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建物は異なる時をつむぐように

中川政七商店の空間を楽しんで

時間の流れの異なる建物で構成された中川政七商店。
次は茶論でひと休み。茶論の名は、栄西の「喫茶養生記」
から引用された 「以茶論美(茶を以て美を論ず)」を
由来とするという。その奥に広がる豊かな空間へ。

中庭には咲きかけのつばき
時間の移ろいを感じる景色には
早咲きの桜も彩りを添えて
入口に活けられたつばきも美しく
中庭に面した廊下の奥の
様々な要素が散りばめられた空間へ
デザインされた呼び鈴を鳴らすと
その時期の和菓子を。冷たいものが頂きたくて
ここ茶論ではアフォガードは濃茶のもの
白玉も合わせて美味しく頂きつつ
部屋の中をゆっくりと見まわせば
鹿の襖絵は江戸時代末期の画家の内藤其淵によるという
ここは茶道の体験のできる場所でもあるようで
立派な床の間と書院もあり
あらためて床の間の設えの
活けられたつばきに、紙細工も楽しんで
書院の障子の格子のデザインも美しく
天袋の戸の衣装や色合いや
桃の形の鍵隠しにも目を留めて
光で演出される欄間板。様々な設えを楽しんだ後は
お会計にはこの鹿を持って
また中庭に面した通路を通り
途中にかけられた暖簾のデザインも気になる所
中庭には心地よい風景が広がって
茶論に流れる時間を後にする
奥の蔵も見学できるとのことで
散りばめられた意匠をたどり
時を経たしっくいの壁や
蔵の意匠も楽しみつつ
先程、眺めた中庭のまわりをめぐり
ここは麻ものを扱うお店。蔵は布蔵という名で
布蔵体験というものも
蔵はまだ奥へと続き
こちらは時蔵という名で
内部は資料館となっている
時の流れに沿うように建物をめぐり後にして

茶論は茶道文化への入り口に

美しいものに美意識を感じて

建物の奥には思いがけない空間が広がり、建物の細部
や設えを存分に楽しんだ。その時は、私一人で贅沢にも
貸切のような状態で、隅々まで目をやって。ゆっくりと
穏やか流れる時間を楽しんだ。そしてまた歩きの旅へ。

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