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マーケティング・コミュニケーション プログラムの開発 前半 目的の設定〜マーケティング・マネジメント第16版を読む

第12章 マーケティング・コミュニケーションの第2回はコミュニケーションの目的の設定です。

前回の記事はこちらです。

マーケティング・コミュニケーションをプログラムとして開発する際には以下のステップを取ります。

今回は、最初のステップである目的の設定です。

コミュニケーションの目的には、フォーカスの明確化、ベンチマークの設定、予算の決定という3つの意思決定を行います。順番に見ていきます。

フォーカスの明確化

コミュニケーションの目的は、消費者が提供物のことを知る(認知)、良さを気に入ってもらう(選好)、実際に買う(行動)の3段階を進めることです。フォーカスの明確化とは、この3段階のうちどこに焦点を絞るかということを決定することです。

認知の創造
認知の創造とは、ブランドについて再生もしくは再認を促すことです。
ブランド再生とは、そのブランドを見ていなくても頭に思い浮かべる状態のことです。
例えば、「カフェで休憩したいな」って思った時にすぐに、
「近くスタバないかな?」と、スターバックスを思い浮かべるのがブランド再生です。
ブランド再認とは、実際に見れば思い出すものです。
スーパーでインスタントラーメンの売り場で、「あ、これCMで見て美味しそうだと思ったんだよな」って思い出すのがブランド再認です。

認知の創造においては、まずはあるニーズに対して顧客に認識されることを目指します。

選好の向上
選好の向上とは、消費者のニーズに対しての提供物の能力を伝えることにあります。
良さを伝えるには、現状のニーズがなぜ起きているのかを理解する必要があります。
それは、現状に不満を明らかに持っているもの、もあれば、不満には気づいていないけどもあると良さに気づくものもあります。

ニーズのあり方によって良さの伝え方も工夫する必要があります。

行動の誘発
実際に購入を決定してもらうためのコミュニケーションです。
例えば、クーポンや半額セールといった割引販売が顧客に買う決断に向かわせます。
コミュニケーションの目的は、現在の消費者の認知レベルを知ることから始まります。
知られていないのか、知っているけど買う気になっていないのか、買って見たことあったけどイマイチだと思われたのか、といった消費者の状況を知ることが重要になってきます。

ベンチマークの設定

目的として、定量的ベンチマークと時間的ベンチマークを設定します。

定量的とは数値化された目標ですので、例えば、認知度、実際の購買行動に移る率などの目標値です。時間的ベンチマークは、いつまでに達成するのかの指標です。

予算の設定

コミュニケーション費用は非常に大きな投資を必要とするものもありますので、どのくらいの金額なら支払っても価値があるのかを明確にしないと、この後の手段の決定もできなくなります。
予算の設定の基準としては、自社の他の製品ラインとの比較や競合のコミニケーション費、製品のライフサイクル段階などから決定します。

まとめ

コミュニケーションプログラムの第1ステップ 目的に設定です。なぜ、コミュニケーションプログラムを実行するのか、どの程度のインパクトを期待して、どのくらい投資できるのかを決めることが最初のステップです。

次回は、第2ステップ以降についてです。

最後までお読みいただき有難うございました。


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