刻な電力不足を招いた。

①と②が望んでる直接的な結果(インフレ助長と二酸化炭素の排出削減)へ方向性が取れている、と考えられるが、同時に下記記事のような社会問題も起こるのかな、と感じた。

それは世界全体でも、先進国内でも、富を持っているものの富がさらに拡大し、貧富の差が一段と拡大していること。そして貧富の差が拡大しすぎて、新興国の方々には収入源や教育損失、またIT設備の高騰とITにアクセスもできない方々の教育機会喪失も相まって、格差が縮小するのが予見できないくらいまで、広がってしまったということだろう。

そして米国の若者世代になればなるほど、同国が誇りに思ってきた資本主義ではなく、社会主義へ肯定的な見方を増やしているようである。『隣の芝生は青く見える』現象かもしれないが、コロナ禍をきっかけに、その社会主義思想へのシフトも加速しそうな気がしてきた。


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