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週間プレイリスト 2022/8/12
暑さ寒さも彼岸まで、と言いつつ予想通りまったく涼しくなっておりません。というか湿度が爆上がりしている気もする。まだまだ残暑が厳しいですね。とはいえ、来週になるとそろそろ秋の気配もしてくるのでしょう。
さて、今週も先週金曜日、8/12リリースの中からプレイリストを作ってみました。今週は14日日曜日にダウンロードジャパンがあったので、出演アーティストの最新作をずっと聴いていたんですよね。なので新譜があまり聞き込めていませんが、一聴して耳に残ったアルバムを紹介していきます。今週もメタルとワールドミュージック(US、UK以外を幅広く)多め。
Arch Enemy / Decievers
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現代メロデスシーンを牽引するバンドとなったアーチエネミーの最新作。期待に違わぬ出来。ギターリフの勇壮さはパワーコードをうまく用いたモダンな正統派メタルに回帰しつつ、クリーンボーカルも織り交ぜつつきちんと「メロディックデスメタル」の領域に収まっている快作。メタルの王道感があります。
The Halo Effect / Days of the Lost
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元In Flamesのメンバーが集まって結成した「もう一つのインフレイムス」、ヘイローエフェクトのデビューアルバム。ダウンロードジャパンにも出演しました。期待に違わぬ素晴らしい出来。整理されたプロダクションと90年代後半の「あの頃のメロデス」を正統進化させた作品。タイトルの「失われた日々」は、「それを取り戻せたら」というifなのか。
Nordic Union / Animalistic
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癌を宣告され、余命を燃やし尽くすかのようにリリースを続けているPretty Maidsのロニーアトキンスがボーカル。ツインボーカルでもう一人はEclipseのエリックモーテンソン。北欧メタルのベテランと中堅のスターボーカリストが共演するプロジェクトの新譜。最近のロニーアトキンス関連作品はどれも素晴らしい出来で、本作も良作。やはり、それぞれのアルバムの参加者が「これが最後のアルバム」という気概で挑んでいる気がします。
Boris / Heavy Rocks(2022)
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日本の誇るハードコア/エクスペリメンタル/ヘヴィロックバンド、ボリスの結成30周年記念アルバム。10周年の2002年、20周年に近い2011年、そして今回の30周年にそれぞれ同名の「Heavy Rocks」というアルバムをリリースしてきました。それぞれ内容はまったく異なり、その時代の「Borisが考えるHeavy Rock」を提示した作品。本作もアイデアが豊富に盛り込まれた独自の世界観を持っています。
Hydra / Point Break
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スウェーデンから、メロディックハードロックの新人、ヒドラのアルバム。新人とはいえベテランの作曲家を中心としたプロジェクトで曲も演奏も名人芸。良質なメロハー作品です。メロハーの殿堂、イタリアのフロンティアレコードからのリリース。
Pale Waves / Unwanted
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女性ボーカリストを擁するUKのロックバンド、ペールウェーブの新譜。アヴリルラヴィーンみたいな、ポップパンクも取り入れたポップロックという感じ。今のUKロックらしさを感じます。プレイリストの清涼剤。
Osees / A Foul Form
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Orinoka Crash Suite, OCS, Orange County Sound, The Ohsees, The Oh Sees, Thee Oh Sees, Oh Sees,Oseesなど様々な名前を持つバンドの新譜。一応、今の名称はOseesらしいですが本作もストリーミングプラットフォームによってバンド名が微妙に違うというカオスっぷり。ノイズまじりのガレージロックで、ポストパンク、アートパンク的な要素も。80年代に直結した感じがあり、ちょっとサイケでもあります。今週はストーナー要素が薄めなので、一応サイケ/ストーナー枠。
The Vibrators / Fall Into The Sky
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1976年から活動するUKパンクバンド、バイブレーターズの新譜にしてラストスタジオアルバム。目新しさはないけれど、UKパンクの黎明期から現在まで続くバンドの生き様が反映されたアルバム。こういうベテランのアルバムって1曲1曲は地味なんですが、アルバムを通して聞いていると妙に心地よかったり、やっぱり音に説得力があるんですよね。
Kasabian / The Alchemist's Euphoria
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デビュー当時は「大型新人」でしたが、今やベテランの域に達しつつあるUKのカサビアン。「錬金術師の幸福」とはなかなか面白いタイトルです。ちょっとマッドチェスターとかブリットポップを思い起こさせる場面もあったり、ゴリラズみたいなごった煮感もあったり、いかにもUKロックらしいメロディが堪能できる1枚。ボーカルが変わっての初リリースとなるアルバムですがセールスは好調のようで今週のUK1位になりそうです。2nd以降ずっとUK1位ですからね、UKでは超ビッグバンド。サマソニで来日予定。
Jimmy Cliff / Refugees
