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「北風と太陽」から気付く営業の違い

皆様、こんにちは。
私は内資系製薬会社で営業管理職をしています。

製薬会社の営業はMR(医薬情報担当者)と呼ばれ、医薬品の有効性と安全性の情報を医療関係者へ届けるのが仕事です。

MRによっては情報を届けることに一生懸命過ぎて、情報を受け取る側の事も考えずに一方的に提供している人もいます。

私はそんなMRの活動を管理し、情報を効率よく受け取って貰えるようにMRをトレーニングしたり、評価修正したりするのが仕事です。

最近、チームメンバーへ「北風と太陽」の話を参考に、どちらのMRの情報を営業相手は受け取りたいか?投げかけたので共有させて頂きます。

プロローグ

ある製薬会社に二人のMR(Medical Representative)がいました。一人は厳しく、常に強硬な手法を取る「北風」タイプのMR。そしてもう一人は、優しく、医師との信頼関係を築くことを重視する「太陽」タイプのMRでした。彼らは、それぞれ異なる方法で、ある医師に自社の新薬を処方してもらうことを目指していました。

北風MRの試み

「北風」タイプのMR、山田さんは、まず医師のもとに頻繁に訪れました。山田さんは製品の優れた点を詳細に説明し、データや資料を大量に提供しました。さらに、医師に対して「この薬を使わないと患者さんが不利益を被るかもしれませんよ」と強調しました。

医師は最初、山田さんの熱心さに感心していましたが、次第にその強引な態度に嫌気がさすようになりました。毎日のように山田さんが訪れるため、医師はストレスを感じ、面会を避けるようになりました。山田さんは更に強硬な態度を取り、「他の病院ではもう導入していますよ」とプレッシャーをかけましたが、医師の態度はますます硬化していきました。

太陽MRの試み

一方、「太陽」タイプのMR、佐藤さんは、医師の信頼を得るために、まず医師のニーズを理解しようと努めました。医師がどのような患者層を担当しているのか、どのような治療法に関心があるのかを丁寧にヒアリングしました。

佐藤さんは製品の説明を行う際も、医師が抱える具体的な問題にどう役立つかを中心に話しました。また、無理に押し付けるのではなく、「必要があればいつでもご連絡ください」と優しく言いました。佐藤さんは医師との信頼関係を大切にし、定期的に顔を出しては親しく雑談を交わし、医師の相談相手となるよう心がけました。

医師の視点

医師は最初、山田さんの熱心さに興味を持っていましたが、次第にその押しの強さに圧迫感を覚えました。毎日のように押しかけられ、脅しめいた言葉を聞かされるうちに、山田さんの訪問を避けるようになり、最終的には彼の話を全く聞かなくなりました。

一方で、佐藤さんは医師の関心事を理解しようと努め、親身になって話を聞いてくれました。医師は佐藤さんの優しさと誠実さに好感を持ち、徐々に信頼を寄せるようになりました。最終的には、佐藤さんの提案する新薬が医師の患者にとって非常に有効であると理解し、その薬を処方することを決意しました。

エピローグ

「北風」と「太陽」二人のMRの対照的なアプローチは、医師の信頼を得る上でどちらが有効であるかを明確に示しました。強硬な手法では医師の信頼を得ることはできず、むしろ関係を悪化させるだけでした。一方で、誠実で親身なアプローチは、医師との信頼関係を築き、最終的に処方獲得に成功する結果をもたらしました。

この物語は、医療の現場での信頼関係の重要性を教えてくれます。製薬会社のMRとして、医師との信頼関係を築くことが、最終的には最も大きな成果を生むのです。

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