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ポジショニング・ステートメントの作り方〜マーケティングマネジメント第16版を読む

ポジショニングの第4回、ポジショニング・ステートメントです。

ポジショニング戦略を設定すると、組織全体の指針として共有しなくてはなりません。簡潔でわかりやすく伝えるべきことをメッセージとしてまとめる必要があります。では、その方法を見ていきましょう。

「ベネフィット」と「選択すべき理由」を伝える

最も重要なことは提供物が誰(ターゲット顧客)に対して、どのようなベネフィットをもたらすのかを明確にすることです。
そして、それが絵に描いた餅ではなくて、「信じる証拠」をしっかりと示さなくてはなりません。

カテゴリー・メンバーシップの伝達

自分が何者かを示すこと。何と比較されたいのか?
例えば、新しいコーヒーチェーンを展開する場合、スタバと比べられたいのか、コメダと比べられたいのかで伝えるべきことは異なってきます。スタバなら落ち着く高級感のある空間とどう差別化しているのか、コメダならどのようなユニークな料理が売りなのか?といた類似点と差別化点を伝えないといけません。

矛盾すると思われるベネフィットをしっかりと伝える

例えば、食材なら低カロリーならちょっと味が落ちるとか、ノーアイロンのシャツなら綿の質感に負けるとか、そういった負の相関関係のイメージを持たれがちです。
消費者は負の相関の双方を合計した最大のベネフィットを得たいと考えます。
消費者が納得する双方のベネフィットを伝えます、

ストーリーを活用する

ブランドストーリーとして語ることで消費者の胸に深くメッセージを掴むこができると考えられています。
ブランドストーリーの効果は、ブランディングの大家アーカー教授が提唱しています。
ブランドストーリーについてはこちらにまとめています。

「い・ろ・は・す」のブランドステートメント


最後に、パッケージデザインを変更した「い・ろ・は・す」のブランドステートメントを見てみましょう。

天然水がすーっと口に流れ込んでくるから、
もっと飲みやすく、もっとおいしく。
しかも、ペタンとたたみやすいから、
リサイクルももっとかんたんに。

ミネラルウォーターの類似化ポイントしての水のおいしさと環境配慮に重点を置いているボトルの差別化ポイントがしっかりと記されておりパッケージ変更が当該商品のポジション強化につながっていることがよくわかります。

以上、ブランドステートメントについてでした。

今回を含めて、ポジショニングについて4つの記事にまとめました。

第1回はポジショニングとは?でした。

第2回は、ポジショニングにおける軸の決め方です。

第3回では、「持続可能は競争優位の確立について」でした。

次回はマーケティング・ミックスの一つ目の製品についてです。

最後までお読みいただき有難うございます。


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