見出し画像

2020年11月のベストトラックス

11月のベストトラックスを振り返ってみます。アルバム単位ではなく「トラック」。曲単位のベストです。先月度は14曲。ワールドミュージック系は少なく、欧州とアメリカのメタルとロック系が主です。一曲目は初冬の気分に合った曲。それではどうぞ。

各曲の解説とアルバムレビューへのリンクです。


1.Thymia (from Fleet Foxes / Shore)
アコギからスタート、メロディアスなフレーズ
ハーモニー厚めのボーカルが入る、合唱曲か讃美歌のようだ
ギターメロディはトラッド、この曲はゴスペルの影響を感じる
2分ほどの小曲だが、転調も入り美しい展開
★★★★☆


2.Jurassic | Cretaceous (from The Ocean / Phanerozoic Ⅱ: Mesozoic | Cenozoic)
変拍子からスタート、変拍子だが音は全体的に各楽器の輪郭は曖昧で音が一丸となって出てくる
管楽器的な音が入り、ビリンバウのような、弓を口ではじくような音が響く
打楽器も民族楽器的な音が入る、密林感、アボリジニーの楽器だろうか、これもアフリカか
トライバルなリズムをドラムが引き継ぎ、クリーンで中音域のボーカルが入ってくる
いくつか立ち上がるハーモニー、そのままサビへ
サビはスクリームでニューメタル的
ふたたびトライバルなリズムのヴァースだが拍の取り方が変拍子
間奏、オリエンタルな感じのメロディだがキーボードとギターで音が展開してハーモニーになる
ふたたびサビへ、スクリームする後ろでバンドがうねる、ジュラシックとあるがそんな印象
音の塊が去り、空間的な残響音があるアルペジオに
反復フレーズにベースが入ってくる、違うリズムのフレーズがいくつか重なり合う
ボーカルが入ってきてやや強引にサビへ戻る
バックはジュラシック、そこからコードが展開して再び間奏、ギターとキーボードのメロディが印象的
むしろこちらの方が盛り上がり感がある
かなり変拍子でバンド全体が蠢いているかのようだ
その上に重厚なメロディが乗る、管楽器の分厚いフレーズ
一度音が去りピアノが入ってくる、静かなフレーズで低音部、何かが歩いているようだ
大きなものが去っていき、ミニマルな反復と打楽器が入ってくる、何かから逃げるのか、追っているのか
探索に出かける、何かを探っているようなシーン
ボーカルが入ってくる、深いリバーブ、追憶か異次元からの声か、どこか隔てた場所の声
ディストーションギターの音が入ってくる、音空間が埋まり、ゆったりとメロディアスな歌メロ
ふたたび探る、焦燥感のある繰り返しパートとボーカル、ボーカルの節回しに少しライの要素がある
北アフリカ、地中海音楽の影響を感じる
メロディアスな歌メロから、さらに展開しクラシカルな和音感のあるボーカルフレーズをややスクリーム気味に歌う
テンポアップし、ブラックメタル的なブラストビートにトレモロリフ、スクリーム
とはいえ全体として疾走するのではなく同じ雰囲気、メロディも保ったまま手数だけ増えている
しばらく緊迫感あるパートが続き、先ほどと同じコード分解したようなボーカルフレーズをスクリーム
ここが大サビだろうか、耳に残るパート
変拍子とたたきつけるようなギターサウンド
そこからブラストビートと吐き捨てるようなスクリーム、音圧が高まる
音が去り再びアルペジオ音が反復する
トライバルな打楽器が入ってきて、ハミングが入ってくる
声だけでスクリーム、場面が変わりブラックメタルパートへ
音の混沌度合いが増していく、スクリーム、一部不協和音も感じさせる音
たたきつけるような混沌の音の塊が打ち付けられる、スクリームが入ってくる
13分半にわたる大曲
★★★★☆


3.Dream Deceiver (from Testament / Titans of Creation)
ややハードロック的なリフ、音数が多い
ドラムとベースは手数が多い
ちょっと余白、タメが多い曲、歌メロとリフが絡み合うのがかっこいい
サビはちょっとプリーストっぽい
運命の翼、にディシーバーという曲があったような
初期JPほど耽美的ではない、ザクザクしたハードロックリフにややポップなサビが乗るという構造がJP的
ドラムが隙あらば走り出す感じが良い
間奏へ、ドラムは間断ブラスト
なめらかに疾走しだしてギターもメロディを高音で奏でる
ふたたびリフへ、だんだん音数が増していく、開放感が増える
力強いザクザクとドラム、各ヴァースで同じフレーズでもだんだん力強くなっていくのが盛り上がる
こういうプロダクションなのだろう、上手い
昔クィーンのJAZZは曲の後半に行くにつれて微妙に音量が大きくなる、という仕掛けがあった
このアルバムも曲の後半に行くにつれてだんだん音が厚くなっていくように感じる
★★★★☆


