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さようなら せんせえ【詩】

生きるの やっぱり疲れますね

ずっと眠たくて 頭がまわらなくて
自分が立ってる場所すらわからなくて
でも好きに眠ったら 私は


せんせい せんせい
どうして どうして


口でいくら『はい』と言っても
心は反発して うじうじ悩んで

感情的に責められても
理屈っぽく諭されても どちらも
私にとっては窮屈です

身体をあずけて あたたかい中
ぐっすりと 雲が去るまで
雲がいっても 風がふくまで
ぜんぶ先伸ばしにして どこまでも

終点の存在しない電車の中を 私は
ゆられて ゆって 肯定してください
ずっと堕落を許してください

虹がでたら 歩きますか?
つやつやの草花 雨あがって 新鮮な
息吹を肺に取り込めば 歩けますか?

そうしながらも 私は
次の空模様を気にして 次第に視線は
靴の汚れに 洗う手段を知らないで
許してください せんせい

くちづけをしましょう
でもその手は ゼッタイ緩めないで
ほんの一瞬 私を手放そうとしたならば

ひらひらと あそこの蝶のように
蜜を吸うだけの 気怠くミジメな生が
ちから尽きるまで ずっと 私は


よくできました せんせえ


今日は 虹を 
そして 明日を
どこかに向かう電車に

手を振って かたぐるま
無邪気にはしゃぐ せんせえ
その表情を 曇らせるのは 私なんだよ?

夕焼けの中
手を繋いで帰るころには 私は

汚れた靴 あと 穴に消えるムカデ
ちいさく バイバイって
んーん せんせえ
なんでもないよ


また明日 さようなら


あっさり離された 手
とっておきのレシピ
身体を重ねて 冷たく

どこにも行かない電車が
私の上を横切った


さいごに私は
何を思ったでしょう
もし 知りたければ

私の【 なか 】に
くちづけをしましょう

宿題です




せんせいシリーズ

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