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アジアで日本のアイスが熱い?:5つの成功要因

日本のアイスクリームがアジアで人気を集めています。特に、餅のような食感や抹茶、あずきなどの和風フレーバーが現地消費者の心をつかんでいます。日本のアイスメーカーは、アジア市場での需要拡大を目指し、現地生産やハラル認証を取得するなどの取り組みを進めています。日経新聞の2月6日付の記事では、ロッテや井村屋、森永乳業などの具体的な取り組みと成果が紹介されています。

私も日本のアイスが大好きです。それぞれのメーカーが歴史と特色のあるブランドを持っています。ロッテの「雪見だいふく」や森永の「ピノ」、明治の「エッセルスーパーカップ」などは、しばらく食べていないとなつかしさも手伝って、「食べたいなぁ」と思う時があります。しかし、ハーゲンダッツなどと比べると価格面で倍くらい違うため、アジアでもブランド力的にどうなのかと考えることもあります。記事を読みながら、日本ブランドとしての強みと地域の好みに合わせた現地化戦略の両面が見えてきます。

以下に、記事から読み解いたアジアにおける日本のアイスメーカーの5つの成功要因を挙げます。

1.日本ブランドとしての強み(インバウンド需要の活用)

訪日外国人が日本でアイスクリームを楽しむ機会が増えています。抹茶味やお餅などを経験した訪日客は帰国後も日本のアイスを求めます。インバウンド需要はアジアにおける日本製品のブランド力の強化につながり、さらなる市場拡大が期待されます。これにより、日本のアイスメーカーはアジア市場でのプレゼンスを強化しています。

2.高品質の追求

アジア市場で日本のアイスクリームが支持されている大きな要因の一つは、その品質の高さです。例えば、森永乳業の「ピノ」や明治の「エッセルスーパーカップ」は、現地でも高級品として受け入れられています。台湾では日本の2倍ほどの価格で販売されることもありますが、それでも消費者はその品質を評価し購入しています。

3.冷凍物流網の整備

アジア市場における日本品質の強みの維持を支えているのは、冷凍物流網の整備です。品質を維持しながら輸送できるインフラが整ったことで、日本のアイスクリームはより広範囲に届けられるようになりました。ロッテの「雪見だいふく」など、独特の食感を持つ商品も高品質なまま輸送されています。

4.現地化戦略の成功

日本のアイスメーカーは、現地の文化や嗜好に合わせた商品開発を行っています。井村屋はマレーシアで「あずきバー」を現地生産し、ハラル認証を取得した原材料を使用しています。さらに、マレーシアで人気のドリアン味のもちアイスも発売し、現地の好みに合わせた商品を展開しています。このような現地化戦略が成功の鍵となっています。

5.差別化戦略

日本のアイスクリームメーカーは、ハーゲンダッツなどの世界的ブランドや現地メーカーとの競争に直面しています。ハーゲンダッツは、そのプレミアムブランド力で高級市場を確保していますが、日本のメーカーは独自の食感やフレーバーで差別化を図っています。例えば、和風フレーバーやもちアイスなど、日本独自の要素を取り入れることで、現地の消費者に新しい体験を提供しています。

まとめ

日本のアイスクリームは、品質の高さと現地化戦略によってアジアでの人気を集めています。特に、現地の文化や嗜好に合わせた商品開発や冷凍物流網の整備が成功の要因となっています。また、インバウンド需要を活用することで、さらに市場を拡大する可能性があります。日本で長く愛されてきたアイスクリームがアジア市場で成功していることは、日本に数多く存在する伝統的工芸品のマーケティングにおいても参考になる点が多いです。これからも日本のアイスクリームメーカーは、現地のニーズに応じた商品開発と品質向上を続け、アジア市場でのプレゼンスを強化していくことが期待されます。


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