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まだ【HSK】【中検】で消耗してるの? #中国語学習

日本人は資格が大好きだ。

誰かに明確なお墨付きをもらわないと不安でしょうがない。

茂木健一郎さんが言っていたが、日本人は「私は大学教授です」「私は会社の社長です」といって、相手が敬意を示さないと逆ギレする人が多いらしい。

外国では肩書は参考程度で、話してコミュニケーションを取る中で相手を理解していく。

この傾向は中国でも同じだ。

特に、中国だと経歴を盛ったり詐称する人が多い(人口が多いから)。あるプロジェクトに試用期間で1週間かかわってやめただけで、責任者をやっていたという経歴にしたてあげるツワモノもいる。

なので、しっかりと話したり(とりあえず)仕事を一緒にしてみて人物を判断していく。

語学に関して言っても、

日本人は1級や2級などにこだわり過ぎる傾向にある。

そんな誰かが作ったお墨付きなんかもらわなくても、自分の価値基準を持つべきだ。

中国の最新テック事情について理解したい、とか、中国の文学作品を読んでみたい、というのであれば200時間も学べば辞書を片手に意味が取れるだろう。

(最初は意味を確認できるネイティブのサポートがあったほうがいいが、これはネットで相互学習仲間をみつけたり、オンライン中国語を利用すれば費用もそんなにかからない)

また、別の角度からも考えてみたい。

オンライン英会話やオンライン中国語などで、毎日なんの目的もなく何となく勉強のためということでネイティブと会話することは、とても虚しい。

なぜなら、

ネイティブとのコミュニケーションというのはもはや「本番に対する準備」というような勉強ではなく、

そもそも「目的それ自体」であるからだ。

その機会で、ネイティブに根掘り葉掘り聞きたいことをヒアリングすればいいし、自分の意見に対する反応をもらえたければ、沢山自分の考えを述べればいい。

(ハーバマスという哲学者が言っているように、コミュニケーションの本質は共通認識の形成)

HSKなら4級にしっかり受かっていれば、これができる基礎力はある。

質問を聞き取ってもらえなければ、文字で打てばいいし、或いは発音を勉強しようというきっかけになる。また、聞き取りができなければ、「文字を打ってくれ」と頼めばいい。わからない単語はコピペして辞書でしらべればいい。

だから、

もし語学をやっている人で、執拗に上の語学検定を目指すなら、なぜやっているか自覚したほうがいい。

多くの人はとりあえず、何に使うかわからないけど、とりあえず中国語力上げたいから資格試験で上を目指そうとなる。

上を目指すのは構わないが、自分が「目的もないのに、とりあえずやっている」というその無目的さは自覚しておいたほうがいい。

法的な問題を解決したり、行政訴訟したいわけでもなくなんとなく司法試験を目指して弁護士になり、全く仕事を獲得できない悲しいサラリーパーソンのようだ。

ゴルフコースに出ないでずっと打ちっぱなしで真っ直ぐな打球を追求している悲しきおっさんのようでもある。

もちろん、その「作られた評価基準の小さなゲームで上を目指すという道」を選ぶならそれは個人の自由だ。

でも、私はそのような小さなゲームで上を目指しているよりも、人間の言語行為というもっと広大なゲームで語学力を使っている人のほうに魅力を感じる。

HSKや中国語検定で高い級で高得点を持っている人よりも、それをもっていなくても、中国人向けに商売をやりたいから、直接自分で試行錯誤しながらなんとかコミュニケーションをとろうとしている人のほうが立派だ。

一方で、

明確化された資格試験などの指標もうまく使うことは有益だ。

誰しもが明確な目的をもっているわけではないし、なんとなくパワーアップしたいというニーズもわかる。

でも、大事なことは、

最低限、

なぜやるか?という「目的」を具体化する適切な「目標」を設定することが大切である。

中国語を“話せる、聞ける”ようになるためには、HSKや中国語検定は役立つが、最適ではないと思う。しっかりと作り込まれて信頼できるテストであろう。

私はより“話せる、聞ける”に関しては最適だと思う指標を作っているが、それが絶対的なものではなく、

大事なことは、本人が目的と目標設定を検討することだ。

もちろん、HSKは留学や奨学金制度に必要だからそのために、というのであれば、それは目的と合致している。(ただ、その先の留学はなんのため?というのは銀にされたい)

前の記事でも書いたけど、メタ認知的に、このような偏差値的な明確な基準が大好きな日本人の特性をうまく使って、自分を高めていくのは合理的であると思う。

私自身も道筋が見えている中で努力して自分を高めていくのは好きだ。自分を言葉の自動機械として捉えて、うまく操ってこの社会という荒野を生き抜こう。


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