2022年 7月のE-1選手権の位置づけ

まずはメンバーを

☆はA代表初招集
GK  大迫敬介(広島) 
  谷晃生(湘南)
  鈴木彩艶(浦和)☆

DF   佐々木翔(広島)
  谷口彰悟(川崎F)
  山根視来(川崎F)
  畠中槙之輔(横浜FM)
  小池龍太(横浜FM)☆
  中谷進之介(名古屋)
       荒木隼人(広島)
       大南拓磨(柏)☆
       杉岡大暉(湘南)

MF  水沼宏太(横浜FM)☆
       宮市亮(横浜FM)
       橋本拳人(神戸)
       野津田岳人(広島)☆
       脇坂泰斗(川崎F)
       藤田譲瑠チマ(横浜FM)☆
       相馬勇紀(名古屋)
       岩田智輝(横浜FM)
       森島司(広島)
       満田誠(広島)☆

FW  武藤嘉紀(神戸)
       西村拓真(横浜FM)☆
       町野修斗(湘南)☆
       細谷真大(柏)☆

予想スタメン

GK 大迫or谷
CB 谷口(畠中などにしてほしいけど)、中谷
SB 山根or小池、佐々木or杉岡
DH   橋本or岩田(SBでみたい)、脇坂or藤田
WG  水沼or相馬、宮市or満田
ST 西村or森島
CF 武藤(町野)

と予想しました。

まずはメンバー発表の個人的な感想


・好調の選手を呼びきれていない。
・選手には失礼だがW杯本選に組み込むかもしれない選考ではない
・復帰の選手の呼ばなかったブランクが長すぎる。
・なぜか2位の鹿島から一人も呼ばれていない
・いい選手だが彩艶などの招集理由が不可解
・古巣広島への忖度召集という声も出そう
・好調の呼ばれるべき選手がそれでもまだまだいる
・やはりポゼッションサッカー、可変、ポジショナルプレーへの理解が浅い
・選手依存の旧式サッカーで攻守のプランを考える気がない


などを思いました。

ではそれぞれについて考えを書きます
 ・好調の選手を呼びきれていない
これについてはいちゃもんだと言われても仕方ないのですが、サッカーがチームスポーツなのでコンディションのいい選手を集めるのが先ずはセオリーです。ですが調子の良しあしは人によって選考基準が違います。欧州組と酒井や長友、大迫勇らは呼ばないと監督は前もっていっていました。全てのJ1の選手(本間や渡井などが欧州に渡りましたがJ2の選手でも呼ぶべき選手はいたはず)をフラットに見ることができない。好調のマリノスから呼ぶという素人でもできる選考になったのだと思います。ですからこの選手を見たかったみたいな意見は当然出てきますが真面目に意見をするだけ無駄で監督の思考にやりたいサッカーやそれに合いそうな選手、あるいは指示次第でそれに合わせる事の出来る柔軟な選手という選考基準はないのでしょう。史上初めてコンセプトがない代表ですからそれに合いそうという選考基準はありません。


 ・なぜか2位の鹿島から一人も呼ばれていない
これついても上記と同じ理由でと思います。会見で記者に聞かれていますがこう話しています。
「鹿島も非常にインテンシティが高く、攻守ともにアグレッシブな良いサッカーをしていると思っています。鹿島の選手も候補として見ている段階では、数名の選手をリストアップしていました。しかし実際、この選考のタイミングで移籍などの理由があって選べなかったというところもあります」

うーんとこのタイミングで鹿島から移籍したのはベルギー行きの上田絢だけですね。国内移籍も誰も鹿島からしていません。つまり他の候補は呼ぶ気がないという事を暗に言っていると捉えてもしかたないですね。鈴木優磨にまぁリーグ得点王でもないので森保さんが呼ばないのはわかります。(アシストも多いので最早監督がヒヨっていると思いますが)。荒木、常本、関川、樋口らは代表歴がないので、呼ばないのもまだわかりますが他のチームから同様な状況の選手を呼んでいますからこれもただの言い訳です。安西、三竿、土居ら代表経験ありの選手たちすら呼んでいません。森保監督は鹿島の選手を使いこなせる自信がないと思った方が納得できますので、そう思うしかないかと思います。



・復帰の選手の呼ばなかったブランクが長すぎる。
今回呼んだ選手で1年以上前回の招集から呼ばれなかった期間がある選手ですが、畠中、荒木、岩田、杉岡、橋本、森島、荒木、杉岡、宮市らが試合出場(荒木などは招集のみ、コパアメリカ組は19年12月以来で宮市に至っては2012年以来)から暫く呼ばれていません。これは森保監督が選手を固定化している事とプラン無しなのでいいパフォーマンスをするしかないことによるものです。森保サッカーはこれをするというものがあればそれに合う選手を呼べばいいですし、合わないだろうと思った選手でもうまく適応したりという事があり得ます。選考の指標・基準が曖昧(少なくとも森保ジャパンにはない)で方向性・方針がないのでブランクが空いたのだと思われます。上記の選手は呼んだ直前はいいプレーをしていましたが継続的に呼ばれていないのはそういった観点があるのだと思います。あくまでも森保基準ですが。。。


