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逆張り示唆?!

2020年6月28日に連邦破産法第11章(所謂チャプター11)を申請して、破綻整理を始めた、チェサピークエナジー。米国のシェール石油・ガスという分野で知らない方はいないのでは、というぐらいの会社で、Economist の記事にもありますが、日本語で言うところの”地上げ屋”に近い感じで、優良なシェールガス権益(上流)買い集めて、資源を抽出し、また投資家からも資金を集めて更なる土地・権益買収に、といった具合で、名を挙げた会社でした。

またもう少しマクロでみると、北米でシェールガス・オイル革命が起きたことで、米国がエネルギー純輸入から純輸出国に変換する、という国家戦略として180度方針転換を可能とさせていた、とも言えます。

で、足元の市場のほうですが、原油価格の低迷やチェサピークが破綻したことからも分かるように、天然ガス市場もかなり供給過剰となっている模様。下記JOGMECのレポートからもあるように、北米発のLNGは輸送費かけても、現地の天然ガスより”逆さや”になるという現象が起き、LNG船がキャンセルになるとか、北米のガス市場は”スイングプロデューサー”となっているようです。

一方で、既に生産を行っているカタールなどの中東は生産継続、ロシア・オーストラリアもLNG生産を計画していたことから進める、といった具合だそうで。需要側は、中国が2023年には最大のLNG輸入国になり、またインドなど東南アジア・南アジアが成長の中心、ということで、各国のLNG受入れなどが今後の伸びがみられるところでしょうか。トータルで見ると、天然ガス市場の供給過剰はこれからも続きそうですが、また国家戦略やエネルギー・環境政策(パリ協定など)への影響もみられるかと思います。

そんな市場でおいても面白いなと思ったのが、2020年7月6日に天才投資家といわれているバフェット氏がドミニオンエナジー社の天然ガス輸送・貯蔵事業を負債も含めて、97億ドル(約1兆380億円)で買収すると発表しました。

所謂パイプライン事業への投資なので、米国内で常時一定程度の需要があり、上流のような原油やガス価格の変動リスクを受けにくい、といわれていますが、エネルギーセクターのバリューチェーン内には面白い投資機会があるので、もしかして今からでも、なんて思いました。

日本に置き換えると、上場株式銘柄でバフェット氏のような投資ができる先はないかと思いますが。一方でガスのバリューチェーンと考えると、下記Noteに投稿させてもらったように、石炭発電が今後減少となり、原子力も再開見込みが明るくないわけですので、やはりLNGを使用した火力発電の増加が見込まれ、その為に現状以上のLNG受入れターミナルの増築が必要、ともいえるのではないでしょうか?でもこれまでもそんなに出来てきたわけではないんですよね。。。

#COMEMO #NIKKEI

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