4.Video Game(from Sufjan Stevens / The Ascension)
ノスタルジックなキーボード音、そこから打ち込みドラム
8-bit的なドラムループに、ブルーノマーズ的なポップな歌メロが入ってくる
そこまでポップに展開しきらず、余白を持ってキーボードの反復フレーズ
思い出をたどっているようだ、記憶は踊る
ブルーオイスターカルト的なボーカルループ、コーラスとメインボーカルが追いかけ合う
佇んでいる、どこだろう、街角か部屋か、イングリッシュマンインニューヨークのように街角だろうか
★★★★☆


5.Viral (from Amaranthe / Manifest)
リードトラック、サビのリフレイン的なボーカルがわずかに入り、少しヘヴィなリフに
ミドルテンポでどっしりしたリズムの上で女声~グロール~サビの順にボーカルが展開
サビはシンガロング、アンセムな上昇感とシンガロングなフレーズから構成
男声クリアボーカルの存在感がある、男声はクリアとグロール、女声と3人のボーカルが確かいたはず
楽器隊も歌えるので合唱力が高い
ところどころエレクトリックドラム的な音が入る
四つ打ちのディスコリズムのシンガロングな曲だが、踊るよりはヘドバンなノリ、リフの力が強い
★★★★☆


6.Golden Destination (from Lovebites / Elecctric Pentagram)
少しポップな要素が入ってきた、ハードロック的
ボーカルが中音域、ところどころ入るギターの刻みはヘヴィ
ツインリードのオブリガード
メロディがどんどん展開していく、この曲もサビの後大サビ
メロディの展開が多いのが武器というか、曲作りの特長なのだろうか
リフを経てセカンドヴァース、ブリッジはバックのツインリードが印象的
シンガロングでJ-ROCK的なコーラス、を経てややアジるような大サビというか余韻
少しヘヴィなロックンロール的なパートへ
メロディアスなツインリードの反復を経てソロ、各ソロを回してメイデン的ツインリード、リズムもメイデン的
リズムはRun to the Hillsだな、騎馬隊がかけるリズムと言うか
コーラス~余韻を経てふたたびメイデン的ツインリード
★★★★☆


7.The Maria Fire (from Corey Taylor / CMFT)
スローなロックンロール、ブギ
ルーツミュージックに寄りながら現代性がある、マリリンマンソンの新譜にも近い雰囲気を感じた
サビはちょっとレッチリっぽいと思ったら「Other Side」というフレーズが出てくるからか
このリズムはけっこう合っている、カッコいい
★★★★☆


8.She Dragoon (from Conception / State of Deception)
弦楽器から、かなり演劇的な、訴えかけるようなボーカルが入る
オケが音圧を上げバンドが入ってくる、キレのいいオリエンタルなリフ
ブリッジでは分かりやすいコード展開、刻み、シンプルなアグレッションと展開早めのプログレメタル
ギターのカッティングやちょっとしたノイズなど装飾音の使い方が上手く、それが生っぽさにつながっているのか
コーラスはコードが展開していきスリリング、ギターの刻みがかなり強い
Rushのアレックスライフソンのソロアルバムもこんな音だったかも
けっこう音圧強めでカッティングしているのだがギリギリバンドサウンドの枠にはまっている
ボーカルもギターも枠を飛び出してくる感じが面白い
間奏、ギターリフ、ボーカル
ギターリフとボーカルが絡み合う瞬間がスリリング
コーラスが入り、多重的なボーカル、よくこれだけの音を重ねて整合性を取れるものだ
芯にメインボーカルがある、名曲
★★★★☆


9.Nightmare Epiphany (from Blue Oyster Cult / The Symbol Remains)
ロックンロールピアノ、生々しいドラム
ニューヨーク感のある少しジャジーな空気感もあるロックンロールサウンド
途中の歌メロはBOC的、少しDon't Fear The Reaper=死神を連想させるコーラス
過去のレガシーを活かしながら娯楽性を増してコンパクトに楽曲をまとめている
ところどころテケテケ的なエレキサウンドが入る、クルアンビンはじめ、こういう音がリバイバルしているのだろうか
リズムや曲調だけで歌い方や歌メロは共通点は少ないが、ビリージョエル的でもある
70年代、80年代、90年代、00年代、10年代の流れを踏まえた曲で音楽の流行サイクルとこのバンドのキャリアを感じる
昨年のナザレスの新譜もフレッシュで驚いたが、こちらはフレッシュな上に楽曲の完成度が高い
★★★★☆