・いい選手だが彩艶の招集理由が不可解
鈴木彩はガーナ人の父親から受け継いだ身体能力もあり非常にスケールの高さを伺えるGKで私も将来的にはベンフィカの小久保選手や、ブレーメンYの長田澪などと一緒に欧州でも活躍できるポテンシャルがある期待している選手です。でも21年度からトップ昇格を果たし、昨年のリーグ戦出場は6試合のみ今期も21試合終了時点で1試合もリーグ戦に出ていません。発足から3年半で今までもリーグ戦での経験の少ないけど期待したい選手を継続的に呼んでいる。(もしそれがあってもカタールに行く可能性が極めて低い選手を半年前に呼ぶのも不可解)もしくはベテラン等で所属先で出番が得られてないけど代表に呼んでコンディションを見たいという理由ならわかりますが今回の彩艶選手はどちらでもありません。同じ浦和ならミレッコーチの下で復活した印象もある西川選手の方が納得がいきます。結局のところ本質的に明確な選考理由がない監督なのです。



・古巣広島への忖度召集という声も出そう
大迫敬介、佐々木翔、荒木隼人、野津田岳人、満田誠、森島司
の6名を呼びました。マリノス勢が7名で最多ですがそれに次ぐ人数が広島勢です。
 GKで長友らと同じ理由で権田を呼ばないとすると大迫敬と谷晃生は東京世代でもっと安定した出場機会をリーグで得ています。なので異論はあまりありません。
 佐々木翔についても他の記事で理由を説明しましたが3バックのSCB・SWで国内屈指の守備力と考えると決して不要論を出すほどではないです。SBで使わないなら、あるいは右肩偏りの戦術ならという条件付きとなりますが。
 荒木は前回の招集は19年のルーキーイヤーですね。競り合いに持ち味のあるタイプです。谷口や植田などの競るタイプを、中谷や瀬古などの読むタイプ、組み立てるタイプより使いたがる森保監督なら使いがちですので広島で主力にすでにずっとなってますから決して明らかな??が付くものではないです。多くの人が神戸の菊池に待望論をあげると思いますが同クラブがリーグ戦で下位に沈んでいたり、菊池のがっつきすぎてスペースを空けすぎてしまう事を考慮すればW杯まで5カ月のタイミングで呼ぶのは恐ろしいとさすがの森保判断したのでしょう。大南や荒木は谷口と競わせて、欧州組含めたCB陣に有事があった時の控えに使うのではないかと思います。
 野津田の選考が今回の疑問点の一つでしょう。リオ世代を牽引する左利きの選手で、中田英寿、本田圭佑の系譜継ぐ選手として期待をされてきましたがシャドーなのか3列目なのか1stポジションが決まらず、複数クラブにレンタルを繰り返してそれでも定まりませんでした。甲府で何かを掴んだのか、スキッベ新体制でボランチに定着今期の広島の上位進出に貢献はしていると思います。ただ多くの識者やファンが国内選手でボランチだと橋本、脇坂、大島、稲垣、原川あたりが真っ先に候補になり、パリ世代なら藤田ジョエル以外なら川崎颯、田中聡、松木、松岡などがあがります。野津田選手が嫌いではないですが、待望論のある川崎の橘田や鹿島の樋口らより優先されるのが解せないです。せめて共に呼ぶとかしてれば別ですが。
 満田は5G5A、森島(若手主体とは言え前回のE1時に呼ばれたのは理解ができない)も5Gと数字を残して好調なのですから呼ばれるのは理解できます
 いずれの選手も明確な理由が言えるので批難は今回に関しては的外れですか。でもであればWBで躍動している俊英の藤井はなぜよばかったのでしょう。フォーメーションも代表は433で数字的には出ていませんが伊東頼みとなっている右のWGに起用するに興味深いです。酒井や山根、室屋は純粋なSBですので守備に軸がありますがW杯の登録が26名と通常より増えた以上ジョーカーとなる選手にその枠を与えるのは悪い選択肢ではないはずです。


・好調の呼ばれるべき選手がそれでもまだまだいる
上田が欧州行を決めたので呼べない。そうだとしてもJ1得点ランクだけでも。21節終了時点で日本人選手の得点。

西村、町野が8点。
鈴木優が7点。
細谷、山岸が6点。
家長、鈴木雄、武藤嘉、森島、満田、垣田、菅が5点。

となっているわけです。全員呼べないとはいえ、7G7Aのリーグで最も点に関与している選手が呼ばれていないのはやっぱりおかしいですよね。一度向き合って直接問題を起こしたわけでもないのに何で呼ばれないのか、もうこれはただヤンチャな生徒をイメージだけ毛嫌いしている先生みたいなになっていると思います。武藤や鈴木雄(FWじゃないので呼んでも面白かった)、菅は所属チームの成績が芳しくないので呼ばれないのも理解できますが後の選手は考えても良かったように思います。


