詩 「観覧車と」(2022)
正気?
硬いベッドから起き
一杯の水をいただく
清く躰にとけゆく
陽気?
朝靄を吸込む
かの観覧車を
しきりに眺む
思い巡らす
昨夜、ロマノーバが去ったことを
静謐
「東京で生きてみたい」と云ったのは
わたしには叶えてあげられない夢
ロマノーバは二人の人生より
一人の夢を追いかけていた
置かれたモミの木
翌朝ふたたび観覧車に目を留める
二人で乗ったはずの
わたしの心はまだそこに乗ったまま
あゝ刹那にまわれ
徐に
ロマノーバを想うように
そっと
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