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フランス人は日焼け止めを使わない?認知的不協和-行動経済学の理解と実践54

先日、車を運転している際にラジオでフランスに在住する日本人が電話で現地の生活の様子を話されていました。
その方曰く、フランス人は日光浴が大好きで日焼け止めなんて全然使わない。「日焼け止めなんて化粧品会社の戦略に乗っているだけ」って思っている人もいるとのことでした。
日本では日焼け止めは性別問わず夏の必須アイテムですし、紫外線は皮膚ガンのリスクを高めるといった認識も十分に広まっているのでかなりの違いだと思います。
おそらく話していた人はかなり極端な例を話していたのだろうと思いますし、日焼けに対する注意も十分に認識している人も多いと思います。
でも、確かにヨーロッパの街のど真ん中の公園で少し日差しが良い日になると決まって日光浴している人を見かけます。
ビタミンD欠乏症の話も聞きますし、日本より日光が少ない地域の国なんかでは理にかなっている部分もあるのでしょう。

そして、この話を聞いた際に最初に思い浮かんだのが認知的不協和でした。

認知的不協和とは

自身の認知と相反する認知を抱えた時に感じる不快感やストレスのことを認知的不協和と言います。
日光浴の例で言うと、「日光浴をしたい、日に焼けた肌は健康的だ」という思いと、「日焼けは体に良くないから日光浴を控えた方が良い」という認識がぶつかり合ってストレスとなっています。
そういった精神状態の中で、「日光浴はそんなに悪くない」とか「体に塗る日焼け止めの方が皮膚に悪い物質を含んでいる」といった情報を信じて、「日光浴はしてもいい」と思い至るようになります。

同じような例は、酒、タバコ、塩分などでも同じようなことが言えます。

ここ数年の間の、「マスクはすべき、いらない」議論も認知的不協和によって生みだされれていた部分もあるといえるでしょう。

自分の認識と他人の認識が矛盾している時に不快を感じ、自分の認識を支持してくれるような情報を強く信じる傾向にあるから起きているのでしょう。

認知的不協和はマーケティングでどう活かす?

これまでのような健康被害のリスクがあることを促すようなことはできません。でも、顧客が購入後の後悔を減らしてあげることならできるかもしれません。

例えば、ダイエットと相反する行為になる食べ放題の焼肉屋さんで脂肪燃焼効果のある黒烏龍茶を無料で提供するとか。。。この効果はあまりないかもしれませんが。。。

いづれにしろ、購入後のアフターフォローは認知的不協和の軽減策となる可能性があります。

まとめ

矛盾する認識を抱えた時に生じるストレス・不快感である認知的不協和についてでした。

「やめた方がいい」って思っていてもやめられないことっていろいろとありますよね。そういったことの大半は「言われてやめられるならとっくにやめている」けど、「やっぱりやめられない」。

では、完全に断ち切れないなら「ほどほどに」することを心がけるのが最善なのかなと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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