・やはりポゼッションサッカー、可変、ポジショナルプレーへの理解が浅い
CFとして今回呼んだ西村、町野、細谷の選手は結果を出している為それでも選考に納得は行きます。森保ジャパンはコンセプトがないのは分かってはいます。だからこそポゼッションスタイル(監督はハードワークとか情熱とか技術の高いなどの抽象的な話ではなく、ポジショナルプレーの概念・思考を持ったチーム)でW杯に挑んでほしい所です。Jでそれが文句なしにできていて結果に結びついているのは川崎です。ただ鳥栖、浦和、FC東京、ガンバ、磐田は少なくとも取り組んでいますし、属性的にマリノスや鹿島、広島、名古屋、柏もそれと反するサッカーではあるものも選手の質は高く、あわせてプレーする事の出来る選手はいるはずです。鹿島の選手を1名も呼んでないのは目指しているサッカーに合わないからというような事を公に言うわけにはいかないと判断しているからか、移籍する選手(上田のみ)がいたという曖昧というか的外れなコメントに終わっているのです。




・選手には失礼だがW杯本選に組み込むかもしれない選考ではない
E1選手権で韓国や中国に勝ったとしても活躍した選手をW杯前に主力に加えるとは到底思えないのです。というのも森保監督に戦術の幅がない、基準がない為、どれだけ活躍した選手をチームに組み込んでも個人セッションで強いチームになる可能性しかないのです。それでもレアルのように強いチームはありますが、それは世界のトップを極めた選手だからできる事です。ドイツやスペインはナショナルチームですがしっかりとコンセプトを持ってチームがまとまっています。戦い方にも基本の型とそれ以外の型をもっていますし、世界のトップリーグである4大リーグ、もしくはそこに準ずるリーグでプレーしている選手の集まりです。そんなチームに無策のチームが勝てるでしょうか?サッカーに絶対はないので万に一つ勝てる可能性もありますがそれはあくまでも準備をしっかりしているチームだからです。ハンジフリック、エンリケの両監督は紛れもなく現代サッカーにおける名将・智将の一人です。油断をするようなチームをつくっている印象もありませんし、仮に油断があったとしても日本が勝てる可能性は極めて低いのです。

たしかに水沼のように年齢にとらわれずいい活躍をしている選手、宮市のように10年近い年数を経て復活した選手というのはキレイなエピソードにしやすいですが、それで自らの批判を抑えていい人の顔をするのは本当にいけすかないと思いませんか?



素人ながらE-1メンバーを再考してみました。
プラン①調子のいい選手・上位クラブから
GK 谷・大迫・高丘
CB 畠中・中谷・角田・西尾
SB 岩田・小池龍・常本・杉岡・明本
DH 橋本・橘田・藤田譲・樋口
OH 江坂・西村・水沼・北野・岩崎・満田
CF 町野・鈴木優・鈴木唯
*
佐々木旭、松岡大、松木、安部柊、大島、脇坂、宮市などをいれられず

プラン②上記の選手にベテラン・実勢組等を加えて
GK 大迫・高丘・西川
CB 谷口・中谷・畠中・昌子
SB 岩田・安西・吉田豊・杉岡・鈴木雄
DH 橋本・大島・藤田譲・脇坂・橘田
OH 鈴木唯・江坂・北野・明本・清武・宮市
CF 鈴木優・町野・細谷

各クラブ選ばれなかった候補
(1年で強い活躍か、代表歴があるか継続的な活躍が基準)

マリノス・高丘、角田、松原健、喜田、永戸、仲川
鹿島・沖、常本、関川、土居、和泉、荒木、鈴木優
川崎・佐々木旭、車屋、登里、大島、家長、小林、遠野
広島・塩谷、野上、浅野雄、松本泰、藤井智
柏・佐々木雅、古賀、椎橋、小屋松、森海渡
セレッソ・山中、進藤、松田陸、毎熊、西尾、原川、奥埜、清武、北野颯、
FC東京・木本、渡辺凌、青木、東、安部、松木、山下
鳥栖・パクイルギュ、小泉、中野伸、田代、宮代、岩崎、垣田
浦和・西川、岩波、大畑、明本、伊藤、岩尾、柴戸、江坂、松尾
福岡・村上、志知、宮大樹、前、山岸、
名古屋・丸山・藤井・吉田豊、森下、宮原、長澤、仙頭、稲垣、柿谷、金崎、永井
京都・上福元、若原、アピアタウィア、麻田、川崎、福岡、金子大
湘南・石原広、田中聡、米本、
札幌・福森、田中駿、金子拓、菅、小柏、中島大
ガンバ・東口、昌子、三浦、小野瀬、斉藤未、中村仁、山見、宇佐美(負傷離脱)、食野、鈴木武、
神戸・前川、菊池、山川、初瀬、飯野七、山口、
清水・立田、鈴木義、原、松岡、鈴木唯、北川、
磐田・三浦、山本康、鈴木雄、金子翔、黒川、大津、大森、杉本、ジャーメイン

個人的にはこれだけ呼んでもいいかなと思ったりする選手いると思うんですが結局そういった細かいところにも目がいかないんですよね。オシムさんやアギーレさんみたいにカテゴリーや国内外のクラブか否かで選考をしない人に監督やって欲しいですね。

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