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エネルギーミックスの再考

日本のエネルギーミックス(政策)について、最近ちょっと進展があったので、続編として書いてみようと思います。前回Noteは下記をご確認ください。

2020年7月3日の記者会見で梶山経済産業大臣が、2018年に策定されたエネルギー基本計画における「非効率な石炭火力発電のフェードアウト」の具体的な施策を検討、という話から、2030年までに9割程度の非効率石炭火力発電を休廃止を目指す、と仰ったそうです。

ここでいくつか問題が出てきます。本施策は、2018年から出ていたエネルギー基本計画に示されていた内容である為、それ自体には驚きはないものの、①電力会社の経営、②新たなベースロード電源の模索、そして③高効率石炭火力のCO2排出量、に関して疑問が出てくるようです。

①.電力会社の経営へのインパクトですが、下記記事にもあるように多くの会社の収益源となる電源ソースであること、改修しながら今まで使ってきたことが今後できなくなるかも、という事態であること。

②.1番や前回のNoteに繋がるところもですが、原子力発電の大きな再開めども立たずの状況で、石炭火力も廃止となると、ベースロード発電はどうするんでしょうか?梶山大臣は再生可能エネルギーを主力電源化したい(ベースロードとは言ってない)と仰っている一方で、日経さんの言う『現時点で有力な代替電源は見当たらない。』が重要ですね。現段階での代替が例えLNGだとしても、受入れターミナルやタンクの急速な設営が必要でしょうし、各電力会社ができるわけでもないでしょうし。石炭や原子力火力の発電比率が高かった発電会社ほど、このような施策(9割、非効率な石炭火力の削減)からの負の影響が大きくなるでしょうね。

③.高効率と非効率の石炭火力発電のCO2排出量ですが、どうも大差?ない、みたいな記事もあり。もしそうであると、なぜ高効率ものだけ残すんですかね、的な話になりますよね。

加えると、下記JOGMECのレポートにもあるように、エネルギーメジャー(BP,Shell,TOTAL,EXXON)も将来の成長は電力事業であり、再生可能エネルギーの普及や投資、カーボンプライス導入などを通じてCO2削減へ取り組むとは言っているものの、具体的なプランというよりかは、まだまだアイディアベース、を超えてないなと感じました。

この度の梶山大臣の発表自体は、(前日にニュースでリークされていますし。。)パリ協定に向けて日本政府として政治的な意欲を見せる以外は、あまり内容があるわけではなかったのかもしれませんが、私が勘繰るに、原子力発電再開の機運を少しずつ助長したい、という”裏の裏”の事情もありそうですね。

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