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建物は日々の出来事の器となって

いつか泊まりでセトレならまちに。建物を後にして

また眼前に広がる猿沢池を眺めつつ、日々の出来事の
器となる建物をめぐりながら、奈良の旅は続いてく。
ゆっくりと進む歩きの旅は自転車の旅よりも、日々
の暮らしの風景により近づけるような気がしている。

もう一度、猿沢池越しに望むホテルは

ホテル天平ならまち。街歩きの途中で訪れて

猿沢池のすぐ側のならまちセンターの前には
開花というハスのつぼみのアート。手掛けた
のはイラン人のサハンド・へサミヤン氏

それは2016年の東アジア文化都市のイベント
の際に、興福寺の南円堂の前に展示されたもの。
その後に、奈良市に寄付されて今の位置へと。

アート以外にも、外壁をアートに見立てたり
ショーウィンドウには懐かしい陶器も

ふと唐臼の音が響いていた里の風景を思い浮かべる

通り沿いの雰囲気のよいジュエリーショップを過ぎると
樫舎の看板。ここは2008年創業の新しいお店での
萬御菓子誂處 樫舎(よろづおんかしあつらえどころ かしや)

暖簾に描かれるのは、子孫繁栄の意味も持つ結び柏紋

ガラス越しに並べられた美しい和菓子には
中川政七商店の茶論で見せて頂いたものも

その時はアフォガードを。和菓子はまたいつか頂こう

その先に天迦久珈琲の看板。湯気を表すような角のデザインは

鹿の神様の天迦久神がモチーフに

向かいに世界遺産の元興寺。1300年の歴史のある街を訪れて
築約250年の両替商の商家を利用した食事処のはり新には
矢筈のデザインが重ねられた違い矢の家紋
次は草履の紋ではなく、デザインの

手作りの雪駄を扱う大和工房ならまち店

などと奈良町に広がる風景を楽しんで
途中には様々な資料が展示されている奈良町資料館
吊り下げられているのは身代り申。旅の途中の商店街にも

奈良観光コンシェルジュの動画は奈良町資料館までも

窓は丸に十字の轡紋のようなデザインで
奈良町の庚申堂の前には猿の石像

猿の石像といえば、壱岐の島の御嶽神社を思い出す

その先に建つ築約180年の町家には豆腐料理店の

奈良町豆腐庵こんどうが、昔ながらの街並みの中に

すぐ横には元興寺小塔院跡につながる門があり
門の奥には鹿の姿。街の中も生活圏に
また道の途中の神社の門の先の風景も気にしつつ

ここは縁結び、お稽古事の上達にきくという御霊神社

そして街の何気ない風景も眺めつつ
平屋の建物に目が留まる。ここは登録有形文化財でもある

木屋という貸しスペース。昭和初期の建物という

ならまちの様々なデザインや風景を過ぎ、たどりついたのは
奈良町宿 紀寺の家。ロゴデザインも気になりつつ
ここは5棟の町家が改修されて1棟貸しの宿泊施設
足元の大黒天様は旅人を出迎えるように
奈良での春を訪れる行事といえば二月堂でのお水取り

この3月に3年ぶりに一般公開されたとのこと

出入り口の戸にはめこられたガラスのデザインも目を留めて
連なった5棟の町家の雰囲気を楽しみながら

通路沿いに前庭の町家。ここは5棟の町家で構成され

通り側の格子や建具のデザインもたどりつつ
通り沿いには三間取りの町家

通り庭や中庭のある空間で暮らしてみたいと思う

通りからの建物の佇まいも楽しんで
奈良町宿 紀寺の家を後にする

町家を楽しみ、その暮らしを旅してみたいと感じたり

創造的休暇。かつてニュートンがひらめいたように

4人のクリエイターズの創造的休暇も興味深い

奈良町宿 紀寺の家は、時空が入り組む場所に建つ

日々の暮らしのあり方も見つめ直してみたいとも

奈良に流れる歴史を体で感じつつ奈良町宿 紀寺の家まで


奈良町宿 紀寺の家は取り壊されそうだった5棟の
町家が改修されて、2011年に1棟貸しの宿として
オープンした。それから13年の月日がたち、生まれ
変わった町家もすでに13年の月日を経て。そこは、
今の町家暮らしが体験できる場所。古い建物は手が
かけられて、建物は日々の出来事の器へと。内部に
広がる空間を思い浮かべて、建物へも思いを寄せて。
奈良の街を、建物を、歴史を感じる旅はまだ先へ。

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