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効果的なインセンティブとは?〜マーケティング・マネジメント第16版を読む

価格戦略の第5回は、効果的なインセンティブについてです。

インセンティブとは

インセンティブとは、”特定の製品またはサービスで迅速で大量な購買を促すためのセールス・プロモーションの手法です。ほとんどは短期的なもので、最終消費者向けもあれば卸、小売といった業者向けのものもあります。

例えば、ネットで商品を購入すると期間限定のクーポンが与えられることがあります。せっかくもらったクーポンなので期間内に使わないとという思いが働いて再購入を促す効果が期待できます。

しかし、インセンティブは長期的な視点ではマイナスの影響を与える可能性もあります。何度か割引での購入を経験すると、割引自体が当たり前になって、その提供物の価値が低下してしまうというリスクもあるからです。

一方ではインセンティブには、顧客が他のブランドへ心変わりするのを抑える役割を果たすものもあります。消費者愛顧の確立(cosumer franchise building)といって、ポイントプログラムとか飛行機のマイレージクラブなどがわかりやすい事例でしょう。

では、消費者向けと流通業者向けのそれぞれのインセンティブを見ていきましょう。

消費者向けインセンティブ

消費者向けインセンティブの目的は、購買頻度、購入量の向上、未使用者の試用、他ブランドからの乗り換えなどです。
主なインセンティブは以下の通りです。
値引き:一時的な販売値下げです。ファッションの季節のバーゲンなどに在庫の処分を期待しています。
クーポン:特定製品の購入に付与される割引クーポンです。
現金払い戻し:購入後にレシートをうくると現金キャッシュバックされます。
価格パック:通常価格より値上げして販売します。例えば、ビール1缶と6缶セットでは1缶の単価を後者では安く設定します。
プレミアム:特定の製品を買うと、一緒に使う付属品を安価もしくは無料でおまけとしてつけるなどです。
フリークエンシープログラム:利用頻度に応じたプログラムです。
懸賞:菓子パンの山崎のパンまつりみたいに、購入したポイントでお皿がもらえるみたいなのです。
タイインプロモーション:複数のブランドや企業がタイアップして、クーポン、払い戻し、コンテストなどを仕掛けます。
季節割引:オフシーズンに割引の設定します。
融資:住宅ローンとか自動車ローンといった購入時の低利な融資条件を設定します。

流通業者向けインセンティブ

流通業者向けのインセンティブの目的は、自社製品の扱いを増やしもらうことです。インセンティブ高いと小売業者も良い場所に陳列してくますし、顧客にも積極的に勧めてくれます。以下のようなインセンティブがあります。
アロウワンス:小売業者の販売努力に対して見返りとして支払われる分配金のことです。
無料アイテム:特定の数量の購入に対して無料で提供する商品です。
値引き:一定期間内の購入に応じた値引きのことです。
支払割引:速やかな支払ってくれた購買者に対して何%かの値引きをします。

まとめ

インセンティブとは何か?について、さらに消費者向け、流通業者向けインセンティブの目的と種類についてでした。
インセンティブは効果的に設定すると売上向上が期待できます。しかし、なんでも実施すればいいというものではなく無駄になっているものも多いです。そのあたりはまた機会あれば詳しく取り上げたいと思います。

最後までお読みいただき有難うございました。

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