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日本企業の新陳代謝が加速中

日経新聞(6月30日付)「チャートは語る」では、日本企業の開廃業率の増加について報じています。2023年、日本企業の新設が14万社を超え、前年から8.9%増加しました。同時に、コロナ対策の公的支援の縮小に伴い、法人の登記閉鎖は4万3187件、前年比14.5%増で、倒産は9千件を超えました。つまり、企業の新陳代謝が急速に加速しているのです。これまで生かされてきた企業が退場し、新たなアイデアや技術を持った企業が生まれることで新たな成長をもたらす可能性があります。

スタートアップの支援強化

政府は2022年、スタートアップ10万社の創出を掲げて支援を強化しました。新興企業への投資を促す税優遇措置の拡大や、日本政策金融公庫による創業支援の無担保・無保証融資の限度額の増加などが行われました。デジタル化の進展によって、地方での開業ハードルも下がり、秋田県や岩手県など地方都市の開業数が東京や大阪と同じレベルで増加しています。また、2024年度版の中小企業白書でも、地域創業支援の取り組みとして地方自治体との連携や地域金融機関のサポートの強化がテーマの一つとして取り上げられています。

持続可能な成長の課題

スタートアップの持続性も重要な課題です。開業10年以内の倒産件数は、30年以上の老舗の6倍と多く、その理由としては合同会社のように簡単かつ低コストで開業できることが挙げられています。スタートアップの質の担保も課題となっています。

経済の再成長に向けて

とはいえ、G7と比較すると日本の開業率はまだまだ低水準で、それは経済成長率と相関性が高いと考えられています。日本経済は、ますますインフレや金利上昇に企業の地力を問う時代に突入し、技術やアイデアを持つ企業でないと生き残れなくなっています。新たな成長企業が強く求められています。日本経済の新陳代謝の動向は再浮揚のバロメーターとなり、新たな成長エンジンとしての期待が高まります。

#日経COMEMO #NIKKEI

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