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レゲエ・レジェンド、ジミークリフの10年ぶりの新譜。レゲエが世界に広がるきっかけの一つとなったジャマイカ初の商業映画「ハーダーゼイカム(1972)」の主題歌を歌った人、と言えば分かるでしょうか。今でも現役。ちょっと陰影を感じさせる深みのあるレゲエサウンド。真夏の哀愁というか、ダンサブルなビートの中に重層的な感情を感じます。
S H I R A N - شيران / Fadaytak - فديتك
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あまり情報がないアーティスト。シラン、と呼ぶ様子。African/Middle Eastern beats that will rock your body and soul, an ancient deep sound that explodesと自己紹介してあり「アフリカと中東の要素をミクスチャーしている」という表現はまさにその通り。アラビアンポップスにアフロビート感がちょっと混じっています。面白いアーティスト。娯楽性が高くて実験性もあるいいアルバムだ思います。中近東の新世代オルタナティブアーティストという雰囲気。
Royal Coda / To Only A Few At First
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USのポストハードコア/プログレッシブロックバンド、ロイヤルコーダのアルバム。日本で言ういわゆる「ラウドロック」ど真ん中の音ですが、「ラウドロック」ってUSやUKだとメタルコアかポストハードコアになるんでしょうね。「ラウドロック」は和製英語。LAメタル、とか、ウェストコーストサウンドも和製英語です。あんまり地名ってジャンル名にならないんですよ。音の特長じゃないから。メタリカだってLA出身だけどLAメタルって言わないでしょ。LAメタルはグラムメタルとかヘアメタルと言われます。ウェストコーストサウンドはヨットロックとか、ソフトロック、カントリーロックになる。「ラウド」って音楽の特長じゃなく音の大きさだから、英語圏の人からすると意味が分からないんでしょうね。音が大きいロックなら何でもラウドロックなので。このバンドはプログレッシブな要素も強めですがあまりメタル要素はなし。最初の頃のマーズヴォルタとかにもちょっと近いかも。若くて勢いを感じます。まだブレイク前のようですがクオリティ高め。初期Radwimpsが好きな人とかにも刺さる、かも。
Hell Fire / Reckoning
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US、サンフランシスコのメタルバンド、ヘルファイアの新譜。いわゆるNWOTHMの系譜でしょうか。もともとスラッシュ要素が強かったようでもありますが、本作はUSパワーメタル感も増しています。メタルマニアが好みそうな音像。素晴らしいB級メタル。意外とプロダクションもかっちりしているし、メイデンやシンリジィを思わせるツインリードもニヤリとします。
JT / Love & Afrobeat(Deluxe)
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アメリカを拠点に活動するナイジェリア出身のアーティスト、JTことLove Osemenkhianが5月に出したEPのデラックスエディション。EPのデラックスエディションって珍しいような。つまりフルアルバム(LP)になっています。ナイジェリア、今のアフリカンポップスのビートを取り入れつつちょっとゴージャスでロマンティックな感じ。タイトルの通り「Love & Afrobeat」という音像です。
Panda Bear, Sonic Boom / Reset
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US出身で現在はポルトガルの拠点を置くパンダベアことNoah Benjamin Lennoxと、UKのソニックブームことPeter Kemberのコラボアルバム。昔から交流はあったようですが共作は初とのこと。透明感がある、USとUKがうまくミックスされたインディーズロック、オルタナティブロックを奏でています。新しさと共にどこか懐かしさも感じる不思議な作品。何を想起しているのかなぁ、ヴァンダインパークスのソングサイクルやビーチボーイズのペットサウンズあたりだろうか。あんな雰囲気もあります。Allmusicで4.5の高評価。
Generation Radio / Generation Radio
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ラスカルフラッツ、ジャーニー、シカゴというUSでヒットを飛ばした3バンドの元メンバーたちが結集したスーパープロジェクト。ラスカルフラッツはカントリーロックのバンドですね。ジャーニーはハードロック、シカゴはブラスロック。その3バンドが集まった音楽性はメロディックハードロックです。今週はなんだかメロハーが多くなった気がする。こういう音像をUSではAdult Oriented Rock(AOR)と言うようです。こちらも例にもれずイタリアのフロンティアレコードからのリリース。このレーベル凄いよなぁ。一時期の日本のゼロコーポレーションみたいな存在感。
Karole Kasita / Limited Edition
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ウガンダのアーティスト、らしい。読みはカロールカシータでしょうか。アフロビート、レゲエ、ダンスホール、ズーク(グアドループやマルティニークなどのフランス領アンティルを発祥地とする音楽のジャンル)などを組み合わせたサウンド、と自己紹介しています。今週はこういうアフリカンなビートを使ったR&B的な音像が結構耳に残りました。聞いていて心地よいんですよね。適度に手作り感というかオーガニック感もあり、泥臭さと洗練が同居している。
以上、今週は17枚のアルバムに耳を惹かれました。それでは良いミュージックライフを。
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