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巨大プラットフォーマーAmazonの新たな成長戦略:グローバルサウスと生成AI

まだたったの30年しか経っていないのに、Amazonのない暮らしは想像できないほど私たちの生活に深く根付いています。私はAmazonで本を買うことはめったにない(本屋に行く楽しみが奪われるから)ですが、生活必需品を定期購入も含めて買うことが多く、翌日には届くので本当便利なのでついついポチポチ買っています。

Amazonは2024年に創業30年を迎え、売上高92兆円を達成しました。電子商取引(EC)の覇者として物流網を拡大し、迅速な配送を実現しています。次の10年の成長戦略として、「グローバルサウス」と「生成AI」を掲げています。日経新聞記事(7月5日付)に基づいて、これらの戦略についてまとめました。

グローバルサウスへの進出

Amazonは、南アフリカのヨハネスブルク郊外に新しい物流施設を設置し、サハラ砂漠以南で初めて自社物流施設を稼働させました。これは南アフリカのEC市場の成長を支援し、雇用創出にも貢献するものです。現在、Amazonの有料会員サービス「プライム」は北半球の24カ国に限られていますが、グローバルサウスの人口は2050年までに世界の3分の2を占めると予想されています。AmazonのCEOアンディ・ジャシー氏は、アフリカやインドをはじめとする新興国での成功を狙っています。

生成AIとクラウドコンピューティング

Amazonのクラウドコンピューティング部門は、EC部門の「副業」として始まりましたが、現在では営業利益の7割近くを生み出す稼ぎ頭に成長しました。AmazonはECサイトでの商品推薦や売れ筋の予測、音声アシスタント「アレクサ」などにAI技術をいち早く取り入れていますが、生成AI分野ではOpenAIやGoogleが先行しており、Amazonは追う立場にあります。今後10年でデータセンターに16兆円以上を投じ、生成AIの基盤となる大規模言語モデル「オリンパス」の開発に着手する予定です。

結論と今後の展望

創業から30年で、Amazonは家電や衣類、医薬品など幅広い商品を取り扱う企業へと成長し、2023年12月期の売上高は5748億ドル(約92兆円)に達しました。ECの便利さは人々の購買行動を変え、既存勢力を次々に淘汰する「Amazonエフェクト」として知られる現象を引き起こしました。Amazonの次の10年の成長は、グローバルサウスでの展開と生成AI分野での成功にかかっており、これからもその動向に注目が集まります。

最近のネットショップでは、楽天だけでなく、BASEやTemuなども身近に感じられるようになりました。それでも、送料無料のプライム会員や定期購入といったサービスがAmazonを利用する大きな魅力となっています。巨大プラットフォーマーとして、日本での市場支配も続くと考えられますが、他のプレイヤーの対抗戦略にも注目していきたいと思います。

Amazonがどのように進化し続けるのか、アマゾンだけでなくプラットフォーマーのこれからを想像すると少し恐ろしくもありますが、その動向には注視し続けることが重要でしょう。

#日経COMEMO #NIKKEI

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