10.Tragic Separation (from DGM / Tragic Separation)
美しいピアノから、イメージズアンドワーズのサラウンテッドを思わせる始まり
弦楽器が入ってくる、よりクラシカルな世界観
ピアノの反復フレーズをバンドがそのままリフとして引き継ぐ
開放感のある歌メロ、バッキングのギターフレーズが心地よい
エディヴァンヘイレン的なフレージング
間奏、心地よいギターリフの上で弾きまくるキーボードソロ
少しボーカルが入って、再びギター、キーボードのソロバトル
★★★★☆


11.Koto (from Antibalas / Fu Chronicles)
こちらもホワイトノイズから、ボーカルに乗っているのかな
聞き苦しい感じではなくむしろライブ感があって好ましい
太めのボーカルからスタート、男性コーラスとの掛け合い
ベースがブンブンうなってくる、キレの良い管楽器、たどたどしいギター
ギターのたどたどしさというのは下手ということではなく親指ピアノみたいな、少し偶然性のある音というか
Kotoというのは古都なのか琴なのか事なのか、あるいはアフリカの言葉だろうか
特に琴の音は出てこない
静かに様子をうかがうような、身を低くして揺れているような曲
管楽器にときどきすごくだみ声のような音が混じる、音を割って吹いているのだろう
動物の鳴き声のようで面白い響き、サウンド全体にいい汚し効果が出ている
途中から祝祭的なリズムにテンポアップ、ベースが踊る
パーカッションが盛り上がる、ボーカル、コーラス、掛け合いが続く
様子をうかがう感じから疾走というか、盛り上がる印象
クライマックスかと思ったらまだ曲半ばか、10分という長めの曲
かけていく、馬駆けのリズムだが、乗馬ではなくシマウマの群れが走っていくというところか、野生の疾走
テンポがもとに戻る、ベースが唸っている
途中で「シブヤ」という言葉らしきものが入る、その前にニューヨークニューヨークと言っているからニューヨークとシブヤがなんらか対比されているのか
言葉の発し方が力強い
ふたたび少しテンポアップ、動物が走り出すような
ボーカルラインも走り出す、呪術的な響きもあるコーラス、クライマックスに向かい盛り上がっていく
★★★★☆


12.Heartless Madness (from Dynazty / The Dark Delight)
キーボードのリフからスタート、そこにギターの刻みが入ってくる
Ghostを少し彷彿させる雰囲気がある始まり方だがボーカルが入ってくるとキビキビする
コーラスはちょっとホラーでオカルトな響き、吸血鬼のダンスのようだ
曲の雰囲気が前曲と全然違う、アルバムを聴いていて中だるみ感がなく楽しい
コーラスは反復するメロディでノリが良い
なめらかなギターソロ、もしかしてキーボードだろうか、ちょっと判別しづらい
ふたたびコーラスへ、コーラス終わり、次々とギターフレーズが出てきてどんどん盛り上げる
バンドが一丸となってフィナーレ
★★★★☆


13.I Dug a Hole in the Yard for You (from Lordi / Killection)
少しヘヴィなリフと勢いのあるボーカル、急に現代のメタル
ヴァースはギターがメロディを奏で、ブリッジを経てシンガロングでフックの効いたコーラスへ
コーラスがかなりフックが効いていると思ったらさらに大サビがあった
こういう曲を作らせるとうまい、Lordiらしさといえばこういう曲をイメージする魅力的な曲
ひねくれ具合が濃い、やはりフィンランドのバンドはいいなぁ、本気だがギャグだか分からない瞬間がある
間奏を経て大サビへ
コント的な終わり方
★★★★☆


14.Under the Black Star (from Magnus Karlsson's Free Fall / We Are the Night)
ヘヴィでメロディアス、レインボーのスターゲイザーのような始まり
ただ、クワイアコーラスが入って印象を変えている
ゲストボーカルはふたたびディノジュルシック
こちらはミドルテンポでじっくり聞かせる曲調もあり、よりパワフルに歌い上げている
こちらの曲の方がボーカルスタイルには合っている印象
コーラスはリフと絡みあう、少しエジプト的、オリエンタルの雰囲気もあるバンド全体のユニゾンリフ
ちょっとエスニックなメロディをうまく節回しをつけて歌っている
間奏部の入りはチュニジアのMyrathのようですらある
ソロはネオクラシカル、コンパクトなソロからブリッジ~コーラスへ
★★★★☆


TIDALプレイリストはこちら、一部youtubeにない曲もあるのでこちらが完全版。

それでは良いミュージックライフを。

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

私の勝負曲

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?